この記事では、新本格派として知られる法月綸太郎の人気推理小説「法月綸太郎シリーズ」について、作品一覧や読むべき順番などを解説しています。
「法月綸太郎」シリーズとは
「法月綸太郎」シリーズは、同名作家法月綸太郎の有名推理小説シリーズです。
著者はエラリー・クイーンの熱狂的ファンであり、主人公の探偵役に自身と同名の推理小説家、父親に刑事を据えるというシリーズのメイン人物はクイーンの小説から着想を得ています。
※以下記事にて、エラリー・クイーンの「国名シリーズ」をまとめております。こちらからどうぞ⇩
「法月綸太郎」シリーズは2020年現在、長編・短編合わせて計15作品が刊行されています。
「法月綸太郎」シリーズ一覧
さて、ではこの15作品は(長編が8編、短編が7編あるのですが)、どの順番で読むのが適切でしょうか。
順番を紐解く前に、まず全15作品を刊行順に並べるとこのようになります。
1.『雪密室』
2.『誰彼』
3.『頼子のために』
4.『一の悲劇』
5.『ふたたび赤い悪夢』
6.『法月綸太郎の冒険』※
7.『二の悲劇』
8.『法月綸太郎の新冒険』※
9.『法月綸太郎の功績』※
10.『生首に聞いてみろ』
11.『犯罪ホロスコープI 六人の女王の問題』※
12.『キングを探せ』
13.『犯罪ホロスコープII 三人の女神の問題』※
14.『名探偵傑作短篇集 法月綸太郎篇』※
15.『法月綸太郎の消息』※
※:短編集
「法月綸太郎」シリーズを読む順番-3つのルール-を紹介
さて、「法月綸太郎」シリーズは一話完結型なので、基本的にはどの作品から読んでもそこまで不都合はないのですが、最低限意識すべき3つのルールがあります。
その1.1作目『雪密室』を最初に読むべし
まずはシリーズ1作目の『雪密室』を最初に読むことをおすすめします。理由は主に2つ、1つはこのシリーズのメインである法月親子の基本設定が語られているので、これを読んでおけばその後の作品にすんなり入っていくことが出来ます。
2つ目は、ルールその2でこの後お伝えしますが、この『雪密室』はこの後3作目『頼子のために』、5作目『ふたたび赤い悪夢』にも関わってくるからです。この2作品を『雪密室』の前に読むか後に読むか、で楽しみ方が全く変わってきますのでご注意ください。
その2.『雪密室』,『頼子のために』,『ふたたび赤い悪夢』はこの順番で読むべし
1作目『雪密室』、3作目『頼子のために』、5作目『ふたたび赤い悪夢』は3部作と呼ばれることがあります。それぞれの事件は作中で完結するのですが、登場人物がリンクしていたり、作中の時系列を色濃く引き継いでいるため、この順番を崩すと後悔することになるでしょう。
その3.『一の悲劇』,『二の悲劇』の順番で読むべし
4作目『一の悲劇』、7作目『二の悲劇』は「悲劇シリーズ」と括られることがあります。ストーリー的には直接関わりはないのですが、順番に読むべき理由があるとしたら、タイトルに込められた意味でしょうか。これ以上言ってしまうと読む面白さが半減してしまうので言いませんが、『二の悲劇』の前に『一の悲劇』を読むようにしましょう。
最終的な順番
以上3つのルールを踏まえ、最終的に5作品は順番を守って読むことをおすすめします。ちなみに序盤の長編のうち、2作目の『誰彼』のみこの順番に含まれていません。この作品はシリーズの中でも異作で評価が別れるのですが、、読むなら刊行順に、1作目『雪密室』と3作目『頼子のために』の間に入れ込むのが良いでしょう。
1.『雪密室』(1作目)
⇩
2.『頼子のために』(3作目)
⇩
3.『一の悲劇』(4作目)
⇩
4.『ふたたび赤い悪夢』(5作目)
⇩
5.『二の悲劇』(7作目)
終わりに
「法月綸太郎」シリーズの読む順番解説、いかがでしたでしょうか。ミステリーはシリーズものが結構ありますが、順番を守って読まないと思わぬネタバレに出くわすことがあります。是非参考にしていただければと思います。
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