「週間少年マガジン」人気のおすすめ漫画40作品をジャンル別にまとめて紹介

講談社が発行する「週間少年マガジン」。何かにつけて週間少年ジャンプと比較されるライバル的存在であり、代表的な少年漫画雑誌です。

実は週間少年マガジンは1959年創刊と、ジャンプより歴史は長いんですね(ジャンプは1968年創刊)。

創刊から60年近くの歳月を誇るマガジンには往年の名作も数多く存在しますが、今回は平成30年間で連載されていた作品を中心に週間少年マガジンベスト40選をジャンル別に紹介していきたいと思います。

読みたい作品を見つけたら電子書籍サービスを活用して読みましょう!

 

・スポーツ漫画

まずはマガジンを代表する作品が多数、メインのジャンルであるスポーツからです。

・『シュート!』(完結)

憧れの「背番号10」久保嘉晴(くぼ・よしはる)とプレイするために、新設の掛川高校に入学した田仲俊彦(たなか・としひこ)=トシ。掛西中では活躍していた田仲だが、入院中の久保にも会えず、雑用ばかりやらされる毎日にうんざりしていた。が、マネージャー遠藤一美(えんどう・かずみ)の策略で、2年生と試合するはめに……。

天才久保嘉晴の意思を継ぎ、全国制覇に向かって邁進する掛川高校サッカー部を描く、30代なら知らない人はいないサッカー漫画。
久保を失った悲しみから立ち直り、それぞれが一回り成長しチームとして強くなっていく姿が、未だに人気作品として挙げられる所以だと思います。
田仲俊彦を軸としてストーリーは進んでいきますが、途中主人公を変えながら、第一部から第四部まで展開されています。


 

・『はじめの一歩』(連載中)

ひたむき少年、幕之内一歩登場!!“強い”ってどんなんだろう!?ボクも強くなりたい!!ドジでいじめられっ子の高校生幕之内一歩。ボクサー、鷹村との出会いは、一歩の拳にひそむダイナマイトパンチを呼び起こした!!プロボクサーへの夢を抱いた一歩は、鴨川ジムの入門テストに挑戦(チャレンジ)するが!?

連載開始は1989年、連載期間は30年以上。知らない人はいないレジェンドボクシング漫画です。
ボクシングにかける情熱や師弟の絆、チャンピオンベルトへのこだわりなど、鷹村VSブライアン・ホークの世界戦は『はじめの一歩』の素晴らしさが全て凝縮された最高の試合だと思います。
もちろん主人公幕之内一歩の試合も名試合揃いです。永遠のライバル宮田くんとの対戦を夢見ながら、強敵を次々と撃破していく姿には胸を打たれます。個人的にはヴォルグ・ザンギエフ戦が至高ですが、ファン同士でベストバウトを語り合うのも含めて、この長期連載作品の良さなんだろうだと思います。


 

・『ダイヤのA』(ACTⅡが連載中)

中学全国大会を目標としていた沢村栄純(さわむら・えいじゅん)。最後の大会は自らの暴投で敗退してしまう。仲間とともに高校でリベンジを誓うなか、名門、青道高校野球部からスカウトが来る。見学に訪れた沢村は、いきなりエリート校の洗礼を受けることに! 名キャッチャーの呼び声高い御幸一也(みゆき・かずや)との出会いが沢村の高校野球への情熱を目覚めさせる!!

田舎の中学校でエースを張っていた少年が、くせ球を武器に名門校のエースの座、更には甲子園出場を目指すという野球漫画です。
名門校ということもあり非常に多くの控え選手や下級生にもスポットを当てているため、フォア・ザ・チームの精神がよく現れており、感情移入がしやすいのが人気の要因の一つだと思います。
いつもは渋い片岡監督が時たま感情を爆発させるシーンは涙なしには読めません。
主人公が2年生になってから『ダイヤのA ACTⅡ』として引き続き連載されています。


 

・『あひるの空』(連載中)

車谷 空、15歳。身長は149cmと低めだけど、バスケが大好き! 入学したばかりの高校でもバスケ部に入部しようと張り切るものの、そこにいたのは学校をしきる凶悪な双子とその仲間達!? こんな部で、空はバスケを続けることができるのか? そして、小柄な空が魅せる大きな翼とは!?

