近未来警察小説『機龍警察シリーズ』読む順番やおすすめポイントを紹介する

これまでも様々なシリーズを紹介してきた「警察小説」シリーズ紹介記事。今回は月村了衛氏の「機龍警察シリーズ」をお届け致します。

ちなみに「警察小説」のおすすめシリーズは、以下の記事でまとめております。
※「機龍警察シリーズ」にも触れておりますし、それ以外にもおすすめ満載の内容となっております。ぜひご覧ください。

 

『機龍警察シリーズ』とは。-概要や特徴をまとめてみる-

『機龍警察シリーズ』の概要

『機龍警察シリーズ』は、脚本家として活動されていらっしゃった月村了衛先生の作品です。

世界最先端、最高水準の警察小説と謳われており、その特徴は後ほど語りますが、一言で言えば、SF要素を含んだ警察小説であることです。

「至近未来」の日本を舞台に、新型近接戦闘兵器「龍機兵」を擁する警視庁特捜部の活躍を描いた小説である。警察組織内部の軋轢(あつれき)など部局割拠主義を描いた警察小説であるとともに、アクションなどを描いた冒険小説でもある。
※wikipediaより引用

シリーズは短編集も含めて計6冊(2019年8月現在)刊行されており、日本SF大賞吉川英治文学新人賞の受賞、更には「このミステリがすごい!」上位に選ばれるなど華々しい受賞歴を飾っています。

 

『機龍警察シリーズ』の特徴

特徴①:新型近接戦闘兵器「龍機兵」の存在

『機龍警察シリーズ』の特徴は、やはりなんといってもそのSF要素。テロや民族紛争の激化に伴い、機甲兵装と呼ばれる近接戦闘兵器を日本警察が採用します。さながらガンダムのようですね。

さらに機甲兵装の新型機〈龍機兵(ドラグーン)〉を導入した警視庁は、その搭乗員として三人の傭兵を雇い契約します。今の警察組織では考えられないことですが、彼らが所属する特捜部が物語の主役となるのです。

この〈龍機兵(ドラグーン)〉を動かす上では特捜部技術班の活躍も見逃せません。物語が進むに連れて明かされていく龍機兵(ドラグーン)に関する情報や技術班の動向にも注目しながら、読み進めて頂ければと思います。

ガンダムの大人版だとか、機動警察パトレイバーの真面目版だとか、巷では色々言われていますが、小説の内容自体が面白く、SF要素がいいアクセントになっているので概ね高評価のようです。

 

特徴②:魅力ある「特捜部」の人間たち

二つめの特徴として、〈龍機兵〉に搭乗する三人の傭兵たち、そしてそれを束ねる特捜部長が、いずれも個性溢れるキャラであるという点が挙げられると思います。

元外務省の高官という異例の経歴を持つ沖津特捜部長を筆頭に、日本人の元傭兵姿俊之警部、元ロシア警察所属ユーリ・オズノフ警部、そしてアイルランド人の元テロリストライザ・ラードナー警部という、人種も経歴もバラバラな3人が〈龍機兵(ドラグーン)〉のパイロットとなり、物語の中で躍動します。

彼らを軸に物語は展開していくのですが、次第に彼らの過去や謎などが明らかになっていきます。

今までの警察組織にない、外部からきた人間たちを主人公にしているという点が面白いですし、彼らの周辺を固めるザ・日本の警察官たちも名脇役っぷりを発揮しています。

 

『機龍警察シリーズ』一挙紹介。-刊行順にまとめてみる-

ここからは『機龍警察シリーズ』を読む順番を紹介します。

シリーズ1作目『機龍警察』

3機の機甲兵装が地下鉄構内に立てこもるテロ事件が発生。事件解決と黒幕を突き止めるため、龍機兵(ドラグーン)が活躍します。

1作目ということで、前提知識の説明などもありつつ、また次作以降に繋がる伏線なども出てきます。

また2作目以降は特捜部の誰か一人をメインとして描かれることが多いのに対し、本作は特捜部全体が主役のような感じです。強いて言えば姿警部視点が多いかなという程度。

 

シリーズ2作目『機龍警察 自爆条項(上下)』

シリーズ2作目。3人の龍機兵(ドラグーン)パイロットの紅一点、ライザ・ラードナー警部が主人公です。

テロリストに命を狙われている英国政府高官の警護任務、そしてライザ警部の過去にも触れつつ物語が展開していきます。

上下2冊構成ということもあり、量・質ともに1作目よりパワーアップしています。

 

ちなみに -完全版とは-

シリーズ1作目、『機龍警察』、2作目『機龍警察 自爆条項(上下)』はともに(完全版)が刊行されています。

加筆等されていますが、内容は大きく変わらないので、今から読むという方は完全版をおすすめします。

 

シリーズ3作目『機龍警察 暗黒市場』

3作目は、同じく龍機兵(ドラグーン)のパイロットの1人、ユーリ・オズノフ警部が主人公。

警視庁との契約が破棄されたユーリ警部、出身国であるロシアのマフィアが行う武器売買に関わってしまいます。

背景にあるロシア警察との関わりも徐々に見えてくる、盛り沢山の内容です。

 

シリーズ4作目『機龍警察 未亡旅団』

4作目、タイトルにも反映されていますが、女性だけのテロリスト(黒い未亡人)と呼ばれる組織と、特捜部の対決を描いた作品です。

自爆テロを強行したり、組織構成員に未成年も含まれていたりと、厄介なテロ集団に苦戦を強いられます。

 

シリーズ5作目『機龍警察 火宅』(短編集)

5作目はシリーズ初となる短編集です。

ドラグーンのパイロットだけでなく特捜部周辺人物にもスポットを当てた全8編から成り、シリーズファンなら必読の1冊です。

 

シリーズ6作目『機龍警察 狼眼殺手』

狼眼殺手なる凄腕暗殺者に翻弄されながら、日中合同のプロジェクトに絡んだ捜査を進める特捜部。

新たな展開を予想させる、現時点でのシリーズ最新刊です!

 

終わりに

異色の警察小説『機龍警察シリーズ』を紹介しました。警察小説好きの方には是非一度読んで頂きたいと思います。

 

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