歴代の本屋大賞受賞作品まとめ!おすすめトップ10を紹介してみる

2021本屋大賞は町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』に決定しました!

 

全国の書店員が、今一番売りたい本を決める!というコンセプトの元、毎年投票・審査が行われている本屋大賞。

 

例年大賞受賞作品は名作揃いなのですが、今回はその中でも個人的に超絶面白い!と思う10作品を選びランキングにしてみました。

 

またそれに加え、惜しくも大賞を逃したノミネート作品も名作ぞろいなので、こちらからもおすすめ作品を紹介しています。。

ちなみに、「ブランチBOOK大賞」を調べてみると「本屋大賞」との繋がりが見えてきて面白いです。

 

そもそも本屋大賞とは

売り場からベストセラーを作る!」「いちばん、売りたい本!」などのキャッチの元、全国の書店員さんたちが投票者となって、毎年最も売りたい本を決めるという賞です。

 

2004年〜と比較的歴史は浅い賞ですが、何より書店員の投票によって決まるということで庶民に親しみやすく、全国的に注目度も高まっている賞であると言えます。

 

過去の本屋大賞受賞作品まとめ

 

まず過去の受賞作品にはどんな作品があるんだということで、以下大賞受賞作品の一覧です。

 

2004年『博士の愛した数式』(小川洋子)
2005年『夜のピクニック』(恩田陸)
2006年『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(リリー・フランキー)
2007年『一瞬の風になれ』(佐藤多佳子)
2008年『ゴールデンスランバー』(伊坂幸太郎)
2009年『告白』(湊かなえ)
2010年『天地明察』(冲方丁)
2011年『謎解きはディナーの後で』(東川篤哉)
2012年『舟を編む』(三浦しをん)
2013年『海賊と呼ばれた男』(百田尚樹)
2014年『村上海賊の娘』(和田竜)
2015年『鹿の王』(上橋菜穂子)
2016年『羊と鋼の森』(宮下奈都)
2017年『蜜蜂と遠雷』(恩田陸)
2018年『かがみの孤城』(辻村深月)
2019年『そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこ)
2020年『流浪の月』(凪良ゆう)
2021年『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ)←new!!

 

2021年4月14日に2021年の本屋大賞が発表され、現在までで全18作品あります。

 

本屋大賞受賞作品トップ10を勝手に選んでみた

ここからは歴代の大賞受賞作品の中から、個人的におすすめしたい10作品を選びました。何から読めばいいか悩んでいる方は是非参考にしてみてください。

読みたい漫画を見つけたら電子書籍サービスを活用して読みましょう!

 

1.『海賊と呼ばれた男』(百田尚樹:2013)

一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。
「BOOK」データベースより引用

百田尚樹氏の作品の中でも『永遠の0』と双璧を成す人気作品。出光興産の創業者出光佐三をモデルとした主人公の一生を描いた作品です。

戦後の日本において社員を守りながら自社と国の発展のため奔走した主人公の生き様を熱量を持って語りつつ、当時の時代背景や石油産業を取り巻く環境、その中で国岡商店が大企業として成長していく様子を語った経済小説でもあります。

しばしば右寄りの思考・言動が取りざたされる著者ではありますが、そんなことは全く気にならないくらい歴史経済小説として圧倒的な完成度を誇ります。歴代の本屋大賞受賞作品の中でも揺るぎないベスト1としておすすめできる作品です。


 

2.『一瞬の風になれ』(佐藤多佳子:2007)

春野台高校陸上部、一年、神谷新二。スポーツ・テストで感じたあの疾走感…。ただ、走りたい。天才的なスプリンター、幼なじみの連と入ったこの部活。すげえ走りを俺にもいつか。デビュー戦はもうすぐだ。「おまえらが競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」。青春陸上小説、第一部、スタート。
「BOOK」データベースより引用