平成生まれのバスケ部は全員知っている『あひるの空』。150cmの3Pシューター、車谷空が廃部寸前の九頭龍高校バスケ部でインターハイ出場を目指す物語です。
昭和世代のバイブル『スラムダンク』よりも高校バスケの実態に近い、リアルな描き方をしていて、熱く燃えがるというよりは静かに炎をたぎらせるような展開が特徴です。読むといつも自分の中高時代を思い出して、気づけば手に汗をかいてます。
休載が多く、完結しそうでしない漫画の一つです。


 

・『ベイビーステップ』(完結)

マジメ少年+美少女×テニス=熱血スポコン!? ――成績はずっとオールA! 几帳面でマジメな“エーちゃん”が、ちょっぴりいい加減!? でも、テニスに懸ける情熱だけはマジメな美少女“ナツ”と出会ったことで、テニスの魅力に取りつかれて人生激変!? 快感、そして悶絶のらせん……。数式じゃ表せない、衝撃的な人生の化学変化が始まった!!

真面目で優等生、熱血スポ根とは無縁の主人公が、ひょんなことからテニスの面白さに気づき、テニスプレイヤーとして成長していくという物語です。
序盤は初心者なりに優等生っぽくデータを積み上げて相手を攻略していくんですが、次第にスポ根っぽい熱い展開もでてきて、スポーツマンらしく成長していくのが面白いです。
と言ってもスポ根全開!というわけでもないですし、程よく青春や恋愛要素も入り混じったこれぞ少年マガジンといった爽やかなスポーツ漫画です。


 

・『エリアの騎士』(完結)

“日本サッカーの至宝”“U-15の天才エース”と呼ばれる兄・逢沢傑(あいざわ・すぐる)に憧れながらも、とある過去の呪縛によって、マネージャー職に「逃げ」てしまった元FW(フォワード)の駆(かける)。人前ではボールを蹴れないそぶりを見せつつも、本当はサッカーをしたくてたまらない――。ジレンマだらけの駆だが、「お前は世界レベルのFWになれる!」という檄(げき)を浴びる。……厳しくやさしい「言葉」の主は、いつも仰ぎ見る兄だった!!

U-15日本代表の10番を背負う日本サッカー界の逸材”逢沢傑”を兄に持つ、弟”逢沢駆”が主人公のサッカー漫画です。
兄が10番を背負うMFなら、駆はエリア内で仕事をするFW。駆が中学〜高校、さらにはプロとしてサッカーを続けていく上で様々な仲間やライバルと関わりながら成長していいきます。
兄と弟の知られざる絆にも触れつつ、挫折を繰り返しながら強くなる主人公の姿はスポーツ漫画ならではの良さがあります。


 

・『Days』(完結)

少年たちは全力で、笑い、泣き、走る!! 心をジンジン刺激する! 激熱サッカー漫画!! ――何のとりえもない、特技もない。けれど人知れず、熱い心を秘めた少年・柄本(つかもと)つくし。孤独なサッカーの天才・風間陣(かざま・じん)。嵐の夜、交わるはずのないふたりが出会ったとき、高校サッカーに旋風を巻き起こす、灼熱、感動、奇跡の物語が幕を開ける!!

2021年1月まで連載されていたサッカー漫画で、初心者の主人公柄本つくしが、サッカー名門校に入部し全国制覇を目指すというストーリーです。
やや設定に無理があるか?と思うかもしれませんが、それを吹き飛ばしてしまうくらい魅力あるキャラクターと試合展開です。
個人的ベスト試合は梁山戦でしょうか。
また名言や感動させる展開も多いのが特徴で、サブキャラたちの心の叫びは来るぞと分かっていても泣いてしまいます。


 

・『スマッシュ』(完結)

バドミントン部に所属する翔太は、中学最後の冬休みに運命の出会いをする!! 校舎の片隅で、見知らぬ少女が泣いているのを見かけた翔太は、その子のことが頭から離れない。バドミントンが強くて笑顔が可愛い、名も知らぬ少女‥‥。彼女との出会いが、翔太を“本気”のバドミントンの世界へ導く!!

バドミントンがとても上手な謎めいた美少女と出会った主人公が、少女を追うようにバドミントンの世界に導かれていきます。
そもそもバドミントンを題材にした漫画が少ないですが、試合の描写はとても躍動感がありうまいです。
若干恋愛要素が強すぎる気もしますが、これもマガジンならではの良さ・特徴なのではないかと思います。


 

・バトル・ファンタジー系漫画

続いても王道系のジャンル、バトル・ファンタジー系の漫画です。

 

・『七つの大罪』(完結)

かつて王国転覆をはかったとされる伝説の逆賊〈七つの大罪〉。今もなお執拗に、そのお尋ね者を追うは、王国の要・一騎当千の聖騎士たち。しかし、切なる想いを胸に秘め、〈七つの大罪〉を捜す一人の少女が現れた時、世界の様相を一変させるとびきりの冒険が始まった! 痛快無比のヒロイック・ファンタジー、開幕!!

