2019.8.11更新
「連載中」の作品の難点は、最新刊まで読んでしまうと、数ヶ月待たなければいけないこと。その間に内容や前巻の終わり方を忘れてしまったり、読んでいた時の情熱が薄れてしまったり、というようなことは誰しも経験があるでしょう。
伏線や作品トータルの繋がりを意識するなら、やはり完結した漫画を一気読みするに限る。ということで今回は完結済みの漫画に絞って、おすすめ作品を紹介していきます。
巻数が少ないものから順に紹介していきますので、サクッと読みたい/がっつり読みたいなど、気分に合わせてご覧ください。
※2019年8月現在、およそ50作品を掲載しておりますが、まだまだ紹介したい漫画が多数あります。紹介の仕方も含めて、今後随時更新をかけていこうと思います。
▪️1〜10巻で完結するおすすめ漫画
『金の国 水の国』/岩本ナオ(全1巻)
隣り合った2つの国の素敵な男女たちが、国同士のわだかまりを徐々に溶かしていく物語。
「この漫画がすごい2017」女性部門第1位に選ばれた、たった1冊の中に優しさが満ち溢れた作品。
『百万畳ラビリンス』/たかみち(全2巻)
どこまでも部屋が続く空間に閉じ込められた二人の主人公が、謎を解き明かしていく物語。
変に風呂敷を広げすぎず、後半の謎が解けていくスピード感がとても爽快。絵もとても綺麗に描かれている。
『プラネテス』/幸村誠(全4巻)
宇宙空間に浮かんだゴミ(デブリ)拾いの仕事を行う人間を主人公にしたSF作品。
テーマは宇宙だけど人間の真っ直ぐな感情が描かれているし、どこか哲学的な仕立てにもなっていて、4巻とは思えない濃さを感じる作品。
『彼方のアストラ』/篠原健太(全5巻)
漫画大賞2019の大賞作品に選ばれたSF漫画。ジャンプ+で掲載されたウェブ漫画。
ちりばめた伏線を5巻という短さの中で可能な限り回収していく気概が見事。長期連載でも面白かったんじゃないかなと思う。
『セトウツミ』/此元和津也(全8巻)
テンポの良い掛け合いが魅力のギャグマンガ。と思いきや最終巻で待つどんでん返し。こんな漫画見たことない。
池松壮亮&菅田将暉ダブル主演で映画化もされている。そちらも見て欲しい。
『僕だけがいない街』/三部けい(全9巻)
タイムリープ能力を持つ主人公が過去に遡って大事な人を助けようとするSFサスペンス。
現代と過去を行き来しながら少しずつ真相に迫っていく展開にのめり込む。伏線回収もうまくて読み応えがある作品。
『海街diary』/吉田秋生(全9巻)
鎌倉に住む姉妹の日常を描いた物語。是枝監督と美人女優たちによる映画版も見て損無し。
湘南地方の情景と、登場人物たちの感情の機微が細やかに描かれている。幅広い年代にお勧めできる作品。
『寄生獣』/岩明均(全10巻)
謎の生物に寄生された人間たちを描いたSF漫画。
グロ描写はあるけどテーマやシナリオにブレがなく、数十年前の作品とは思えない程とても完成度が高い作品。
『惑星のさみだれ』/水上悟志(全10巻)
世界を救うために戦う主人公たちを描いたファンタジーバトル漫画。
最初ダメダメだった主人公が読み進めるうち、立派に戦いを重ねていくようになる。成長の物語でもある。
『昭和元禄落語心中』/雲田はるこ(全10巻)
ただひたすらに芸を磨く-、落語という古典芸能に人生を捧げた人たちの生き様を描いた作品。
過去から現在、そして未来へ。伝統芸能が人々によって語り継がれてきた歴史を感じることの出来る物語。
『恋は雨上がりのように』/眉月じゅん(全10巻)
女子高生と、バイト先の店長の年の差カップルを主人公とした日常恋愛漫画。
情景描写がとても綺麗で、それだけで引き込まれる。どこか晴れやかな気持ちになれる作品。
▪️11〜20巻で完結するおすすめ漫画
『四月は君の嘘』/新川直司(全11巻)
あるきっかけでピアノが弾けなくなった主人公が、再び音楽の世界に舞い戻る、青春漫画。
まるで音が聴こえるような迫力ある描写が特徴。タイトルの意味が分かるラストも泣けて青春漫画としても良作な漫画。
『DEATH NOTE』/大場つぐみ,小畑健(全12巻)
一世を風靡した頭脳系漫画。死神のノートに名前を書かれた者は死ぬ、というSF設定を現実世界に落とし込んだ問題作。
圧倒的な文字数と巻数を重ねるごとに深まる画力、1ページ辺りの情報量が半端ない。
『I”s』/桂正和(全15巻)
パンチラを描かせたら日本一の漫画家、桂正和による恋愛漫画。
連載終了から何年経っても色褪せず、思春期の男子の心を射抜き続ける純愛が描かれている。