陸上100m×4リレー、略して4継にかける高校生の青春物語。高校から陸上を始めた主人公が、親友の天才ランナーの存在に憧れ、理想とのギャップに葛藤する。スポーツに真摯に向き合い、才能と努力の狭間で悩み成長していく少年たちを爽やかに描いた青春小説です。

私が選んだ1,2位の作品だけ見てもジャンルや著者の経歴は関係なく、本屋大賞とはこの年一番面白い本を純粋に選んだ賞であるということが分かるのではないかと思います。今まさに部活動に打ち込んでいる人、学部活動に励んでいた学生時代を思い出したい人、全ての世代におすすめできる作品です。

文庫本は第1部〜第3部と3冊に分かれている大作なので購入の際は注意しましょう。


 

3.『舟を編む』(三浦しをん:2012)

出版社の営業部員・馬締光也は、言葉への鋭いセンスを買われ、辞書編集部に引き抜かれた。新しい辞書『大渡海』の完成に向け、彼と編集部の面々の長い長い旅が始まる。定年間近のベテラン編集者。日本語研究に人生を捧げる老学者。辞書作りに情熱を持ち始める同僚たち。そして馬締がついに出会った運命の女性。不器用な人々の思いが胸を打つ本屋大賞受賞作!
「BOOK」データベースより引用

右という字の意味を説明しなさい」。うだつの上がらない出版社の営業社員が、とあるきっかけで自らの持つ言葉へのこだわり・センスを見出され、辞書編集に携わることになる、という物語です。

辞書編集という特殊な仕事をうまくストーリーに組み込み、生きた言葉を扱うことの難しさや言葉の持つ暖かさに触れた、文学作品としてこれ以上ないほど魅力的な作品です。またテーマやストーリーだけでなく、主人公を始め登場人物の魅力も本作を語る上では欠かせない。人生をかけてこれほどまでに熱く、そして深く仕事に向き合うことが出来るだろうか?ひたむきに取り組む姿勢は自らを変えるだけでなく、周囲を動かすことも出来るのだと、考えさせられる作品でもあります。

※『右』という字をどうやって説明するのか、気になる方は広辞苑を読むか本作『舟を編む』を読むか、どちらかで正解を確認してみてください。また本作は松田龍平氏主演で映画化もされていますが、原作に負けず劣らず素晴らしい映画になっています。


 

4.『蜜蜂と遠雷』(恩田陸:2017)

近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳。楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル19歳。天才たちによる、競争という名の自らとの闘い。その火蓋が切られた。
「BOOK」データベースより引用

国際的なピアノコンクールを舞台に、若干16歳の少年や天才少女、アラサーのサラリーマンなどの実力者たちの奮闘を描いた群像劇。ピアニストだけでなく、彼らを評価する審査員たちの立場からもストーリーが展開されることで、多角的な視点からピアノコンクールが描写され、奥行きの深い物語となっています。

本作の特徴はなんといっても音楽を文字で表現しきっているところです。クラシックの知識に疎くても息がつまるような緊張感を覚える迫力のある演奏シーンは圧巻で、取材〜完成までに10年を要したという作者の取材力の高さが伺えます。

また本作は史上初の本屋大賞と直木賞のダブル受賞作品としても有名です。著者は2005年にも『夜のピクニック』で本屋大賞を受賞しており、同一作家による複数回の本屋大賞受賞も史上初の快挙となっています。


 

5.『かがみの孤城』(辻村深月:2018)

どこにも行けず部屋に閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然、鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先の世界には、似た境遇の7人が集められていた。9時から17時まで。時間厳守のその城で、胸に秘めた願いを叶えるため、7人は隠された鍵を探す―
「BOOK」データベースより引用

不登校になってしまった中学生の女の子が、「かがみの世界」で似たような境遇の子供達と触れ合い、徐々に心を開いていくファンタジー。不登校の主人公とその親の心苦しい描写がメインの前半は重苦しい雰囲気ですが、物語の謎が次第に解けていく後半、そして涙ほろりのエピローグと、実に様々な感情を呼び起こす作品です。