七人の大罪人から成る伝説の騎士団「七つの大罪」の戦いを描いたマガジンの王道バトル漫画。
個性的なキャラデザとファンタジー要素の強い世界観がマッチしており、読みやすく面白いです。
TVアニメ化や映画化もされるなど人気を博し、2010年代の少年マガジンの人気を支えた名作です。
完結はしたがスピンオフ作品が複数刊行されるなど、以前高い人気を誇ります。


 

・『Rave』(完結)

この世の悪の部分をつかさどる魔石DB(ダークブリング)が、50年たった今、再び蘇った! それに対抗できる唯一の光・聖石レイヴの使い手として選ばれた少年、それが──ハル!! 50年前の光の闇の戦争を知る、レイヴの使い?プルーとともに、残る4つのレイヴを求めて、生まれ故郷ガラージュ島から大陸へと旅立った!! アニメ化もされた大人気冒険ファンタジー!

ここからは真島ヒロによる王道バトルファンタジー二連発。第一弾は初連載作品だったという『Rave』。
少年誌にマッチした魅力的かつ親しみやすいキャラデザと、超王道の展開ながらも独特の世界観が人気を博しました。
当時マガジンでは珍しかったファンタジー作品ということで、上記の『七つの大罪』などその後のファンタジー漫画連載の礎を作った作品と言えます。


 

・FAIRY TAIL』(完結)

“魔導士(まどうし)ギルド”……それは魔導士たちに、探し物から魔物討伐まで、いろんな仕事を仲介してくれるトコロ! 一人前の魔導士を目指す少女・ルーシィは、火を操る魔導士・ナツと出会い、彼のギルドに誘われる。なんと、そこはルーシィの憧れ“妖精の尻尾(フェアリーテイル)”だった!! なんでもヤリすぎ! 魔法界一のお騒がせ集団が巻き起こすめちゃおもしろ冒険ファンタジー!

第二弾は『FAIRY TAIL』。『Rave』と世界観は似たような部分がありながらも、冒険ファンタジーを前面に押し出した前作とは異なり、魔導士ギルドを舞台として主人公の成長を描く物語となっています。
『Rave』が全35巻だったのに対して『FAIRY TAIL』は全63巻と、若干間延びした印象があるのは事実ですが、どちらも甲乙つけがたい面白さです。


 

・『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』(完結)

世界はひとつじゃない。しかし全ては繋がっている。一番大事な人を救うため、少年は旅立った!玖楼(クロウ)国に住む小狼(シャオラン)とさくらは、思いを寄せ合う幼馴染み。だが謎の遺跡でさくらに異変が起こり、全ての記憶を失くしてしまう!さくらを救う方法はただ1つ--『異世界に飛び散ったさくらの「羽根」を探し出すこと』。

王国の姫君サクラの記憶の羽根(カケラ)を求め異世界を冒険する物語。
XXXHOLiC』など他のCLAMP作品にキャラも多数登場します。
『カードキャプターさくら』のイメージが強いですが、本作は美しさとかっこよさが同居したファンタジー漫画となっています。


 

・『エア・ギア』(完結)

自由に空間を駆けるインラインスケート、A・T(エア・トレック)を使い、街を疾走する暴風族(ストームライダー)たち。A・Tチーム髑髏十字軍(スカルセイダース)が夜の街を席捲していた。東中(ヒガチュー)最強のベビーフェイス・イッキは、髑髏十字軍の罠に落ちるが、リベンジのため、幼なじみのリンゴ達の誘いのままA・Tを手にした。憧れの空へ、誰よりも高く、迅く、そして強くなるためにイッキは跳ぶ! 鬼才、大暮維人が描くハイスピードストリートアクション!!

超ハイテクなインラインスケート「エア・トレック」で街を翔ける暴走族たちを描いたストリートバトル漫画です。
エア・トレックというアイテム、それを使用するバトルシステムなどオリジナル要素が強く、他にないバトル漫画となっています。
大暮維人といえば画力は国内トップクラスであり、その強みを生かした躍動感のあるスケートの描写が特徴です。
なお圧倒的画力によるエロ描写も多いのが大暮維人作品のもう一つの特徴と言えるでしょう。


 

・『GetBackers -奪還屋-』(完結)

奪還屋――。「奪(と)られたら奪り還(かえ)せ」が信条(テーマ)の無敵の二人組……、美堂蛮(みどう・ばん)と天野銀次(あまの・ぎんじ)――!! それぞれが持つ不思議な能力をフル活用し、奪還屋のプライドとカンバンを掲げるGetBackers!! プロ中のプロだけど、情にも厚い男たちが引き受ける格安の依頼とは!?

