笑いあり涙あり!森見登美彦の小説を全作品おすすめ順に紹介する

この記事では森見登美彦氏の小説デビュー作から最新作まで、16編全てを紹介していきます。

一部スピンオフ、続編がありますのでランキングには含めてない作品が2作品あります。

『郵便少年』、『有頂天家族 二代目の帰朝』がそれに当たりますが、記事の中で言及はしております。

 

森見登美彦とは

森見 登美彦(もりみ とみひこ、1979年1月6日 – )は、日本の小説家。奈良県生駒市出身。ペンネームは本名の姓「森見」に、この地にゆかりの深い登美長髄彦を合わせたもの。(中略)京都大学農学部生物機能科学科応用生命科学コースを卒業、同大学院農学研究科修士課程修了(修士(農学・京都大学))。

大学在学中に執筆された『太陽の塔』で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、小説家デビューされています。

作品の特徴(作風)

①京都が舞台の作品が多い

筆者自身が大学時代を京都で過ごされたということもあるのでしょう、京都を舞台にした小説で、主人公は京都大学の学生というパターンが多いです。神社やお寺はもちろん、叡山電車や先斗町、鴨川デルタなど名所がずらり。「そうだ、京都行こう」ばりに京都行きたくなります。私は森見登美彦作品を読んで、小説原作のアニメを見て、初めて聖地巡礼なるものをしてしまいました。

②語り口調が独特

これは好き嫌いが別れるのですが、いわゆるクセのある文体が特徴です。基本一人称で物語が進むのですが、少し芝居染みた独特の語り口調はファンにはとことん受けるんですね。

 

森見登美彦のおすすめ作品をランキングで紹介する

では、上位から順番に紹介していきます。

1.『有頂天家族』

「面白きことは良きことなり!」が口癖の矢三郎は、狸の名門・下鴨家の三男。宿敵・夷川家が幅を利かせる京都の街を、一族の誇りをかけて、兄弟たちと駆け廻る。が、家族はみんなへなちょこで、ライバル狸は底意地悪く、矢三郎が慕う天狗は落ちぶれて人間の美女にうつつをぬかす。世紀の大騒動を、ふわふわの愛で包む、傑作・毛玉ファンタジー。

面白きことは良きことなり!」笑いあり涙ありの、狸たちの物語。狸と天狗の化かしあいで笑った後に、家族の絆に泣かされる。
森見作品でもダントツでおすすめの作品です。
本作品は3部作構想となっていて、現在第2部まで発表(アニメ化も)されています。第2部『有頂天家族 二代目の帰朝』も合わせてお楽しみください。
また原作だけでなく、P.A.WORKSによるアニメもめちゃめちゃおすすめです。

 

2.『夜は短し歩けよ乙女』

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、京都のいたるところで彼女の姿を追い求めた。二人を待ち受ける珍事件の数々、そして運命の大転回とは?

主人公の男子大学生と、後輩女子の黒髪の乙女による恋愛ファンタジー。2人の恋物語を、2人それぞれの視点から交互に描いています。
古風な言い回しも奇想天外な出来事も森見作品ならではの魅力がたっぷり詰まっています。
第20回山本周五郎賞受賞、2007年本屋大賞第2位と受賞歴も申し分なし。2017年にはアニメ映画化もされた人気作品です。

 

3.『ペンギン・ハイウェイ』

ぼくはまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。ある日、ぼくが住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにした──。少年が目にする世界は、毎日無限に広がっていく。第31回日本SF大賞受賞作。

小学4年生のアオヤマ君と、近所のおねえさんによる一夏の不思議体験を描いた物語。
海のいない街に突如大量発生したペンギンたち。この謎に歯科医院のおねえさんが関わっていることを知ったアオヤマ君は、得意の研究を始めます。
小学3年生時のアオヤマ君を描いたスピンオフ『郵便少年』もおすすめですので合わせてどうぞ。
2018年にはアニメ映画も公開されました。個別記事で『ペンギン・ハイウェイ』について紹介しています。

 

4.『四畳半神話大系』

私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。いっそのこと、ぴかぴかの1回生に戻って大学生活をやり直したい! さ迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。

