このブログでは、ジャンル別や雑誌別など色んな角度からマンガを紹介しておりますが、この記事では少女マンガも青年マンガも、スポーツマンガも恋愛マンガも、連載中のマンガも完結済みのマンガも全部ひっくるめて、あらゆる作品の中から今本当におすすめしたい漫画100作品を厳選しました。
・とにかく面白い漫画を探したい
・今話題の旬な漫画が読みたい
・ジャンル問わずおすすめの漫画が知りたい
なお完結済みの作品については以下記事でまとめているので、どちらかというとこれからの期待値が高い連載中の作品を心持ち多めにしております。
- これを読めば間違いない!本当に面白いおすすめ漫画100選
- 1.『3月のライオン』/連載中
- 2.『ファブル』/完結:22巻
- 3.『ブルーピリオド』/連載中
- 4.『ヒカルの碁』/完結:23巻
- 5.『スラムダンク』/完結:31巻
- 6.『進撃の巨人』/完結:34巻
- 7.『左ききのエレン』/連載中
- 8.『呪術廻戦』/連載中
- 9.『北北西に曇と往け』/連載中
- 10.『キングダム』/連載中
- 11.『チ。―地球の運動について―』/完結:8巻
- 12.『ピアノの森』/完結:26巻
- 13.『モンキーターン』/完結:30巻
- 14.『よつばと』/連載中
- 15.『ダーウィン事変』/連載中
- 16.『東独にいた』/連載中
- 17.『王様ランキング』/連載中
- 18.『波よ聞いてくれ』/連載中
- 19.『金色のガッシュ』/完結:33巻
- 20.『夏目アラタの結婚』/連載中
- 21.『SPY×FAMILY』/連載中
- 22.『ひらやすみ』/連載中
- 23.『鋼の錬金術師』/完結:27巻
- 24.『宇宙兄弟』/連載中
- 25.『君は放課後インソムニア』/連載中
- 26.『九龍ジェネリックロマンス』/連載中
- 27.『ベルセルク』/未完
- 28.『イムリ』/完結:26巻
- 29.『ゴールデンカムイ』/完結:31巻
- 30.『昭和天皇物語』/連載中
- 31.『僕の心のヤバイやつ』/連載中
- 32.『終の退魔師 ―エンダーガイスター』/連載中
- 33.『ちはやふる』/連載中
- 34.『昴とスーさん』/完結:6巻
- 35.『鬼滅の刃』/完結:23巻
- 36.『サマータイムレンダ』/完結:13巻
- 37.『かぐや様は告らせたい』/完結:28巻
- 38.『紛争でしたら八田まで』/連載中
- 39.『甘々と稲妻』/完結:12巻
- 40.『アオアシ』/連載中
- 41.『怪獣8号』/連載中
- 42.『スキップとローファー』/連載中
- 43.『BLUE GIANT』/連載中
- 44.『かくかくしかじか』/完結:5巻
- 45.『H2』/完結:34巻
- 46.『葬送のフリーレン』/連載中
- 47.『東京卍リベンジャーズ』/完結:31巻
- 48.『やがて君になる』/完結:8巻
- 49.『BE BLUES!〜青になれ〜』/完結:49巻
- 50.『のだめカンタービレ』/完結:25巻
- 51.『アルスラーン戦記』/連載中
- 52.『寄生獣』/完結:10巻
- 53.『二月の勝者-絶対合格の教室-』/連載中
- 54.『とんがり帽子のアトリエ』/連載中
- 55.『セトウツミ』/完結:8巻
- 56.『クローズ』/完結:26巻
- 57.『幽☆遊☆白書』/完結:19巻
- 58.『ONE PIECE』/連載中
- 59.『空挺ドラゴンズ』/連載中
- 60.『もういっぽん』/連載中