奪われたものを取り返す“奪還屋”美堂蛮と天野銀次のコンビの活躍を描くバトル漫画。
自分たちが持つ特殊な能力を武器に、奪られたら奪り還えせを信条に様々な敵に立ち向かっていきます。
敵味方問わず、キャラクターデザインや個々の能力が個性たっぷりで読んでいて飽きません。
また好みは分かれるかもしれませんが綺麗な作画や厨二心をくすぐる技名・セリフも特徴です。


 

・『SAMURAI DEEPER KYO』(完結)

関ヶ原の戦より4年、千人斬り伝説復活す! 手には5尺の大太刀(おおだち)、背には太極図(たいきょくず)の紋、面(おもて)には鬼が如き深紅の眼(まなこ)! 百万両の賞金首、その名は鬼眼の狂(おにめのきょう)!! 賞金稼ぎ椎名(しいな)ゆやが知り合った薬売り、壬生京四郎(みぶ・きょうしろう)のもうひとつの顔が、鬼眼の狂だった。運命に導かれた2人の旅がはじまる――。

江戸時代の日本を舞台に、千人斬りの鬼と呼ばれた鬼眼の狂壬生一族と戦いを描く戦国バトル漫画です。
主人公の抱える謎だけでなくサブキャラの背景も丁寧に掘り下げたり、非常に丁寧に作り込まれた作品であると感じます。
現代風にアレンジされた江戸の世に歴史上の人物がデフォルメされて出てきたりと、独特な世界観が特徴です。


 

・恋愛・ラブコメ系漫画

・『涼風』(完結)

秋月大和(やまと)15歳、高校進学のため単身上京。叔母が経営する銭湯に下宿することに! ごくフツーの毎日が始まるはずが、幸か不幸かこの銭湯、女性専用マンションも兼ねていた!!! 男子禁制の花園にオトコがひとり。コレで、何も起きないわけがない!!??

広島から上京し、親戚の営む女性専用マンションに住むことになった主人公とそこの下宿人であるヒロインによる恋愛漫画。
マガジンの恋愛といえば瀬尾公治という安定感。陸上競技を絡めた作品であり、青春要素も多分に含まれています。
ラストは少年誌としては評価が別れる終わり方となっています。


 

・『君のいる町』(完結)

高校進学のため、東京から一人で田舎に越してきた柚希。しかし、住むのは親戚でもない桐島青大の家! 「会ったこともないヤツが、いきなり自分の家に住むなんて‥‥」 同居に納得いかない青大をよそに、初日からすっかり馴染む柚希。春から2人が通う高校には、青大の意中の人・七海もいるし、面倒なことになりませんように‥‥!

瀬尾公治の恋愛漫画2作目。前作とは逆で広島に住む主人公と、東京から広島に引っ越してきたヒロインによる恋愛漫画です。
東京と広島を行ったり来たり、二人を取り巻く友人たちにも焦点を当てており青春群像劇的要素も多分に含まれています。
キャラクターデザインは相変わらずの高クオリティ、情景描写もさらに磨きがかかっています。


 

・『ドメスティックな彼女』(完結)

高校生・夏生は明るくて人気者の教師・陽菜にかなわぬ恋をしていた。だが、合コンで出会った陰のある少女・瑠衣と関係をもってしまう。そんなとき、父が再婚することに。相手が連れてきた子供が、なんと陽菜と瑠衣で!? カゲキな新生活が今、始まる!

「ドメスティックな」とタイトルについている通り、家庭内での義理の姉妹がヒロインと、かなりきわどい恋愛を扱った作品。
初回からいきなり主人公の性行為の描写が入るなど、少年マガジンにしては過激な表現が話題となった問題作と言えます。
主人公だけでなく、周辺人物たちの濃い恋愛模様も描かれています。


 

・『ラブひな』(完結)

子どものときに少女と交わした約束を守るため、東大目指し2浪中で家を追い出された景太郎は、男子禁制の女子寮「ひなた荘」の管理人に就任。同じく東大を目指す成瀬川なるを筆頭に、個性豊かな美少女たちに振り回されるはめに。だが、なるこそが思い出の少女ではないかと思い始める。一方のなるは、別に想い人がいたものの、少しずつ景太郎が気になり始め、さらに子ども時代の記憶が甦り‥‥? とびっきりキュートな美少女たちと、平凡な少年が織り成す、ハチャメチャだけどピュアなラブコメディー!

