稀代のストーリーテラー!宮部みゆきのおすすめ小説20選を厳選紹介する!

 

宮部みゆきの代表作を一つあげろといえば、何をあげるでしょうか。たいていの作家にはたいていの読者が選ぶザ・代表作のような作品があるのが常ですが、中にはそうでない作家もいます。そのうちの一人が宮部みゆきなのではないでしょうか。

 

そう思う要因はいくつかありますが、一番は複数のジャンルを描き分ける才能なのではないかと思います。有名なのはサスペンス・ミステリーの現代小説ですが、時代小説も一定の評価があるのに加え、ファンタジーやSF、更には感動要素の強い青春小説にも名作が揃っています。

 

今回はそんな才能溢れる作家「宮部みゆき」の作品群の中でも、これは間違いない!という作品をおすすめ順に!厳選して!お伝えしていきます。

 

宮部みゆきのおすすめ小説20選を紹介する

 

1.『火車』

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して―なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?いったい彼女は何者なのか?謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。
「BOOK」データベースより引用

自らの意思で行方不明となった女性を捜索する親戚の刑事の視点で描いた作品。タイトルから連想できる「火の車」からも推察できる自己破産をテーマにカード社会に潜む闇を扱った経済小説でありながら、山本周五郎賞受賞とミステリーとしても一級品の小説。

クレジットカードが今ほどは普及していなかった1990年代に既にこの題材・トリックを思いつくことができる作者の能力の高さを伺い知ることができる。10代20代の若者にこそ読んでほしい作品。


 

2.『理由』

東京都荒川区の超高層マンションで起きた凄惨な殺人事件。殺されたのは「誰」で「誰」が殺人者だったのか。そもそも事件はなぜ起こったのか。事件の前には何があり、後には何が残ったのか。ノンフィクションの手法を使って心の闇を抉る宮部みゆきの最高傑作がついに文庫化。
「BOOK」データベースより引用

都内で発生したある殺人事件を、当時社会問題化していた住宅ローン問題や占有屋問題と絡めて描いた作品。一見事件に関わりのない人物たちを描くことで物語が進んでいき、次第に殺人事件の真相に近づくに連れて、彼らの関わりが徐々に明らかになっていく。

題材は殺人事件、けれどミステリとは言い難い。言うなれば社会小説を読んでいる感じ。多くの登場人物を丁寧な描写で描きつつ、後半にかけて序盤の伏線を回収しつつ物語の闇に迫っていく過程は見事というしかない。直木賞受賞も頷ける名作。


 

3.『模倣犯』

墨田区・大川公園で若い女性の右腕とハンドバッグが発見された。やがてバッグの持主は、三ヵ月前に失踪した古川鞠子と判明するが、「犯人」は「右腕は鞠子のものじゃない」という電話をテレビ局にかけたうえ、鞠子の祖父・有馬義男にも接触をはかった。ほどなく鞠子は白骨死体となって見つかった―。未曾有の連続誘拐殺人事件を重層的に描いた現代ミステリの金字塔、いよいよ開幕。
「BOOK」データベースより引用

連続誘拐事件を、加害者・被害者及び家族ら関係者の視点から多面的に描いたサスペンス。小説の帯には「火車」「理由」と並ぶ現代ミステリの金字塔とある。全てミステリとしてももちろん素晴らしいが、それ以上に人の闇、社会の闇を映し出す鏡のような小説であると思う。「天才」を自称する犯人が覗かせる幼稚な一面、加害者家族が直面する絶望、マスコミやジャーナリストの報道に対する姿勢、人の内面をこれでもかと掘り下げてくる。

また「模倣犯」というタイトルも素晴らしい。文庫本にして5冊、600ページを越す大長編でありながら中だるみは一切なく、ラストまで読んでタイトルの意味が分かる仕掛けになっている。


 

4.『小暮写眞館』

家族とともに古い写眞館付き住居に引っ越ししてきた高校生の花菱英一。変わった新居に戸惑う彼に、一枚の写真が持ち込まれる。それはあり得ない場所に女性の顔が浮かぶ心霊写真だった。不動産屋の事務員、垣本順子に見せると「幽霊」は泣いていると言う。謎を解くことになった英一は。待望の現代ミステリー。
「BOOK」データベースより引用