これぞ辻村作品と言うべきリアルとファンタジーが混ざり合う世界観、重苦しさえ感じるほどの濃厚な心理描写を心ゆくまで楽しめる超大作となっています。


 

6.『羊と鋼の森』(宮下奈都:2016)

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。ひたすら音と向き合い、人と向き合う外村。個性豊かな先輩たちや双子の姉妹に囲まれながら、調律の森へと深く分け入っていく―。一人の青年が成長する姿を温かく静謐な筆致で描いた感動作。
「BOOK」データベースより引用

田舎に住む寡黙な少年が、ある調律師との出会いをきっかけに、自らも調律師を志す物語です。先輩調律師や双子の演奏家との出会いを通して、寡黙だった少年が自らの意思を表現しはじめ、社会人として成長していく様子が丁寧に描かれています。

表面上は穏やかに、けれど内面は熱く。仕事への熱意が読者を惹きつけつつ、登場人物の誠実さが物語を引き締めている。大きな展開こそないが、じんわり暖かい気持ちにさせてくれる優しい作品です。


 

7.『夜のピクニック』(恩田陸:2005)

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために―。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
「BOOK」データベースより引用

24時間かけて80kmという長い距離を歩く、高校の伝統行事「歩行祭」に臨む高校生たちを描いた作品。3年間同じ時を過ごした仲間たちと夜歩く、日常の延長だけどどこか非日常なイベント「歩行祭」をリアルに描き、生徒たちの様々な感情を一つ一つ丁寧に言語化する心理描写が素晴らしいです。

思わず自分の高校時代を思い返さずにはいられない、これぞ青春小説といった作品になっています。


 

8.『ゴールデンスランバー』(伊坂幸太郎:2008)

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こっているんだ?俺はやっていない―。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。
「BOOK」データベースより引用

首相暗殺の濡れ衣を着せられた男の逃走劇を描いたエンタメ小説。ケネディ大統領暗殺になぞらえ「オズワルドにされる」ことなく真実を突き止めることができるのか。

構成はさすが伊坂幸太郎氏の作品で、これぞ娯楽小説!と言わんばかりに、息もつかせぬ展開で最後まで一気に読むことができます。


 

9.『博士の愛した数式』(小川洋子:2004)

「ぼくの記憶は80分しかもたない」博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた―記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。
「BOOK」データベースより引用

記念すべき第一回の大賞受賞作品です。事故の後遺症で80分しか記憶が保たない数学者と、家政婦さんの日常を描いた作品です。

数学というロジカルな学問が時に人と人をつなぐコミニュケーションツールになります。人を思いやる気持ちの大切さを教えてくれる、優しさに溢れた心温まる物語です。


 

10.『告白』(湊かなえ:2009)

愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。第29回小説推理新人賞受賞。
「BOOK」データベースより引用

湊かなえ氏のデビュー作にして最高傑作との呼び声高い作品。ある事件の関係者の独白により本作は進行していくのですが、その構成力と、悪を純度100%で書き上げる文章力は見事としか言いようがありません。

またもう一つの特徴としては著者の作品全般に言えることかもしれないですが、極めて読後感が悪い作品であること。面白いことは間違いないですが、読む人を選ぶ作品でもあることも事実なので、ご注意ください。


 

本屋大賞ノミネート作品からおすすめを選んでみた

続いては、過去惜しくも大賞受賞を逃した作品(=ノミネート作品)から、おすすめを厳選して5作品紹介します。

一次投票を突破した10作品が二次投票に進む(=ノミネートされる)のですが、そもそもその時点で面白い小説である事に疑いの余地はありません。ただその中でも上位に食い込む作品は、大賞受賞作品と遜色ないくらいの面白さを誇ります。

ここでは、上位入賞を果たしつつ大賞受賞を逃した作品を5つ、厳選して紹介いたします。なおここでの順番は年代が新しい順であり、おすすめ順ではありません。

 