- 61.『ハイキュー』/完結:45巻
- 62.『彼方のアストラ』/完結:5巻
- 63.『ゴールデンゴールド』/連載中
- 64.『僕だけがいない街』/完結:9巻
- 65.『海街diary』/完結:9巻
- 66.『MONSTER』/完結:18巻
- 67.『僕らはみんな河合荘』/完結:11巻
- 68.『メダリスト』/連載中
- 69.『ヴィンランド・サガ』/連載中
- 70.『ハイスコアガール』/完結:10巻
- 71.『娘の友達』/連載中
- 72.『昭和元禄落語心中』/完結:10巻
- 73.『ロスト・ラッド・ロンドン』/完結:3巻
- 74.『私の少年』/連載中
- 75.『ばらかもん』/完結:18巻
- 76.『BEASTARS』/完結:22巻
- 77.『ぐらんぶる』/連載中
- 78.『ゆるキャン△』/連載中
- 79.『惑星のさみだれ』/完結:10巻
- 80.『はたらく細胞』/完結:5巻
- 81.『賭博黙示録カイジ』/完結:13巻
- 82.『シュート!』/完結:33巻
- 83.『今日から俺は!!』/完結:38巻
- 84.『ヒストリエ』/連載中
- 85.『終末のワルキューレ』/連載中
- 86.『絢爛たるグランドセーヌ』/連載中
- 87.『亜人』/完結:17巻
- 88.『弱虫ペダル』/連載中
- 89.『めぞん一刻』/完結:15巻
- 90.『ドラフトキング』/連載中
- 91.『放課後ていぼう日誌』/連載中
- 92.『あかね噺』/連載中
- 93.『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』/連載中
- 94.『あさひなぐ』/完結:34巻
- 95.『とある科学の超電磁砲』/連載中
- 96.『薬屋のひとりごと』/連載中
- 97.『乙嫁語り』/連載中
- 98.『頭文字D』/完結:48巻
- 99.『化物語』/連載中
- 100.『ピューと吹く!ジャガー』/完結:20巻
- 終わりに
これを読めば間違いない!本当に面白いおすすめ漫画100選
ここでの順番は”面白い順”というより”おすすめしたい順”を意識しています。便宜上のランキングとして捉えていただければと思います。
今や漫画に欠かせないのが電子書籍です。電子書籍は数が多すぎて何を利用すればいいか分からないと思っている方は、下記の比較記事を参考にしてみてください。あなたに合ったサービスがきっと見つかるはずです。
1.『3月のライオン』/連載中
その少年は、幼い頃すべてを失った。夢も家族も居場所も──。この物語は、そんな少年がすべてを取り戻すストーリー。その少年の職業は──やさしさ溢れるラブストーリー。
中学生で将棋のプロ棋士になった少年と、ご近所に住む三姉妹を中心にした心温まる物語。孤独な少年が支えとなる人たちと出会い、建設的な人付き合いを通して成長していく。
将棋が題材にはなっているが、メインは棋士たちが勝負の世界で戦う心理描写や、周辺人物との交流といった部分なので、将棋を知らなくても問題なし。
とは言いつつ巻末にある将棋コラムや、作中でもタイトル戦など迫力ある対局シーンが随所にあり、もちろん将棋ファンにも楽しめる作品となっている。
2.『ファブル』/完結:22巻
“寓話”と呼ばれし、風変わりな“殺しの天才”が、この町の片隅にひっそりと棲んでいる──。殺しのプロとして“一般人”になりきれ! 野蛮で、滑稽な、大阪DAYS。『ナニワトモアレ』&『なにわ友あれ』の南勝久、銃撃最新作!!!
