「波よ聞いてくれ」が面白い!スピード感抜群で先が読めない新感覚漫画の魅力を余すところなく紹介する

 

このブログでもお伝えしている「マンガ大賞」は、その年最も面白く、勢いのある漫画を決める賞と言っても良いと思います。マンガ大賞は大賞作品以外の入賞作品も基本的には全て読んでいますが、その中でも一番引き込まれたと言えるのが本日紹介する『波よ聞いてくれ』です。

 

マンガ大賞2016,2017では二年連続で入賞と勢いに乗っており、そろそろ大賞か?と思われた2018では入賞せず。。なんでじゃ!!(ノブ)と叫びたくなりましたが、今年度入賞しなかったからといって、その漫画の価値が下がるようなことはないと思うんですね。続巻が出るに連れ面白さが尻すぼみ・・ということもありません。そこで今回は、漫画『波よ聞いてくれ』の魅力に迫ったり、アニメ化に際しアニメを無料で見る方法など、徹底解剖的なことをしちゃおうと思います。

 

例によってネタバレは最小限にしていきたいとは思っていますが、どうしようもない部分はあります。その際は事前に断りを入れますので、見たくない!という方は該当部分を飛ばし読みしてください。

 

そもそも『波よ聞いてくれ』とは

今回の目的はこの漫画を読んだことがない方々全てをターゲットとしているので、存在自体をご存知ない方も当然いらっしゃるでしょう。そんな方のために、まずどういう漫画なのか、基本情報をおさらいしましょう。

 

『波よ聞いてくれ』のあらすじ

『波よ聞いてくれ』(なみよきいてくれ)は、沙村広明による日本の青年漫画。北海道札幌市を舞台に、主人公がひょんなことからラジオパーソナリティとしてデビューし、奮闘する姿を描く。『月刊アフタヌーン』(講談社)において、2014年9月号から連載中。

ウィキペディアさんから引用しています。分かりやすいですね!そう、「ラジオDJ」を題材とした作品なんです。中身には後ほど触れるので、今はこの程度の触りの部分だけで良いでしょう。前述の通りマンガ大賞やこのマンガがすごい!など各種マンガ賞に入賞しています。

 

『波よ聞いてくれ』の作者は何者か

さて、作者は沙村広明とありますがご存知でしょうか。2017年、木村拓哉主演で映画化された『無限の住人』が実はデビュー作かつ代表作なんですね。1997年に第1回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞しています。そして受賞から20年の時を経て映画化されたことになります。すごい話ですね・・

画力はまあまああると思っていますが、その他の作品で猟奇的な描写があったりと、万人受けする作品を描く方ではないのかなとも思っています。あとは『無限の住人』と今回の『波よ聞いてくれ』、どちらも月刊アフタヌーン連載なんですよね。月刊アフタヌーンを定期購読してみよう!という方はそんなにいない気がしていますが・・これを機にいかがでしょうか。

 

『波よ聞いてくれ』の魅力を徹底紹介

さて、ここから『波よ聞いてくれ』の魅力に迫っていくわけですが、ここが面白い!という凄いポイントを3つに絞って紹介してきたいと思います。

 

第1巻からぐいぐい!引き込み方が凄い!

※※ここから多少ネタバレを含みます※※

 

さて、本作の主人公は鼓田ミナレ25歳、札幌市内のスープカレー屋さんで働く25歳の女性です。物語は酔い潰れたミナレが居酒屋で出会ったおじさん(麻藤兼嗣)に別れた彼氏の愚痴を延々とこぼすシーンから始まります。

この時点では疑問しかありません。どんな始まりだよ!と突っ込みたくなりますが、翌日ミナレはラジオで、昨日自分が語った失恋話がラジオで流れているのを耳にし、衝動的にラジオ局に乗り込みます。実は麻藤兼嗣というおっさん、地元のラジオ局のディレクターさんだったんですね。麻藤の思惑にまんまとはまったミナレは生放送でアドリブトークするという暴挙にでます。そうしてミナレはラジオの世界に入り込んでいくことになります。

ほぼ第1話の全容を書いてしまいましたが、そう、これ第1話なんです。わずか30ページ程度にこの内容が全て詰まっていて、まるでジェットコースターのごとく息をつかせぬ速さで駆け抜けていきます。長いこと、数多くの作品を読んできましたが、こんなにぐいぐい引き込んでくる第1話には出会った記憶がありません

その後の展開は割愛しますが、その後もページをめくる手が止まりません。まずは第1巻だけでも!読んでみて損はありません。

 

スピード感溢れる会話(セリフ)のクオリティーが凄い!

2つ目の凄いポイントは、登場人物による会話の質の高さです。ミナレは素人離れした度胸と滑舌でラジオパーソナリティーとしての第一歩を踏み出すことになるんですが、そのセリフが秀逸なんですね。ギャグも面白くて笑えるし、周りの人間との掛け合いのような会話もテンポ◎だし、必然的に文字が多いページの割合が高くなるんですが、全く苦になりません

根幹にあるのはコメディとシリアスのバランスだと思います。どちらかに偏るとおそらくすぐに飽きてしまうでしょう。このバランスが絶妙で交互に織り混ざっているところが書き手の上手さだなと思います。

 

先が全く読めない展開が凄い!

さて、これは一体何のマンガなのか。普通のマンガって読み進めていくうちにストーリーが見えてきて、次第に終着点が見えてきますよね。ところが『波よ聞いてくれ』に関してはそれが全く当てはまらないんです。

カレー屋の店員がひょんなことからラジオDJになる、いわゆるシンデレラストーリー的な展開かな?と予想したのが1巻ですが、そこからミナレの周辺人物の人間模様が次第に見えてきて、群像劇展開を見せてきます。さらには4巻の作者のあとがきでは、そんなこと描きたかったの?!と驚かされるし、最新5巻では宗教チックな話になってくるし・・・

爽快なテンポを維持しながらも、物語の展開を誰にも予想させない。それが漫画『波よ聞いてくれ』の凄さであり、面白さなのではないかと思います。今後の展開から目が離せません。

 

ちょい足し凄ポイント!サブカル・ローカル要素もあるよ

さて、ポイント3つと言いながら、最後に付け足しの4つ目です。

まず舞台が札幌ということもあり、北海道の観光やグルメ・お祭りに関する情報が所々に出てきます。北海道出身の方々は身近に感じるでしょうし、そうでない方にも十分楽しめる内容となっています。

またミナレの周りにはラジオ番組制作に関わる人間たちが多く登場します。ラジオパーソナリティー、作家、ディレクターやアシスタント。彼らの仕事ぶりや生放送のアドリブ感など、ラジオ番組制作のリアルを感じることが出来るのもおすすめポイントですね。

 

『波よ聞いてくれ』テレビアニメ化

 

 

2020年4月、サンライズ制作にてアニメ化されました!!

Amazonプライムビデオ会員であれば無料で見ることができます。無料期間もありますのでまだ会員でない方はぜひお試しください。

 

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