学生アリスシリーズまとめ!有栖川有栖の人気シリーズを順番に紹介

国内ミステリー作家の中でも相当に人気が高い「有栖川有栖」先生。

 

「有栖川有栖」と言えば、最近斎藤工さん主演でドラマ化もされた「作家アリス」シリーズです。

 

「作家アリス」シリーズのまとめはこちらから↓

 

さて、その「作家シリーズ」と対をなす関係にあるのが、「学生アリス」シリーズ

 

巻数こそ少ないものの、おすすめミステリーで必ずと言っていいほど名前が挙がる作品ばかりです。

 

私も全巻持っています。ミステリーですが何回読んでも面白いんですよね。

 

一応1冊ごとに事件は完結していますが、順番ごとに読むと更に面白い!ということで順番ごとに紹介いたします。

 

「学生アリス」シリーズとは

 

『学生アリスシリーズ』(がくせいアリスシリーズ)は、有栖川有栖による推理小説のシリーズ。『江神二郎シリーズ』・『学生編』などとも言われる。
1988年~1990年の日本を舞台に、京都の私大・英都大学の推理小説研究会「英都大学推理小説研究会(以下EMC)」の部員たちが旅先で自然災害などに見舞われて孤立し、脱出不可能の状況で殺人事件に遭遇するというクローズド・サークル物の長編シリーズである。シリーズの短編は本編の番外編といった趣となり日常の謎がテーマとなる。洗練された本格推理小説としてだけでなく、若者たちの将来への不安やもどかしい恋愛を描いた青春ミステリー小説としても評価が高い。

 

「作家アリス」「学生アリス」シリーズに共通する特徴ですが、主人公であり語り手は「有栖川有栖」(以下アリス)です。

 

「学生アリス」シリーズは京都の大学にアリスが入学するところから始まり、推理小説研究会「EMC」の先輩である「江神二郎」の卓説された洞察力・推理力を武器に事件を解決していくというストーリーです。

 

wikipediaさんにも載っているように、青春ミステリーとしても評価は高いですし、アリスを始め他のEMCメンバーによる推理合戦や関西弁での掛け合いも面白いです。

 

もちろん本編のミステリーも秀逸。トリックの素晴らしさや、長編には必ず読者への挑戦が含まれているのも特長です。

 

※この読者への挑戦がすごく難しい。初見で解けるやつなんているのかしら。。。

 

作品を順番ごとに紹介

 

ネタバレは含まず、あらすじだけで紹介します。

 

月光ゲーム 〜Yの悲劇’88〜

「学生アリス」シリーズの1作目にして、「有栖川有栖」先生のデビュー長編でもある本作。

 

アリスを始めEMC一行は夏休みにキャンプに訪れ、そこで他大学のメンバーとも仲良くなります。

 

しかし、火山が噴火し、土砂崩れにより帰り道が塞がれるというアクシデント。そんな非常事態の中起きる殺人事件。。。

 

シリーズを通してクローズド・サークルものの事件を扱っていますが、本作では火山の噴火という自然災害により孤立した、山の中のキャンプ場が舞台となります。

 

また「Y」というダイイング・メッセージが大きな鍵を握るのですが、エラリー・クイーンの名作「Yの悲劇」にちなんだ副題が付けられています。

 

最後の解決編、論理的に犯人を絞り込んでいく様は見事としか言いようがないです。

 

孤島パズル

「学生アリス」シリーズ2作目、長編としても2作目。

 

前作からの設定を引き継ぎつつアリスは2年生になり、更に「マリア」という新たなメンバーも加わります。マリアは女子ということで、前作より青春要素が色濃く詰まった1冊となっています。

 

マリアの叔父の別荘がある南の島へ宝探しに行くマリア、アリス、江神の3人。マリアの親戚とともに夏休みのバカンスを過ごしつつ宝探しをするが、そこで殺人事件が発生してしまう。

 

嵐に阻まれ、連絡手段も封じられるというクローズド・サークルのもと、宝探しと犯人探しに挑むという内容。

 

孤島パズルというタイトルの通り、パズルのように事件解決の要素が一つずつ嵌っていく実感が味わえるミステリー。

 

更に江神二郎の名探偵としての素質は勿論のこと、人間としての思慮深さも伺えます。

 

嘆きにも似た切ないセリフが余韻として残ります。事件のやるせなさ・悲しさも前作より強化された印象。

 

双頭の悪魔

シリーズ3作目にして、最高傑作との呼び声高い本作。

 

前作「孤島パズル」での傷心に伴い、高知の山奥に滞在するマリア。そんなマリアを連れ戻して欲しいとマリアの父親から依頼され、高知の山奥へと向かうEMCのメンバー。

 

橋の崩落と土砂崩れにより、山奥で互いに陸の孤島と化した2つの村が今回のクローズド・サークルとなります。

 

マリア含め分断されたEMCメンバー。その分断された2つの村で起きる殺人事件。

 

悪魔と呼ぶにふさわしい犯人に、過去をさらけ出し立ち向かう江神二郎の魅力が更に増します。

 

700ページ近いページ数に、なんと3回もある読者への挑戦。作者の熱意が伝わるボリューミーな力作です。

 

女王国の城(上・下)

シリーズ第4作。文庫本では上・下2冊に分かれており、前作に負けず劣らずぼリューミーな作品。

 

前作のマリアに引き続き、今回は江神部長が姿を消します。消えた先は宗教都市・神倉。

 

江神部長が自分の意思に反して宗教都市の城に閉じ込められていると判断したアリス始めEMCメンバーは部長を取り戻すために神倉に乗り込みます。

 

過去3作と違い、今回は宗教都市という完全に人為的に作られたクローズド・サークルが舞台。

 

そこで発生した殺人事件や、更には過去の事件との複雑な絡まり合いも含めて江神二郎が解決していく、という内容。

 

UFOや宗教というSFっぽい要素を孕みながらも、読者への挑戦から一気に解決に向かっていく様はやはりミステリー。

 

読み応えはあるが、不思議と長さの割には飽きがなく、一気に読めてしまいます。

 

江神二郎の洞察

シリーズ初の短編集。

 

アリスが大学へ入学してからEMCのメンバーと出会い、途中月光ゲームを挟んで、マリアと出会うまでの1年間が時系列で描かれています。

 

時系列的には、長編1作目「月光ゲーム」の前から2作目「孤島パズル」の前くらい、ってことになるんだけど、確実に上4作の長編を読んでからの方が楽しめる。

 

部長とアリスがミステリー談義をしたり、先輩3人でアリスをはめたり、マリアと出会ってからなんとかEMCに入部してもらおうとあれこれ思案したり、いろんな角度からEMCを見ることのできる全9編を収録。

 

昭和から平成になる過程で次の元号を推理するなんてものもある。

 

平成の次は何になるんだろうな・・

 

 

「学生アリス」シリーズの今後は

 

今まで紹介したように、現在まで長編4作、短編1作が発表されています。

 

次回作や今後の執筆予定が気になるところですが、、、

 

「学生アリス」シリーズは長編5作、短編2作で終了の予定でいるそうです!

 

つまり、長編・短編ともに後1作ずつ、ということですね。。。

 

うーん、特に長編は早く読みたくてたまらないけれど、読んだら終わってしまうというジレンマを抱えながら、次回作を待つことになりそうです!

 

 

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