元写真館の物件に家族とともに移り住んできた男子高校生が主人公。次第に彼の身には、写真にまつわる不思議なことが起きるようになる。上3つのサスペンス色の強いミステリと違い、こちらは大変ほっこりする青春小説。この題材でここまでのクオリティの小説が書けるのかと、作者の物書きとしての幅を感じる作品。

前半はどちらかというと平坦な物語で、幽霊や怪現象を信じない人には入り込めないのかもしれない。だが後半はそんな前半を尻目にぐいぐい心を揺さぶってくる。決して明るい話題ではなく、重く苦しい印象も与えるが、最後には家族の素晴らしさや人の温もりを感じられる。


 

5.『ブレイブ・ストーリー』

小学五年生の亘は、成績はそこそこで、テレビゲームが好きな男の子。大きな団地に住み、ともに新設校に通う親友のカッちゃんがいる。街では、建設途中のビルに幽霊が出るという噂が広がっていた。そんなある日、帰宅した亘に、父は「この家を出てゆく」という意外な言葉をぶつける。不意に持ち上がった両親の離婚話。これまでの平穏な毎日を取り戻すべく、亘はビルの扉から、広大な異世界―幻界へと旅立った!
「BOOK」データベースより引用

続いてもこれまで紹介してきた小説からガラッと作風を変えた、作者渾身の王道ファンタジー小説。ひょんなことから小学五年生のワタルが異世界の扉を開き、現世と幻界を行き来しながら冒険し成長していく物語。

ゲーム好きの作者ならではの細かい描写は素晴らしく、初めてこの小説を手にした時中学生だった私は、まるで自分が異世界を旅している感覚に酔いながら夢中で読んだことを覚えている。ハリー・ポッターより指輪物語より、ファンタジー小説と言われれば今でも真っ先に上がる思い出深い作品。ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」が好きなら絶対好きになる。


 

6.『蒲生邸事件』

一九九四年二月二十六日未明、予備校受験のために上京した浪人生の孝史は宿泊中のホテルで火事に遭遇する。目の前に現れた時間旅行の能力を持つという男と共に何とか現場から逃れるも、気づくとそこはなぜか雪降りしきる昭和十一年の帝都・東京。ホテルではなく、陸軍大将蒲生憲之の屋敷だった。日本SF大賞受賞の長篇大作。
「BOOK」データベースより引用

続いては日本SF大賞受賞の長篇作品。日本史上有名な二・二六事件という歴史要素と、タイムリープと言うSF要素を組み合わせた作品。陸軍大将蒲生憲之の自決、二・二六事件をきっかけに戦争へと舵を切る日本、そして当時を生きる人物らが、まるで実際に見てきたかのように鮮やかに描かれている。

タイムリープという観点でのみ見るならば確かに目新しくはないかもしれない。それくらいSF小説では使い古された設定ではあるが、驚くべきはこれが20年以上前の1990年代中盤に書かれた作品だということ。着眼点とオリジナリティ、そして圧倒的な筆力に驚きを隠せない。


 

7.『ソロモンの偽証』

クリスマス未明、一人の中学生が転落死した。柏木卓也、14歳。彼はなぜ死んだのか。殺人か。自殺か。謎の死への疑念が広がる中、“同級生の犯行”を告発する手紙が関係者に届く。さらに、過剰報道によって学校、保護者の混乱は極まり、犯人捜しが公然と始まった―。一つの死をきっかけに膨れ上がる人々の悪意。それに抗し、死の真相を求める生徒達を描く、現代ミステリーの最高峰。
「BOOK」データベースより引用

ある中学校で起きた転落事件が、警察により自殺と断定されていたにもかかわらず、殺人である旨を告発する手紙が届き、さらにそれがマスコミに広まり一気に事件となる。世にも珍しい中学校・中学生を扱ったミステリ小説。自殺か他殺か、事件の真相を解き明かすことが作品のテーマではあるが、いじめや不登校などの学校問題にも触れており、これは中学生を主人公にした要因の一つではないかと思う。