東大合格を目指す主人公が女子寮「ひなた荘」の管理人となり、住人と織り成すドタバタラブコメがテーマの漫画です。
女子寮に男子が一人というハーレム展開はラブコメの王道ストーリーではありますが。ベタだと分かっていても面白い。往年の名作です。


 

・『五等分の花嫁』(完結)

貧乏な生活を送る高校2年生・上杉風太郎のもとに、好条件の家庭教師アルバイトの話が舞い込む。ところが教え子はなんと同級生!! しかも五つ子だった!! 全員美少女、だけど「落第寸前」「勉強嫌い」の問題児! 最初の課題は姉妹からの信頼を勝ち取ること…!? 毎日がお祭り騒ぎ! 中野家の五つ子が贈る、かわいさ500%の五人五色ラブコメ開演!!

貧乏な男子高校生が家庭教師のアルバイトを始めたら、教え子が同級生だったという設定のラブコメ。
一対多数のハーレム系ラブコメであるが、特徴はなんと言ってもヒロインが5つ子であるということ。
5人のヒロイン全員に個性を持たせ、しかもそれを描き分ける画力は見事です。
ラブとコメのバランスもよく、テンポよく進むストーリーとくれば人気が出ない方がおかしい作品です。


 

・『聲の形』(完結)

耳の聞こえる少年・石田将也(いしだしょうや)。耳の聞こえない転校生・西宮硝子(にしみやしょうこ)。ふたりは運命的な出会いをし、そして、将也は硝子をいじめた。やがて、教室の犠牲者は硝子から将也へと移っていった。幾年の時を経て、将也は、 もう一度、硝子に会わなければいけないと強く思うようになっていた。週刊少年マガジン掲載時に、空前の大反響を巻き起こした衝撃作。

便宜上このカテゴリーに入れましたが、上記で紹介してきたラブコメ漫画とは一線を画す作品です。
聴覚障害のためにいじめを受けていた少女と、いじめを先導していたことが原因で次第に孤独になっていく少年、2人の触れ合いを描くメッセージ性の強い漫画となっています。
いじめや障害と言った難しいテーマを扱いつつ、「人に気持ちを伝えることの大切さと難しさ」をしっかり教えてくれます。


 

・現在連載中のおすすめ人気漫画

ここで次世代のマガジンを担うであろう作品たちを紹介します。現在連載中の作品から、マガジンの主力を張りつつある人気漫画を6つ紹介していきます。

・『ランウェイで笑って』(連載中)

身長は、158cmから伸びなかった・・・。藤戸千雪の夢は「パリ・コレ」モデル。モデルとして致命的な低身長ゆえに、周囲は「諦めろ」と言うが、千雪は折れない。そんなとき、千雪はクラスの貧乏男子・都村育人の諦めきれない夢「ファッションデザイナー」を「無理でしょ」と切ってしまい・・・!?「叶わない」宣告をされても、それでも一途に夢を追って走る2人の物語。

服飾業界を題材に、主人公がデザイナーでヒロインがモデルという珍しいテーマの漫画です。
身長が足りないモデルと母子家庭に生まれたデザイナー志望の高校生、お互いに恵まれた環境とは言えない二人は夢を叶えることができるのか。
この業界に詳しくないため服のセンスなどは分からないですが、新感覚で先が読めずストーリー自体は文句なしの面白さです。


 

・『不滅のあなたへ』(連載中)

何者かによって“球”がこの地上に投げ入れられた。その球体は、情報を収集するために機能し、姿をあらゆるものに変化させられる。死さえも超越するその謎の存在はある日、少年と出会い、そして別れる。光、匂い、音、暖かさ、痛み、喜び、哀しみ……刺激に満ちたこの世界を彷徨う永遠の旅が始まった。これは自分を獲得していく物語。

不老不死の能力を持った主人公の旅の物語。火の鳥現代編とも評価されている独創的で壮大なストーリーです。
物語の入りから独特ですが、1巻で読むのをやめてしまうのはあまりにももったいないです。
ちなみに先ほど紹介した『聲の形』と同じ作者による作品です。作者の才能の幅広さに驚かされます。


 

・『化物語』(連載中)

阿良々木暦を目がけて空から降ってきた女の子・戦場ヶ原ひたぎには、およそ体重と呼べるようなものが、全くと言っていいほど、なかった――!?アニメ化・ゲーム化など多数のメディアミックスを果たした西尾維新の代表作『化物語』を、『エア・ギア』の大暮維人が豪華漫画化!!現代青春ノベルの金字塔を世界一の絵で! 「週刊少年マガジン」にしかできない最高最興奮の新しい“物語”!!