冴えない京都の大学3回生を主人公とする、パラレルワールドストーリー。
4章からなる小説で、それぞれ大学入学後の平行世界で違う学生生活を送る主人公の姿が描かれています。
いわゆるループものを、珍しい手法で書いた作品。
実はこの作品もアニメ化されているのですが、これがまた秀逸な出来。個人的にはハルヒのエンドレスエイトと並んで2大ループものだと思っています。
悪友小津との掛け合いも面白いので、ぜひご覧ください。

 

5.『四畳半タイムマシーンブルース』

水没したクーラーのリモコンを求めて昨日へGO! タイムトラベラーの自覚に欠ける悪友が勝手に過去を改変して世界は消滅の危機を迎える。そして、ひそかに想いを寄せる彼女がひた隠しにする秘密……。
森見登美彦の初期代表作のひとつでアニメ版にもファンが多い『四畳半神話大系』。ヨーロッパ企画の代表であり、アニメ版『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』『ペンギン・ハイウェイ』の脚本を担当した上田誠の舞台作品『サマータイムマシン・ブルース』。互いに信頼をよせる盟友たちの代表作がひとつになった、熱いコラボレーションが実現!

上で紹介した『四畳半神話大系』の続編というべきかスピンオフというべきか。
主要人物や設定など世界観はそのままに、上田誠の『サマータイムマシン・ブルース』とコラボした本作品。
SF要素が加わりつつも台詞回しやドタバタの展開など、四畳半ファンにはたまらない。ちなみに私は『サマータイムマシン・ブルース』は見ておりません。

 

6.『太陽の塔』

巨大な妄想力以外、何も持たぬフラレ大学生が京都の街を無闇に駆け巡る。失恋に枕を濡らした全ての男たちに捧ぐ、爆笑青春巨篇!

失恋した大学生が、ストーカーと化し暴走しながらも、徐々に立ち直っていくお話。
本作は森見登美彦氏のデビュー作にあたり、後の『夜は短し歩けよ乙女』、『四畳半神話大系』と並んで「京都学生の日常」を描いている。とにかく笑って楽しめる作品。

 

7.『夜行』

「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」
私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。

京都で学生時代を過ごした仲間たちが、10年ぶりに集まり、旅館で各々が経験した不思議体験を語りだす。
それぞれの体験談が1つの章となっており、そのどれもが背筋を冷たくさせるような怪談話になっている。
最後は仰天の結末。「きつねのはなし」にもつながるホラーものですが、こちらは長編小説の体を成しています。

 

8.『聖なる怠け者の冒険』

社会人2年目の小和田君は仕事が終われば独身寮での夜更かしを楽しみとする地味な生活。ある日、狸のお面をかぶった「ぽんぽこ仮面」との出会いから、めくるめく冒険の一日が幕を開ける。第2回京都本大賞受賞作!

京都の祇園祭を舞台に、怠け者である社会人2年目の小和田君が、突然現れた「ぽんぽこ仮面」なる人物と織り成す冒険ファンタジー。
主人公だけでなく癖ぞろいの登場人物たちが京都を縦横無尽に駆け巡るお話であり、ある程度森見作品を読んだ方におすすめです。

 

9.『恋文の技術』

京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた男が一人。無聊を慰めるべく、文通修業と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。文中で友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れるが、本当に想いを届けたい相手への手紙は、いつまでも書けずにいるのだった。

恋文の技術」成るものを会得し世の女性を恋文だけで落とすという野望をもった学生が主人公。
しかし意中の女性には全然素直になれない、、というあほらしいがなぜか応援したくなるお話。
最後は少しほっこりもする恋文小説です。

 

10.『宵山万華鏡』

祇園宵山の京都で、誘い込まれた妖しい迷宮。夏までの期間限定サークル「祇園祭司令部」に集まった学生たち。変人ぞろいの彼らが用意した大舞台、いったい何をたくらんでいるのか?(「宵山劇場」)。「祇園祭宵山法度」で現行犯逮捕。連れ去られた藤田の地獄めぐりがはじまった……(「宵山金魚」)。吃驚仰天の新世界! 6つの物語が交錯し妖しくつながっていく連作中篇集。

『聖なる怠け者の冒険』と同様、祇園祭の宵山を舞台とした小説。
こちらは6篇の短編からなる短編集という扱いだが、特に1編目と6編目などそれぞれが関連していて読み進めるうちに見えてくるものがあります。

 

11.『新釈 走れメロス』

芽野史郎は全力で京都を疾走した――無二の親友との約束を守「らない」ために! 表題作の他、近代文学の傑作四篇が、全く違う魅力をまとい現代京都で生まれ変わる! 滑稽の頂点をきわめた、歴史的短編集!