やがて出てくるいじめっ子の”容疑者”に絡んで起きる更なる事件までは想定内だが、やはり卒業制作で学校内裁判を行うという発想がとんでもない。弁護人や助手、検事といった役を演じる生徒たちもそれぞれ魅力があり、第一部「事件」から第三部「法廷」まで、文庫本で全6冊というボリュームも気にならない内容の濃さである。


 

8.『楽園』

未曾有の連続誘拐殺人事件(「模倣犯」事件)から9年。取材者として肉薄した前畑滋子は、未だ事件のダメージから立ち直れずにいた。そこに舞い込んだ、女性からの奇妙な依頼。12歳で亡くした息子、等が“超能力”を有していたのか、真実を知りたい、というのだ。かくして滋子の眼前に、16年前の少女殺人事件の光景が立ち現れた。
「BOOK」データベースより引用

上述の『模倣犯』作中にてライターとして事件に肉薄した前畑滋子を主人公としたスピンオフ作品。他人の記憶が読めるという不思議な能力を持った少年の存在を知り、そこから一つの事件を扱うことになるというもの。超能力という、ともするとB級化してしまいかねない題材でありながら、構成力と精緻な心理描写は素晴らしく、ページをめくる手が止まらない。

『模倣犯』事件の後日談的エピソードもちょこちょこ出てくる。未曾有の大事件を扱った前畑滋子の苦悩が描かれていたり、過去の登場人物も再登場する。もちろん続編として読んでも良いし、単体でも楽しめる。


 

9.『誰か -Somebody』

今多コンツェルン広報室の杉村三郎は、事故死した同社の運転手・梶田信夫の娘たちの相談を受ける。亡き父について本を書きたいという彼女らの思いにほだされ、一見普通な梶田の人生をたどり始めた三郎の前に、意外な情景が広がり始める―。稀代のストーリーテラーが丁寧に紡ぎだした、心揺るがすミステリー。
「BOOK」データベースより引用

杉村三郎シリーズの第一弾。シリーズを通して人の心に潜む悪意がテーマとして描かれており、上で紹介した作品以上に、心理描写や人物描写には磨きがかかっている。平凡なサラリーマンが主人公であるからこそ、ありふれた日常からの暗転が印象に残る。

ラストはハッピーエンドではなく、どちらかといえば多少賛否は別れるかもしれない。内容はシリーズが進むにつれ密度が濃くなっていくが、こちらは順番通りに読まないと後悔するため、刊行順に読むことをお勧めする。詳細は以下個別記事にて。


 

10.『ぼんくら』

「殺し屋が来て、兄さんを殺してしまったんです」―江戸・深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。その後、評判の良かった差配人が姿を消し、三つの家族も次々と失踪してしまった。いったい、この長屋には何が起きているのか。ぼんくらな同心・平四郎が動き始めた。著者渾身の長編時代ミステリー。
「BOOK」データベースより引用

個人的には時代小説はあまり得意ではないが、宮部みゆきを語る上で時代小説も外せない。本作は江戸・深川の長屋で起きた殺人事件の真相を追う長編時代ミステリーというジャンル。改めて守備範囲の広さがうかがえる。

時代背景が違っても、立場の異なる登場人物を描き分ける描写力は素晴らしい。加えて文体が現代小説とは違うため、とっつきやすいと感じる人も多いかもしれない。続編の『日暮らし』もおすすめ。


 

11.『ステップファザー・ステップ』

巨額の遺産を相続した若い独身女性の家に侵入してみると、なぜかどの部屋のなかも鏡だらけ。意外な結末が待ち受ける「ステップファザー・ステップ」など、すばらしい着想と軽妙なユーモアに彩られた傑作7編。
「BOOK」データベースより引用

双子の中学生と、彼らの家に忍び込んだ泥棒がある理由で同居生活を始めるというお話。奇想天外な設定ではあるが、登場人物が皆良いキャラをしており、宮部作品には珍しく全体的に明るく、軽いタッチで描かれた作品。

父親役となった泥棒が、次第に双子と心を通わせていく過程や3人の掛け合いは面白く、子供から大人まで幅広い年齢層にお勧め出来る作品。


 