原作は西尾維新作の大ヒットライトノベル、作画は『エア・ギア』の大暮維人。最高の原作と最高の画力、奇跡のコラボレーションとも言える作品です。
新房昭之監督×シャフトのアニメ版にも負けないキャラクターデザインはさすがの一言で、ストーリーも原作に忠実に描かれており、安心して読むことが出来ます。
原作を知る人はもちろん、知らない人にも楽しめる作品ではないかと思います。


 

・『炎炎ノ消防隊』(連載中)

全人類は怯えていた──。何の変哲もない人が突如燃え出し、炎の怪物“焔ビト”となって、破壊の限りを尽くす“人体発火現象”。炎の恐怖に立ち向かう特殊消防隊は、現象の謎を解明し、人類を救うことが使命! とある理由から“悪魔”と呼ばれる、新入隊員の少年・シンラは、“ヒーロー”を目指し、仲間たちと共に、“焔ビト”との戦いの日々に身を投じる!! 燃え上がるバトル・ファンタジー、始動!!

人体自然発火現象により「焔ビト」となった怪物と、それに相対する特殊消防隊の活躍を描いた作品。
SF、サスペンス要素も絡めつつ少年誌ならではの王道バトルものということで、アニメ化もされた人気作品です。


 

・『彼女、お借りします』(連載中)

たった一度の“レンタル”で、輝き出す“リアル”がある。
都内在住のダメダメ大学生、木ノ下和也(20)。ある日、“ワケアリ”の超絶美少女、水原千鶴との出会いをキッカケに、彼の人生は大きく変わり始めて──!?

恋人に振られた大学生が、お金を払って利用する恋人代行サービスで出会ったレンタル彼女と繰り広げるラブコメディ。
レンタル彼女という珍しい設定をうまく活かしつつ、ラブコメに付き物の付かず離れずの距離感を持続している。
そして何と言ってもヒロインたちの可愛さが最大の魅力。複数ルートを展開させたのちメインルートに行くのかどうか、目が離せない。


 

・『東京卍リベンジャーズ』(連載中)

ダメフリーター花垣武道は、ある日ニュースを見ていると、最凶最悪の悪党連合”東京卍會”に、中学時代に付き合っていた人生唯一の恋人が殺されたことを知る。壁の薄いボロアパートに住み、レンタルショップでバイトしながら6歳年下の店長にこき使われる日々。人生のピークは確実に彼女がいた中学時代だけだった……。そんなどん底人生まっただ中のある日、突如12年前へタイムリープ!!恋人を救うため、逃げ続けた自分を変えるため、人生のリベンジを開始する!!

中学時代に付き合っていた元カノの訃報をきっかけに、突如過去へタイムリープした主人公が彼女を救うため未来を変えようと奮闘するSF漫画。
よくあるタイムリープものかと思いきや、ヤンキーや暴走族という設定・青春要素など意外性があり新しさを感じる作品。
ダメダメだった主人公が守るべきもののため、徐々にたくましくなっていく過程に少年漫画の良さを感じながら、先の読めない展開にドキドキが止まらない。
2021年7月には実写映画が公開され話題となった。


 

・ミステリー・サスペンス系漫画

・『金田一少年の事件簿』(完結)

名探偵・金田一耕助の血を引く金田一一(きんだいちはじめ)は、幼なじみの七瀬美雪(ななせみゆき)の頼みで演劇部の合宿に参加することになった。だが合宿先となる孤島のホテル「オペラ座館」では恐ろしい事件が一たちを待ちかまえていた――。演劇部の演目「オペラ座の怪人」になぞらえたように起こる凄惨な連続殺人。第1の殺人後、姿を消した謎の男「歌月」。そして部員たちの心に影を落とす、女子部員“月島冬子”の自殺……。一は、この惨劇の真相にたどりつくことができるか!?

ご存知、名探偵コナンと並ぶ少年ミステリー漫画の金字塔。クローズド・サークルの絶望感は連載開始から数十年経った今読んでも色褪せることがありません。
2018年からイブニングで、20年後を描いた『金田一37歳の事件簿』が連載中です。


 

②探偵学園Q/天樹征丸,さとうふみや(2001〜2005:完結)

「世界一の探偵になる!」その願いをかなえるべく、キュウが挑むのは、伝説の名探偵・団守彦が主催する“探偵学園”の型破りな入学試験! 瞬間記憶能力者メグ、野生児キンタ、IT小僧カズマといった強力なライバルと共に、数々の超難解な謎を解き明かせ! 最高の探偵養成クラス「Qクラス」に入るために!!