殺し屋家業のシリアスなシーンを描いたハードボイルドな側面と、彼らの日常を描いたユーモアたっぷりな側面と、2面性を持つ作品。
こういった作品はどちらも中途半端になり作品の売りが不明瞭になってしまいがちだが、この作品はどちらの側面もクオリティが高く、しかもメリハリが効いているので飽きることなく読める。
その中でも特に陽子の飲酒シーンは半端なく笑える。
第1部は2019年に完結、第2部『ザ・ファブル The second contact』が2021年7月からヤングマガジンにて連載再開している。
3.『ブルーピリオド』/連載中
成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつ、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎(やぐち やとら)は、ある日、一枚の絵に心奪われる。その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。美術のノウハウうんちく満載、美大を目指して青春を燃やすスポ根受験物語、八虎と仲間たちは「好きなこと」を支えに未来を目指す!
漫画大賞2020を受賞し、数々のメディアで取り上げられるなど、乗りに乗っている作品。
高校生たちの芸大受験というマイナーなテーマを扱っているが、内容は受験生の努力や友情、成長が描かれていて実に王道要素満載。
また実在の画家によって描かれた絵が作中に使われており、その作品を生かす迫力ある構成やコマ割りも魅力。
4.『ヒカルの碁』/完結:23巻
ある日小6のヒカルは蔵で古い碁盤を見つける。その瞬間、碁盤に宿っていた平安の天才棋士・藤原佐為の霊がヒカルの意識の中に入り込んだ。佐為の囲碁に対する一途な想いが、徐々にヒカルを囲碁の世界へと導いていく…。
この漫画を読み終わっても、囲碁のルールはほとんど理解できない。
主人公のヒカルが佐為という相方に出会い徐々に囲碁にのめり込んでいく過程、魅力あるライバルたちと切磋琢磨しながら徐々に力をつけていく過程。
そして同時に囲碁界という特殊な環境でクセのある大人たちに揉まれながら人間的に成長していく姿。
読み終えた時、囲碁のルールは分からなくても、ヒカルの碁の良さはきっと分かる。
5.『スラムダンク』/完結:31巻
中学3年間で50人の女の子にふられた桜木花道。高校生となった彼は、ふと声をかけてきた女の子・赤木晴子に性懲りもなく一目惚れ。その「バスケットはお好きですか?」との問いに花道は…!?
バスケ漫画の草分け的存在であり、誰もが知るスポーツ漫画の一つ。
最初の何巻かは完全にギャグ漫画だけれど(と言いつつギャグのクオリティも高い)、リョータやミッチーとメンバーが揃う頃から画力も安定してきて、そこからの展開はもう何も言うことがないくらい素晴らしい。
IH予選→本戦のストーリー展開はもちろん、基礎を学ぶことの意義、地道な反復練習の大切さ、継続することの重要性、チームワークの必要性など、それらを花道をはじめとした登場人物に語らせる・気付かせることで、スポーツの喜怒哀楽を全て表現しきった完成系と言える漫画。
6.『進撃の巨人』/完結:34巻
手足をもがれ、餌と成り果てようと、人類は巨人に挑む!! 巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の戦いが始まってしまう。――震える手で、それでもあなたはページを捲る。超大作アクション誕生! これが21世紀の王道少年漫画だ!!
圧倒的な力を持つ強者である「巨人」とそれに対抗する弱者の「人間」、対となる2者の戦いを中世ヨーロッパ風の世界観の中で描いた作品。
その独特な世界観もさることながら何よりストーリー構成の緻密さに驚かされる。1話のタイトル「二千年後の君へ」に隠された意味が122話で明らかになったのは有名だが、それ以外にも随所に散りばめられた伏線、何気ない設定や人物背景が後々意味を持って語られ、予想を裏切る展開の連続である。
しかもタイトルにも隠されたメインテーマは作品を通して一切ぶれることがないという完璧っぷり。
2021.6.9に34巻発売、堂々完結。
7.『左ききのエレン』/連載中
広告代理店勤務の若手デザイナー・朝倉光一。納得出来ない理由で自ら勝ち取った仕事を取り上げられた彼は、やりきれない気持ちを抱えて横浜の美術館へと向かう。そこは、彼が初めて「エレン」という才能と出会った場所で…。大人の心も抉るクリエイター群像劇、開幕!