『めぞん一刻』/高橋留美子(全15巻)
数々の名作を生み出した高橋留美子によるラブコメ漫画。
音無響子を好きになれるか、でこの漫画の評価ははっきり分かれる。好きになれれば間違いなく名作である。
『それでも町は廻っている』/石黒正数(全16巻)
喫茶店でアルバイトをする女子高生を主人公とした日常コメディ、通称『それ町』。
登場人物の移り変わりや、ギャグのテンポがよく飽きずに読める日常モノ。アニメ版も良い出来なので是非。
『MONSTER』/浦沢直樹(全18巻)
日本人の外科医を主人公に、ヨーロッパを舞台に描かれたサスペンス漫画。
恐怖すら覚える迫力ある描写、ページをめくる手が止まらない展開力。浦沢作品には珍しく伏線を出来るだけ回収している点もGOOD。
『幽☆遊☆白書』/冨樫義博(全19巻)
冨樫作品といえば『HUNTER×HUNTER』よりも幽白、と言う人も多い名作バトル漫画。
チーム戦をうまく取り入れつつ、主人公の成長、勝利という軸はブラさない。これぞジャンプの王道という感じ。
『いちご100%』/河下水希(全19巻)
1990年前後に生まれた男子はもれなくお世話になっている、青春ラブコメ漫画。
それぞれのヒロインに違った魅力があるし、ただのハーレムモノじゃなく部活動を通して青春要素が描かれているのも良い。
『BANANA FISH』/吉田秋生(全20巻)
ニューヨークを舞台に、若きストリートギャングの奮闘を描くアクション漫画。
「バナナフィッシュ」の謎を追い求める中で描かれるサスペンス要素だけでなく、恋愛・青春・アクションと様々な要素が絡み合う傑作。少女漫画誌連載は信じられない。
『ピューと吹く!ジャガー』/うすた京介(全20巻)
縦笛を吹く謎の男ジャガーと愉快な仲間たちによるギャグ漫画。
好き嫌いは分かれるんだろうけど、ツボに入った時の破壊力は凄まじい。わけわかんないのにこんなにも笑えるギャグ漫画は他にないと思う。
▪️21〜30巻で完結するおすすめ漫画
『ヒカルの碁』/(全23巻)
「囲碁」を題材にした少年漫画。少年が古い碁番に宿った棋士の霊に取り憑かれ、次第に囲碁に惹かれていく。
この漫画を読んだことがきっかけでプロ棋士になった子供もいるとか。納得の面白さと思う、まさに名作漫画。
『封神演義』/藤崎竜(全23巻)
中国明の時代に生まれた神怪小説を原作とした漫画。人界と仙界で繰り広げられる戦争をテーマとした物語。
少年漫画には珍しく軍師を主人公とするなど、コメディ要素や原作からの改点も含み、原作好きでもそうでなくても楽しめる漫画。
『YAIBA』/青山剛昌(全24巻)
現代日本を舞台に、天下一のサムライを目指す少年ヤイバと愉快な仲間たちの物語。
現代日本だけど宮本武蔵や佐々木小次郎も出てきて、全体的にコメディタッチではあるが要所は締める格闘漫画。
『のだめカンタービレ』/二ノ宮知子(全25巻)
音大所属の主人公が、性格の異なる仲間たちと触れ合いながら成長していく音楽漫画。
あまりにもドラマ版が有名ではあるが、原作ももちろん面白い。軽いタッチで描かれていながら演奏シーンは迫力がある。
『クローズ』/高橋ヒロシ(全26巻)
不良漫画の金字塔、喧嘩ばかりしていても、ヤンキーたちのまっすぐな気持ちに胸を打たれる。
タバコを吸うきっかけになったのはこの漫画である、なんて人も多いだろう。続編の『WORST』も甲乙つけがたい名作である。
『ピアノの森』/一色まこと(全26巻)
森に捨てられたピアノを弾いていた少年が元ピアニストに才能を見出され、音楽の道に進んでいくサクセスストーリー。
主人公だけでなくライバルや周辺人物も人間味があって魅力たっぷり。コンサート編の描写も見事というほかない。
『鋼の錬金術師』/荒川弘(全27巻)
錬金術を題材にした架空の世界が舞台のファンタジー漫画。
主人公たちが錬金術を扱う理由(=テーマ)はしっかりブレず、世界観も良い。強力な敵との迫力あるバトルシーンにあっと驚く伏線回収。非の打ち所が無い作品。
『るろうに剣心』/和月伸宏(全28巻)
実在の人物や事件を絡ませた、明治初期の日本を舞台にした剣客漫画。
ジャンプで歴史物は流行らない、の下馬評を思いっきり覆した名作漫画。現在続編?がジャンプSQで連載中。
『モンキーターン』/河合克敏(全30巻)
マイナースポーツを描かせたら日本一、河合克敏先生による競艇を題材にしたスポーツ漫画。
主人公が競艇と出会い、成長していく過程は少年漫画にふさわしい。また競艇という賭け競技の細部に触れつつも、作品を通して爽やかなイメージを崩さない描き方が素晴らしい。