12.『龍は眠る』

嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。何となく不思議なところがあるその少年、稲村慎司は言った。「僕は超常能力者なんだ」。その言葉を証明するかのように、二人が走行中に遭遇した死亡事故の真相を語り始めた。それが全ての始まりだったのだ…宮部みゆきのブロックバスター待望の文庫化。
「BOOK」データベースより引用

嵐の夜に自らを超能力者と名乗る少年と出会った新聞記者が、不思議な事件に巻き込まれていく。日本推理作家協会賞を受賞した初期の頃の作品。SFサスペンスだが、人にはない能力を持って生まれてしまった少年の苦悩はとてもリアルに描かれており、この頃から人物描写は健在。

冒頭の書き出しは各レビューでも多く語られているが迫力があり引き込まれる。また作品を通して超能力者の苦悩が中心に描かれてはいるが、ラストはハッピーエンドというのも特徴の一つ。


 

13.『レベル7』

レベル7まで行ったら戻れない―。謎の言葉を残して失踪した女子高生。記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。少女の行方を探すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。二つの追跡行はやがて交錯し、思いもかけない凶悪な殺人事件へと導いていく。ツイストに次ぐツイスト、緊迫の四日間。気鋭のミステリー作家が放つ力作長編。
「BOOK」データベースより引用

「レベル7まで行ったら戻れない」 とにかく引き込みが半端ないキャッチコピーをはじめとした伏線と、序盤で起こる2つの事件がどう交わっていくのか、が最後まで謎を呼ぶサスペンス。記憶を無くした男と女が同室で目覚める冒頭から、中盤までは息をつかせぬ展開。トリックは以外にもあっさりしているので、途中で気づく人も多いかもしれない。


 

14.『おそろし 三島屋変調百物語事始』

17歳のおちかは、ある事件を境に、ぴたりと他人に心を閉ざした。ふさぎ込む日々を、叔父夫婦が江戸で営む袋物屋「三島屋」に身を寄せ、黙々と働くことでやり過ごしている。ある日、叔父の伊兵衛はおちかに、これから訪ねてくるという客の応対を任せると告げ、出かけてしまう。客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれていき、いつしか次々に訪れる客のふしぎ話は、おちかの心を溶かし始める。三島屋百物語、ここに開幕。
「BOOK」データベースより引用

江戸の袋物屋・三島屋に訪れる客たちによる不思議な話シリーズ。いうなればジャンルは時代小説×怪談話。丁寧な江戸の町の暮らしぶりや情景描写から、次第に本質へ入っていくので、時代小説とは思えないとっつきやすさ。続編の『あんじゅう』をはじめ、シリーズになっているがどれもお勧め。


 

15.『魔術はささやく』

それぞれは社会面のありふれた記事だった。一人めはマンションの屋上から飛び降りた。二人めは地下鉄に飛び込んだ。そして三人めはタクシーの前に。何人たりとも相互の関連など想像し得べくもなく仕組まれた三つの死。さらに魔の手は四人めに伸びていた…。だが、逮捕されたタクシー運転手の甥、守は知らず知らず事件の真相に迫っていたのだった。日本推理サスペンス大賞受賞作。
「BOOK」データベースより引用

日本推理サスペンス大賞を受賞、「龍は眠る」などと同様こちらも初期の作品。一見何の関係性も無い3つの事件が、次第に関連性を持って浮かび上がってくる。逮捕されたタクシー運転手の甥が真相に迫る推理の過程も面白く、最後は涙ホロリのラスト。


 

16.『ICO -霧の城-』

霧の城が呼んでいる、時が来た、生贅を捧げよ、と。イコはトクサ村に何十年かに一人生まれる角の生えたニエの子。その角を持つ者は「生贅の刻」が来たら、霧の城へ行き、城の一部となり永遠の命を与えられるという。親友トトによって特別な御印を得たイコは「必ず戻ってくる」と誓い、村を出立するが―。
「BOOK」データベースより引用

同名のPS(プレステ)アドベンチャーゲームを原作としたノベライズ作品。体験版をプレイした作者が予定していた執筆を取りやめてまで取り組んだ作品。重厚な世界観ながらどこか切ない印象を受ける原作はそのままに、詳細設定を聞かずに創作したということで、ゲーマーらしい宮部みゆきによる解釈を織り交ぜた小説に仕上がっている。