「天才になれなかったすべての人へ」
広告業界を描いた作品なだけありキャッチーなコピーや名言が多い。お仕事漫画なので社会人に等しくおすすめではあるが、とりわけクリエイティブな業界や職業に従事する人たちにはたまらないのだろうと思う。
主人公だけでなく複数の主要人物に焦点を当てた群像劇であり、章ごとに点在する時系列が巻を追うごとに徐々に線となってつながってくる過程は見事で思わず唸ってしまうほど。
8.『呪術廻戦』/連載中
類稀な身体能力を持つ高校生・虎杖悠仁は、病床に伏せる祖父の見舞いを日課にしていた。だがある日学校に眠る「呪物」の封印が解かれ、化物が現れてしまう。取り残された先輩を救う為、校舎へ乗り込む虎杖だが!?
人を呪う「呪物」を体内に取り込んだ少年が、呪術師として成長していく能力バトル漫画。
まるでHUNTER×HUNTERのような迫力ある能力バトルに加え、細かい設定やセリフ回しが秀逸。絵がもう少し上手ければ、と思うのがたまに傷。
「ネクスト鬼滅の刃」とも言われており、アニメ化をきっかけとして爆発的な人気を見せる、現在の少年ジャンプの看板作品である。
9.『北北西に曇と往け』/連載中
舞台はアイスランド島、北緯64度のランズ・エンド。17歳の主人公・御山慧には3つの秘密があった。ひとつ、クルマと話ができる。ふたつ、美人な女の子が苦手。3つ、その職業は、探偵――。
あるときは逃げ出した飼い犬を連れ戻し、またあるときはひと目ぼれの相手を探し出す。愛車ジムニーを駆りながら、胸のすくような探偵活劇が、いま始まる!
北欧アイスランドの澄んだ空気が肌で感じられるような、綺麗な作画が印象的な作品。
内容も単なる探偵ものではなく、電化製品の言葉が分かるという特殊な能力を持った主人公が不思議な空気感を醸し出しながら、物語が徐々に進みだしていく。
アイスランドの旅行記かと思う章もあればサブキャラに丸々焦点を当てたスピンオフ的な章もあり、先の展開を予想させない大胆な構成も特徴。今後のメインストーリー展開次第で評価が別れるかもしれない。
10.『キングダム』/連載中
時は紀元前――。いまだ一度も統一されたことのない中国大陸は、500年の大戦争時代。苛烈な戦乱の世に生きる少年・信は、自らの腕で天下に名を成すことを目指す!! 2013年、第17回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞!
春秋時代の中国が舞台の歴史漫画。
メインテーマは下僕の信が将軍を目指すという王道バトル漫画でありながら、史実をベースとしつつオリジナルキャラや独自の解釈を加えており、更には武将同士の迫力ある戦闘シーンや軍師たちによる緻密な戦略、そして王宮内の勢力争いまで焦点を当てた歴史大作である。
他の歴史漫画の追随を許さない、頭一つも二つも飛び抜けた作品であり、ヤングジャンプの看板漫画でもある。
11.『チ。―地球の運動について―』/完結:8巻
動かせ 歴史を 心を 運命を ――星を。
舞台は15世紀のヨーロッパ。異端思想がガンガン火あぶりに処せられていた時代。主人公の神童・ラファウは飛び級で入学する予定の大学において、当時一番重要とされていた神学の専攻を皆に期待されていた。合理性を最も重んじるラファウにとってもそれは当然の選択であり、合理性に従っている限り世界は“チョロい”はずだった。しかし、ある日ラファウの元に現れた謎の男が研究していたのは、異端思想ド真ン中の「ある真理」だった――
中世ヨーロッパを舞台に、異端思想とされた地動説を追い求める人々を描いた群像劇。