表題にもなっている「走れメロス」を始め、「山月記」「百物語」など近代日本文学5作品の新訳(パロディ)が収録された短編集。
主人公を京大生にしてみたり、あるいは森見登美彦氏自身にしてみたり、原作に寄せ過ぎるでもなく離れ過ぎるでもない絶妙な距離感のあるオマージュが癖になる作品です。

 

12.『四畳半王国見聞録』

「ついに証明した! 俺にはやはり恋人がいた!」。二年間の悪戦苦闘の末、数学氏はそう叫んだ。果たして運命の女性の実在を数式で導き出せるのか(「大日本凡人會」)。水玉ブリーフ、モザイク先輩、マンドリン辻説法、見渡すかぎり阿呆ばっかり。そして、クリスマスイブ、鴨川で奇跡が起きる――。森見登美彦の真骨頂、京都を舞台に描く、笑いと妄想の連作短編集。

京都を舞台にした7編からなる短編小説。タイトルから連想される方もいるかもしれませんが『四畳半神話大系』の続編というわけではない。
続編ではないけれど樋口や小津など共通した登場人物は複数おり、かつ著者曰く『四畳半神話大系』による知名度上昇を有利に活用したいという意図があるらしく、四畳半という単語が作品に頻出する。

 

13.『熱帯』

汝にかかわりなきことを語るなかれ――。そんな謎めいた警句から始まる一冊の本『熱帯』。
この本に惹かれ、探し求める作家の森見登美彦氏はある日、奇妙な催し「沈黙読書会」でこの本の秘密を知る女性と出会う。そこで彼女が口にしたセリフ「この本を最後まで読んだ人間はいないんです」、この言葉の真意とは?

読んでいる途中に消えてしまうため最後まで読むことが出来ない幻の本「熱帯」にまつわる物語。
複雑に入り組んだ構成、500ページ以上にも及ぶ分量、書き上げるまでに8年の期間を要したそうで、まさに文字通りの大作です。
2019年直木三十五賞候補、同年本屋大賞のノミネート作品でもあります。

 

14.『きつねのはなし』

京の骨董店を舞台に現代の「百物語」の幕が開く。注目の俊英が放つ驚愕の新作。細長く薄気味悪い座敷に棲む狐面の男。闇と夜の狭間のような仄暗い空間で囁かれた奇妙な取引。私が差し出したものは、そして失ったものは、あれは何だったのか。さらに次々起こる怪異の結末は―。端整な筆致で紡がれ、妖しくも美しい幻燈に彩られた奇譚集。

4作からなる短編集で、京都を舞台にしつつもこれまで紹介した作品とはテイストが異なり、森見登美彦氏独特の言い回しも見られない。
「きつね」で連想する方もいらっしゃるかもしれませんが、怪談小説であり、薄ら寒く感じるような短編が収録されています。

 

15.『森見登美彦の京都ぐるぐる案内』

「傑作は京都から誕生した」森見ワールドの名場面へあなたをご招待。ファンに捧げる、新感覚京都ガイド!サカネユキ氏による美麗写真多数、特別エッセイ2篇収録!

森見氏による京都案内がコンセプトの作品。実際に作品に登場した場所が、作中の文章と写真とともに紹介されており。聖地巡礼にはもってこいの作品です。書き下ろしの随筆も収録されています。
なお本作品は小説ではなくエッセイです。上にあげた作品で森見登美彦氏の小説は全て紹介しきっておりますので番外編としてお楽しみください。

 

終わりに

さて、森見登美彦作品まとめはこれにて終了です。面白いだけではなく感動したり、少しぞくっとしたり。作品によってテイストは異なりますがどれも面白いので是非読んでみてください。kindleその他電子書籍でも読むことができます。電子書籍サイトのおすすめはこちらから⇩

 

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