▪️31巻以上で完結するおすすめ漫画
『SLAM DUNK』/井上雄彦(全31巻)
当時マイナーだったバスケットボールの人気に火をつけたジャンプが誇るスポーツ漫画。
編集とトラブルになったとも言われる終わり方も、今後現れることは無いくらい綺麗なラストを飾ったと評価されている。
金色のガッシュ!!『雷句誠』/(全33巻)
魔界の王を決める戦いに巻き込まれた少年と、王を目指す魔物の子を主人公としたバトルファンタジー。
笑いあり涙あり、大人になっても楽しめる少年漫画とはこういう作品のことをいうのだろう。
『H2』/あだち充(全34巻)
『タッチ』と並ぶあだち充の野球漫画二大作品の一つ。毎年夏になると読みたくなる。
『タッチ』との差はライバル英雄と古賀ちゃんの存在かな。どっちもとても良い漫画だけどね。
『BECK』/ハロルド作石(全34巻)
平凡な主人公がひょんな出会いから自らの才能に目覚め、音楽の道を進んでいく物語。
バンドのメンバーが皆個性があってかっこいいし、音楽に懸ける信念とか情熱みたいなものが伝わってくる、良い作品。
『アイシールド21』/村田雄介,稲垣理一郎(全37巻)
アメリカンフットボールを題材にした、おそらく唯一と言って良い作品。
難解なルール説明を挟みつつ、ギャグやスポ根要素も取り入れられた、非常に出来の良いスポーツ漫画。
『GANTZ』/奥浩哉(全37巻)
ひょんなことから謎の宇宙生物と戦う生活を強いられた主人公や仲間の奮闘を描いたSFバトル漫画。
CGを用いた作画、謎が謎を呼ぶ伏線や展開力は素晴らしい。序盤の期待値が高過ぎてラストがいまいち評価されないのは浦沢直樹作品と同じ。
『今日から俺は!!』/西森博之(全38巻)
少年サンデーが誇る平成初期のヤンキー漫画。暴走族の登場は一切なくギャグ要素も強めと、少しマイルドな不良漫画という感じ。
連載開始から30年後にドラマ化されるなど、今だに根強い人気を誇る作品。
『DRAGON BALL』/鳥山明(全42巻)
もはや説明の必要が無い、日本が誇るレジェンドバトル漫画。
連載初期はギャグマンガという位置づけだったなんて信じられない。シンプルな線であれだけ迫力あるバトルシーンを描ける鳥山明はやはり天才という他無い。
『ラストイニング』/中原裕,神尾龍(全44巻)
主人公が高校野球の監督という、珍しい野球漫画。
育成方法や采配など、理論的な部分に多く触れており、その分巻数は多いが納得の面白さとなっている。野球好きは全員好きでしょう。
『海皇紀』/川原正敏(全45巻)
近未来を舞台に、海上で生きる海の一族を描いた海洋冒険活劇的な漫画。
帆船の扱いから船上での戦闘、更には魔導など、読者の興味を誘いながら展開していくストーリー仕立てが素晴らしい。主人公や主要人物もキャラが立っていて読みやすい。
『頭文字D』/しげの秀一(全48巻)
北関東の峠を舞台に、走り屋たちを描いたレース漫画。
サーキットとは違い公道にしか無いロマンを追い求める若者たちがたまらなくかっこいい。現実で真似して捕まる奴が定期的に現れるのもこの漫画の魅力を暗に物語っている。
『NARUTO』/岸本斉史(全72巻)
忍者が忍術を駆使して繰り広げる戦闘が魅力のバトルアクション漫画。
序盤のドキドキワクワクは今読んでも凄まじく惹きつけられるものがある。ラストが蛇足という人もいるけどご愛嬌でしょ。と言い切れるくらいトータルの完成度は高い名作。
『BLEACH』/久保帯人(全74巻)
『NARUTO』とともに2000年代のジャンプを支えた王道バトル漫画。こちらは死神を題材にしている。
主人公が行き来する現世と死神、二つの世界の描きわけが秀逸。ラストが蛇足なのは『NARUTO』と似ているけど、十分面白い。
『MAJOR』/満田拓也(全78巻)
プロ野球選手を父に持つ少年が、同じようにプロ野球選手、そしてMLBを目指す物語。
主人公のリトルリーグ時代から選手生活晩年までを描いた作品なんてこれ以外に知らない。中学、高校とそれぞれにドラマがあって、全部面白い。
終わりに
「完結済み」漫画特集をお送りしました。お休みの時期や夜更かししたい時など、是非ご活用ください。
また冒頭でも申し上げた通り、コンテンツは随時追加していきますので、お楽しみに。
おすすめ漫画を色々な切り口で紹介しております。
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