2020.4.24更新
(2018.8.17)映画『ペンギン・ハイウェイ』が公開されました。公開を記念して原作の森見登美彦作品についてまとめてみたいと思います。
『ペンギン・ハイウェイ』についての個別記事もあります。こちらからどうぞ⇩
森見登美彦とは
森見 登美彦(もりみ とみひこ、1979年1月6日 – )は、日本の小説家。奈良県生駒市出身。ペンネームは本名の姓「森見」に、この地にゆかりの深い登美長髄彦を合わせたもの。(中略)京都大学農学部生物機能科学科応用生命科学コースを卒業、同大学院農学研究科修士課程修了(修士(農学・京都大学))。
大学在学中に執筆された『太陽の塔』で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、小説家デビューされています。
作品の特徴(作風)
①京都が舞台の作品が多い
筆者自身が大学時代を京都で過ごされたということもあるのでしょう、京都を舞台にした小説で、主人公は京都大学の学生というパターンが多いです。神社やお寺はもちろん、叡山電車や先斗町、鴨川デルタなど名所がずらり。「そうだ、京都行こう」ばりに京都行きたくなります。私は森見登美彦作品を読んで、小説原作のアニメを見て、初めて聖地巡礼なるものをしてしまいました。
②語り口調が独特
これは好き嫌いが別れるのですが、いわゆるクセのある文体が特徴です。基本一人称で物語が進むのですが、少し芝居染みた独特の語り口調はファンにはとことん受けるんですね。
森見登美彦のおすすめ作品をランキングで紹介する
では、上位から順番に紹介していきます。
第1位『有頂天家族』
「面白きことは良きことなり!」笑いあり涙ありの、狸たちの物語。狸と天狗の化かしあいで笑った後に、家族の絆に泣かされる。森見作品でもダントツでおすすめです。また原作だけでなく、P.A.WORKSによるアニメもめちゃめちゃおすすめです。
P.A.WORKSによるアニメ集はこちらから⇩
なお、原作は3部作構想で、現在第2部まで発表(アニメ化も)されています。第2部『有頂天家族 二代目の帰朝』はこちら⇩
第2位『夜は短し歩けよ乙女』
主人公の男子大学生と、後輩女子の黒髪の乙女による恋愛ファンタジー。2人の恋物語を、2人それぞれの視点から交互に描いています。古風な言い回しも奇想天外な出来事も森見作品ならでは。第20回山本周五郎賞受賞、2007年本屋大賞第2位。2017年にはアニメ映画化もされた人気作品。
第3位『ペンギン・ハイウェイ』
小学4年生のアオヤマ君と、近所のおねえさんによる一夏の不思議体験を描いた物語。海のいない街に突如大量発生したペンギンたち。この謎に歯科医院のおねえさんが関わっていることを知ったアオヤマ君は、得意の研究を始めます。
2018.8.17(金)、アニメ映画『ペンギン・ハイウェイ』が公開されました。公開に先立ち個別記事で『ペンギン・ハイウェイ』について紹介していますので、詳しくはこちらからどうぞ⇩
第4位『四畳半神話大系』
冴えない京都の大学3回生を主人公とする、パラレルワールドストーリー。4章からなる小説で、それぞれ大学入学後の平行世界で違う学生生活を送る主人公の姿が描かれている。いわゆるループものを、珍しい手法で書いた作品。
実はこの作品もアニメ化されているのですが、これがまた秀逸な出来。個人的にはハルヒのエンドレスエイトと並んで2大ループものだと思っています。悪友小津との掛け合いも面白いので、ぜひご覧あれ。
第5位『太陽の塔』
失恋した大学生が、ストーカーと化し暴走しながらも、徐々に立ち直っていくお話。デビュー作で荒削りながらも、後の『夜は短し歩けよ乙女』、『四畳半神話大系』と並んで「京都学生3部作」(勝手に名付けた)とも言うべき連作の1作目。とにかく笑えます
第6位『恋文の技術』
「恋文の技術」成るものを会得し世の女性を恋文だけで落とすという野望をもった学生が主人公、しかし意中の女性には全然素直になれない、、というあほらしいがなぜか応援したくなるお話。最後はほっこりする恋文小説です。文通してえ〜となります。
第7位『聖なる怠け者の冒険』
京都の祇園祭を舞台に、怠け者である社会人2年目の小和田君が、突然現れた「ぽんぽこ仮面」なる人物と織り成す冒険ファンタジー。他作品に登場する人物が出てきたり、京都を縦横無尽に駆け巡るお話であるため、ある程度森見作品を読んだ方におすすめです。
第8位『宵山万華鏡』
続いても宵山を舞台とした小説。6篇の短編からなる短編集という扱いだが、それぞれが関連していて読み進めるうちに見えてくるものがある。まさに万華鏡。
第9位『きつねのはなし』
続いても4作からなる短編集。「たぬき」と「きつね」の違いなのか、こちらは奇怪小説と言うべきか、少しホラーっぽい感じのするお話たちです。
第10位『夜行』
京都で学生時代を過ごした仲間たちが、10年ぶりに集まり、旅館で各々が経験した不思議体験を語りだす。それぞれが背筋を冷たくさせるような怪談話になっており、最後は仰天の結末。「きつねのはなし」にもつながるホラーものですが、こちらは長編小説の体を成しています。
終わりに プラスワン作品〜京都に行きたくなったら〜
冒頭で、京都を舞台にした作品が多いので、京都に行きたくなりますよと言いました。
もし本当に行きたくなったら?という時に読む作品がありますので、最後に紹介します。
『森見登美彦の京都ぐるぐる案内』
実際に作品に登場した場所が、作中の文章と写真とともに紹介されています。森見氏による京都案内がコンセプトなんですね。聖地巡礼にはもってこいの作品です。書き下ろしの随筆も収録されています。
さて、森見登美彦作品まとめはこれにて終了です。面白いだけではなく感動したり、少しぞくっとしたり。作品によってテイストは異なりますがどれも面白いので是非読んでみてください。kindleその他電子書籍でも読むことができます。電子書籍サイトのおすすめはこちらから⇩
コメント