『金田一少年の事件簿』と同一作者によるミステリー漫画です。
中学生にして際立った推理力を持つ主人公、キュウ探偵学園の仲間や講師たちとともに様々な事件を解決していきます。
タイトルの通り学園の仲間たちも重要な役割を握っており、学園ものとしても面白い作品です。


 

・『BLOODY MONDAY』(完結)

クリスマス・イヴの夜、ロシアで成立したウイルス取引。目的は不明。わかっているのは、組織の一味であるマヤという謎の女性の存在と「ブラッディ・マンデイ」というキーワード。そして日本で起こった、ロシア連邦保安庁諜報員の殺害事件――。高木藤丸(たかぎ・ふじまる)は、天才ハッカー・ファルコンという別の顔を持つ高校生。公安調査庁の秘密組織「THIRD-i(サードアイ)」に勤務する父・竜之介から依頼された仕事が、彼を凄絶なるテロリストとの戦いに引きずり込んだ!!

主人公である高校生天才ハッカーが、父親の所属する公安組織と協力しテロリストたちに立ち向かうというサスペンス漫画。
ウイルスを用いたバイオテロという設定が少し甘い部分もあるが、センセーショナルな冒頭から息つく間もないスピーディーな展開力は見事だし、ちょうど良いシリアスさが少年誌にハマっている気がします。
『SEASON2』、『ラストシーズン』と続くので、一気読みがおすすめです。


 

・『サイコメトラーEIJI』(完結)

夜ごと起こる残忍な婦女暴行殺人――。謎の殺人鬼メビウスの正体を暴くため、過去の出来事や記憶の断片を読みとるサイコメトリー能力をもつ少年、明日真映児(あすま・えいじ)と、美人刑事・志摩亮子(しま・りょうこ)が立ちあがる!!ドラマ化もされた大ヒットコミック!!

物質に宿った記憶の断片を読み解くサイコメトラーと呼ばれる能力を持った主人公が、女刑事と手を組み事件を解決していくという漫画です。
超能力を持ったヤンキーと、セクシーな女刑事という凸凹コンビの掛け合いも小気味良く、テンポの良いストーリー展開も魅力です。
続編の『サイコメトラー』とともにヒットし、ドラマ化もされました。


 

・ヤンキー漫画

ここでは4作品を紹介していますが、これ以外に上述した『東京卍リベンジャーズ』や『サイコメトラーEIJI』もヤンキー漫画と言えます。

・『GTO』(完結)

男、鬼塚英吉。ワケあって教師やってます。目指すはグレート!激走、世紀末教師伝説!!オレは教師になる!! 伝説残すくれーグレートな教師に‥‥!! 湘南で“鬼爆”と恐れられたコンビの一人、鬼塚英吉、わけあって教師やります! “Great Teacher Onizuka”伝説ついにスタート!!

反町隆史と松嶋菜々子主演のドラマ版が大ヒットしたことでも有名な、元暴走族のヤンキー教師が学園に潜む様々な問題を型破りなやり方で解決していく漫画です。
いじめや不登校など教育問題に破天荒なやり方で切り込みつつ、ユーモアを忘れないこの作品も、古き良き時代だなと感じます。
現代であればそもそも連載すら許されない作品かもしれないですね。


 

・『湘南純愛組!』(完結)

湘南最強の鬼爆(おにばく)コンビ、鬼塚英吉と弾間(だんま)龍二。女ひでりの日々に終止符を打とうと、心機一転、ナンパ少年に大変身!だが、彼らの行く所、トラブルがつきまとい、最後は、いつも大乱闘。おかげで未だに、悲しい独り者のヤンキー小僧たちの、明日は、どうなる!?

『GTO』と同じく藤沢とおる作品、「鬼爆コンビ」とよばれる鬼塚英吉・弾間龍二を主人公とした、GTOの前日談的ヤンキー漫画です。
むちゃくちゃだけど笑えてスカッとする作品です。是非『GTO』とセットで読んで見てください。


 

・『カメレオン』(完結)

ニューウエーブヤンキー登場、じゃン!!オレ、矢沢栄作、高校デビューの新米ヤンキーだ!ハッキリ言って、チビでケンカも弱(よえ)ーけど、はったりと要領を武器に、のし上がってやンぜ。まずは、名を売って有名どころの仲間入りヨ!オレのビッグなサクセスストーリー、バシッと読んでくれよナ!!