1.『盤上の向日葵』(柚月裕子:2018年2位)

平成六年、夏。埼玉県の山中で身元不明の白骨死体が発見された。遺留品は、名匠の将棋駒。叩き上げの刑事・石破と、かつてプロ棋士を志した新米刑事の佐野は、駒の足取りを追って日本各地に飛ぶ。折しも将棋界では、実業界から転身した異端の天才棋士・上条桂介が、世紀の一瞬に挑もうとしていた。重厚な人間ドラマを描いた傑作ミステリー。
「BOOK」データベースより引用

将棋の駒が慰留品として発見された殺人事件の真相を追う刑事と、1人の棋士の人生を描いた物語です。ミステリーが本屋大賞の上位に食い込む事はあまりないのですが、それだけこの作品の完成度が高かったという事でしょう。ただ『かがみの孤城』があまりにも強かったですね。ちなみに2018年は3位にもミステリー『屍人荘の殺人』が入賞するなど珍しい年になりました。

本作の見所は、地道な捜査で犯人を絞り込んでいく過程。ミステリーとしても出来が良いですが、物語のキーとなる天才棋士の人生を幼少期から掘り下げていくことでヒューマンドラマにもなっていて、物語自体に厚みが出ています。柚月裕子氏の長編は全て読破していますが、おすすめ揃いなので是非他作品も読んでみてください。


 

2.『みかづき』(森絵都:2017年2位)

昭和36年。放課後の用務員室で子供たちに勉強を教えていた大島吾郎は、ある少女の母・千明に見込まれ、学習塾を開くことに。この決断が、何代にもわたる大島家の波瀾万丈の人生の幕開けとなる。二人は結婚し、娘も誕生。戦後のベビーブームや高度経済成長の時流に乗り、急速に塾は成長していくが…。第14回本屋大賞で2位となり、中央公論文芸賞を受賞した心揺さぶる大河小説、ついに文庫化。
「BOOK」データベースより引用

昭和から平成まで、高度経済成長期を経て少子化問題に直面する激動の日本において、学習塾を立ち上げた夫婦の物語です。満ち足りる事のない教育への情熱を一心に子供たちに注ぎ込み昭和の世を駆け抜けた夫妻の生き様には胸を打たれます。

またこの物語はそれだけでなく、彼らから子、そして孫世代まで親子3代に渡って脈々と受け継がれる教育者の血筋を描いた家族の物語でもあります。想いは違えど互いを尊重し、各々の視点で教育と向き合う大島家の人々は、まるで良質の大河ドラマを見ているかのような錯覚を覚えます。それだけ濃厚な作品という事ですね。


 

3.『64』(横山秀夫:2013年2位)

元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。記者クラブと匿名問題で揉める中、“昭和64年”に起きたD県警史上最悪の翔子ちゃん誘拐殺人事件への警察庁長官視察が決定する。だが被害者遺族からは拒絶され、刑事部からは猛反発をくらう。組織と個人の相克を息詰まる緊張感で描き、ミステリ界を席巻した著者の渾身作。
「BOOK」データベースより引用

横山秀夫氏は、2004年にも『クライマーズ・ハイ』で2位となっていて、こちらと悩みましたが、どちらかといえば知らない人が多そうな『64』をエントリーしました。

著者の人気シリーズである「D県警シリーズ」の4作目に当たる作品となっているため、万全を期すなら過去3冊(いずれも短編集)を読んでから本作品を読むと、より楽しめると思います。

警察小説と一口にくくる事は簡単ですが、数ある刑事もの中でもトップクラスに心理描写が多く、そして丁寧です。それゆえ徐々に謎に迫る主人公の様子に知らずと引き込まれていきます。またラストも驚きの結末で、読後の満足感についても言うことがありません。


 

4.『有頂天家族』(森見登美彦:2008年3位)