原作ファンには、作中の人物の感情が文章を通して伝わってくるのが何よりの発見であると思う。もちろん原作をプレイしていなくともファンタジー小説として楽しめる内容。


 

17.『クロスファイア』

青木淳子は常人にはない力を持って生まれた。念じるだけですべてを燃やす念力放火能力―。ある夜、瀕死の男性を“始末”しようとしている若者四人を目撃した淳子は、瞬時に三人を焼殺する。しかし一人は逃走。淳子は息絶えた男性に誓う。「必ず、仇はとってあげるからね」正義とは何か!?裁きとは何か!?哀しき「スーパーヒロイン」の死闘を圧倒的筆致で描く。
「BOOK」データベースより引用

念力放火能力を持った少女の死闘を描くSFサスペンス小説。単に悪人に裁きを下す超能力者の奮闘を描きながら正義とは何かを問いかける。またそれだけでなく、犯罪によって亡くなった人の無念や、残された遺族の悲しみも丁寧に描かれている。

こうして見ると”超能力”を扱う小説が意外に多いことに驚く。印象が薄いのは、その設定に頼ることなく読ませる文章を書いているからだと思う。


 

18.『今夜は眠れない』

母さんと父さんは今年で結婚十五年目、僕は中学一年生でサッカー部員。そんなごく普通の平和な我が家に、ある日突然、暗雲がたちこめた。“放浪の相場師”とよばれた人物が母さんに五億円もの財産を遺贈したのだ。お隣さんや同級生は態度がかわり、見ず知らずのおかしな人たちからは脅迫電話があり、おまけに母さんの過去を疑う父さんは家出をし…。相場師はなぜ母さんに大金を遺したのか?こわれかけた家族の絆を取り戻すため、僕は親友で将棋部のエースの島崎と真相究明の調査にのりだした。
「BOOK」データベースより引用

平穏な家庭に突如訪れた非日常。壊れかけた家族の絆を取り戻すための中学一年生の奮闘を描く物語。『ブレイブ・ストーリー』もそうだが、実は大人だけでなく、小・中学生くらいの子供を主人公にした作品も多い。年頃の子供の気持ちがわかるのだろうか。違和感なく読めるところに凄さを感じる。


 

19.『ドリームバスター』

8歳のクリスマス・イブ、道子の隣家が火事で燃えた。炎の中で踊る奇怪な人影を、再び見たのは娘の真由と同じ夢の中だった。怖しい影は二人を追いかけてきた。その時助けが…。悪夢のなかで、追いかけられたことはありませんか?16歳のシェンと師匠のマエストロが、あなたとともに、あなたを救うために闘う愛と冒険の物語。
「BOOK」データベースより引用

人々の夢に現れる怪物たちを倒し、悪夢から救うドリームバスターたちの活躍を描いたSFファンタジー。どこかで聞いたことのある設定ながら魅力あるキャラクターとコミカルな掛け合い、作者には珍しくシリーズものだが、ライトノベル的な軽い感じで読める作品。


 

20.『我らが隣人の犯罪』

僕は三田村誠。中学1年。父と母そして妹の智子の4人家族だ。僕たちは念願のタウンハウスに引越したのだが、隣家の女性が室内で飼っているスピッツ・ミリーの鳴き声に終日悩まされることになった。僕と智子は、家によく遊びに来る毅彦おじさんと組み、ミリーを“誘拐”したのだが…。表題作以下5篇収録。
「BOOK」データベースより引用

第26回オール讀物推理小説新人賞を受賞した表題作を含めた短編集。初出はなんと30年以上前、いまや大作家となった宮部みゆきの記念すべきデビュー作。内容は日常の些細な事件を扱ったものが多い。ランキング上位の長編小説ももちろん良いが、短編も変わらぬ読み応え。


 

終わりに

宮部みゆきの20選、いかがでしたでしょうか。これほど好みによって順位が入れ替わる作家も珍しいなと思うのがまとめてみての感想です。私は現代サスペンスが好きなので上位は固まっていますが、時代小説が好きな人もいるでしょう(少なくてごめんなさい)。またランキング外でも面白い作品はまだまだあります。今後も新刊などあれば更新していきたいと思います!

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