高校デビューを果たしたエセヤンキーの主人公が、悪知恵と運を頼りに、次第にカリスマヤンキーへと成長していく物語。
実写化やアニメ化もされた平成初期の超人気ヤンキー漫画です。


 

・『ヤンキー君とメガネちゃん』(完結)

学校一の問題児・品川大地(しながわ・だいち)にある日、声をかけてきたのは同じクラスの学級委員長・足立花(あだち・はな)。一見、メガネをかけた真面目そうな花だが、実はこの娘、とんでもなくケンカが強く、びっくりするほどバカだった!! 学級委員長として奮闘する元ヤンキー娘・花と、それに振り回される現ヤンキー・品川の学園タンデムコメディ!!

ヤンキーと元ヤンの学級委員長が繰り広げる、笑って泣ける学園コメディ。
ギャグマンガってほどギャグが強いわけではなく、少しジャンル分けに困ったけれどタイトルで分けてしまいました。気軽に読める作品です。


 

・ギャグ漫画

・『魁!!クロマティ高校』(完結)

賭けんのか――っ!? 賭けますよ――っ!! 講談社が社運を賭けた、どう考えても絶対不安なこの一冊。本当にうっかりで、ワルの巣窟・都立クロマティ高校に入学してしまった神山高志(かみやま・たかし)16歳と愉快な仲間たちが繰り広げる脱力系ギャグの金字塔! まぁ読んどけ!!

「ワルのメジャーリーグ」都立クロマティ高校を舞台とする学園ギャグ漫画。フレディやメカ沢、ゴリラなど全然高校せいじゃ無い奴らも混じってるけど、脱力系の笑いが面白くて、時間つぶしなどには最適です。


 

・『A-BOUT!』(完結)

「朝桐真之輔(あさぎり・しんのすけ) コイツ本物のバカだ!!」 私立光嶺(みつみね)高校……そこは、他県にまで名を轟かすほどの不良が集う“戦闘地域”。危険な奴らが集う学び舎に、一人の転校生がやってきた。朝桐真之輔、史上サイアクの自己チュー男! コイツ、バカか、それとも……!? 超オレ様伝説開幕……なの……!?

ヤンキー漫画でありギャグ漫画でもあるという、ジャンルわけが難しい作品。
不良高校生の戦いを描きつつ、要所に散りばめられたギャグがエッジが効いていて面白いです。
ラストは打ち切りエンドで、当時は残念に思ったものでした。


 

・『生徒会役員共』(連載中)

元は伝統ある女子校だったが近年の少子化の影響で共学化した私立桜才(おうさい)学園。その数、女子524人、男子28人、つまりハーレム! 生徒会だって女子だらけ♪……といっても楽じゃありません。強引に生徒会副会長にされた津田(つだ)タカトシは、女の子たちの天然な妄想にツッコミをいれる日々。『妹は思春期』『女子大生家庭教師 濱中アイ』の氏家ト全が贈るほんのり下ネタ風味学園4コママンガ、ゆる~っと始動です♪

圧倒的女子多数の桜才学園を舞台とした、学園ギャグ漫画。ギャグのほとんどを下ネタで占められているのが特徴の4コマ漫画です。
この作風で10年以上連載し続けていることが何よりすごい。ネタは尽きないのだろうか。。


 

・『さよなら絶望先生』(完結)

桜咲く4月。希望に胸を膨らませた登校途中の少女が、桜並木で出会ったのは、新クラスの担任の先生だった……。そこまでは良い話。その先生の名は糸色望。学校から飛び下りたり、すぐ不登校になったり、超迷惑なネガティブ教師だった!通称「絶望先生」が引っかき回すクラスでは、予想不能な事件が毎回毎回起きるのです!

一話完結型のギャグ漫画。時事ネタやあるあるネタをこれでもか!と詰め込んでいてもはやコラムと化しているという噂もあります。
アニメもかなり良い出来なのでおすすめです。


 

終わりに

「週間少年マガジン」傑作40選、いかがでしたでしょうか。歴史あるマガジンの中では今回紹介できなかった昭和の名作もたくさんあります。『明日のジョー』とかね。

今回は平成時代の作品に絞らせてもらいました。なので、もちろん完結している漫画もありますが、現在連載中の比較的新しい作品も結構あります。一気に読みたい作品を見つけるも良し、これを機にマガジンの購読を始めるも良し、それぞれの用途にあった活用方法を試していただければと思います。

 

 

〜少年漫画誌別まとめ第1弾(少年ジャンプまとめ)〜はこちらから⇩

 

〜少年漫画誌別まとめ第3弾(少年サンデーまとめ)〜はこちらから⇩

 

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