糺ノ森に住む狸の名門・下鴨家の父・総一郎はある日、鍋にされ、あっけなくこの世を去ってしまった。遺されたのは母と頼りない四兄弟。長兄・矢一郎は生真面目だが土壇場に弱く、次兄・矢二郎は蛙になって井戸暮らし。三男・矢三郎は面白主義がいきすぎて周囲を困らせ、末弟・矢四郎は化けてもつい尻尾を出す未熟者。この四兄弟が一族の誇りを取り戻すべく、ある時は「腐れ大学生」ある時は「虎」に化けて京都の街を駆け回るも、そこにはいつも邪魔者が!かねてより犬猿の仲の狸、宿敵・夷川家の阿呆兄弟・金閣&銀閣、人間に恋をして能力を奪われ落ちぶれた天狗・赤玉先生、天狗を袖にし空を自在に飛び回る美女・弁天―。狸と天狗と人間が入り乱れて巻き起こす三つ巴の化かし合いが今日も始まった。
「BOOK」データベースより引用

『夜は歩けよ短し乙女』(2007年2位)、『有頂天家族』(2008年3位)、『ペンギン・ハイウェイ』(2011年3位)、『聖なる怠け者の冒険』(2014年9位)、『夜行』(2017年8位)、『熱帯』(2019年4位)と、本作品を含めて実に6回もノミネートされながら未だに大賞受賞がないという、本屋大賞における無冠の帝王森見登美彦氏。本来であれば上記作品全て紹介したいくらいおすすめなのですが、中でも一番のお気に入りを紹介します。

京都に住む狸たちが天狗や人間たちと化かし化かされる、笑いあり涙ありのコミカルな小説です。本作品は3部作構想となっていて、現在第2部まで発表(アニメ化も)されています。第2部『有頂天家族 二代目の帰朝』も合わせてお楽しみください。また原作だけでなく、P.A.WORKSによるアニメもめちゃめちゃおすすめです。


 

5.『風が強く吹いている』(三浦しをん:2007年3位)

箱根駅伝を走りたい―そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。「駅伝」って何?走るってどういうことなんだ?十人の個性あふれるメンバーが、長距離を走ること(=生きること)に夢中で突き進む。自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷を繋ぐことで、仲間と繋がっていく…風を感じて、走れ!「速く」ではなく「強く」―純度100パーセントの疾走青春小説。
「BOOK」データベースより引用

大学のオンボロ寮に住む陸上素人の学生たちがたった10人で箱根駅伝を目指すという青春ストーリーです。2007年は同じく陸上をテーマにした青春小説『一瞬の風になれ』が大賞を受賞していて、順位だけ見ると見劣りするのでは?と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、そんなことは断じてありません。大賞を受賞しても全くおかしくない作品です。

たった10人で箱根駅伝を走る、陸上経験者からすれば納得しかねる設定かもしれませんが、長距離競技、ひいては走るという行為に対しての描写がものすごく重厚です。箱根のコースも隅々まで調べ尽くされていることが分かりますし、構想から6年を費やして書いたというのも納得できるほど。相当綿密な取材をしたんだろうなと思わせる描写です。

また登場人物10人は走ることに対する想いはまちまちですが、それぞれに背景(ドラマ)があり、要所要所で泣かされます。三浦しをん作品の中でも、上で紹介した『舟を編む』と並んで大好きな作品です。


 

終わりに

本屋大賞まとめ記事、いかがでしたでしょうか。色々なジャンルの本が選ばれているし、どのジャンルでもほとんど外れはありません。

○○賞を取ったから面白い、取れなかったから面白くない、というわけではもちろんありません。大賞受賞作以外にも(ノミネート作品など)面白い本はたくさんあります。

普段読書の習慣が無い、本を読みたいけど何を読んだらいいかわからない、そんな読書難民のみなさまへ、あくまで読書の入り口としてご覧頂ければ幸いだと思っています。

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