物語にはフィクションが多分に含まれているので純粋な歴史マンガとは言えないかもしれないが、当時の真理とされた天動説を覆し地動説を立証すべく研究することに命を懸けた人々の熱量がとんでもない。著者の前作『ひゃくえむ。』でも感じたが、とにかくこの作者は読者を惹きつけるのが圧倒的にうまい。
マンガ大賞2021で2位にノミネートと実力が評価されている。
12.『ピアノの森』/完結:26巻
森のピアノは、その少年を待っていた――。捨て去られたピアノ。壊れて音の出ないピアノ。いま、ひとりの少年の選ばれた指が、失われた音を呼び覚ます。少年の名は一ノ瀬海(いちのせかい)。彼は心に深く豊かな森を抱えていた。
音楽漫画の中では個人的No.1の作品。決して恵まれているとは言えない幼少期を過ごした少年カイが、森のピアノと恩師に出会い表現者としての道を突き進んでいく過程を描く。
周りの人々の支えやライバルの存在もあって、やんちゃな少年から品のある青年へと人間的に成長が見られるのも良い。
後半のコンクール描写は圧巻で、小説の『蜜蜂と遠雷』に通じるものがあるけれど、どちらにも共通するのは音楽の素晴らしさを紙媒体から感じることができる稀有な作品ということ。
13.『モンキーターン』/完結:30巻
波多野憲二はちょっとそそっかしいが、負けん気の強い度胸のある17歳。幼いころからの夢であるプロ野球選手になることを断念した憲二の今の夢は、競艇選手になること。そのきっかけは担任教師・筒井の勧めで…!?ボートレーサーを目指し、本栖研修所の試験を受けた憲二。友情と闘争心の中で大きく育っていく若者を描いた、青春スポーツ漫画の傑作!!
競艇というマイナー競技を題材にした作品。ギャンブルだとか親父たちの趣味という少しネガティブなイメージでこの作品を敬遠している人がいるなら、その認識を改めるためにもまず1巻を読もう。
競艇選手を目指す若者たちの青春、競艇という競技の奥深さ、勝負の世界で戦う選手たちの厳しさや難しさなど、魅力がたっぷりと詰まっており、30巻だれることなく読み切ってしまうはず。
14.『よつばと』/連載中
夏休みの前日、とある町に強烈に元気な女の子「よつば」と、「とーちゃん」親子が引っ越してきた。遠い海の向こうの島から来た不思議な女の子。 「よつば」(6歳)に振り回される周りの人達の日常を描いたハートフル? コメディー。
5歳の女の子よつばと周りの人々の日常を描いた作品であり、10年以上に渡って癒しを提供し続けてくれる史上最強の日常漫画。
登場人物は皆優しく味があって良いが、中でもお隣の綾瀬家三姉妹の存在が抜群に良い。大学生の長女、高校生の次女、そして小学生の三女と年の差がよつばへの接し方の差となって現れていて、まるでよつばに三人のお姉ちゃんがいるように思える。
笑えるしほっこりもできる、心に優しい作品。
15.『ダーウィン事変』/連載中
「テロ」「炎上」「差別」……ヒトが抱える問題に、「ヒト以外」のチャーリーが、ルーシーとともに向き合うヒューマン&ノン・ヒューマンドラマ。
月刊アフタヌーンで連載中、2022年マンガ大賞を受賞したホットな作品。
科学研究所で妊娠したチンパンジーから生まれたヒトとチンパンジーのハーフ、チャーリーと名付けられたヒューマンジーと彼を取り巻く周囲の環境を描いたヒューマンドラマ。
周りと違うこと、差別が問題として取り上げられることが多い現代に、この設定で斬り込んでいくか!と驚かされる。
対抗しあうテロ組織や人権派、双方から考えさせられるセリフが飛び交うのも、世間へ議論を促しているように感じる。
テーマをみると重たい印象を覚えるかもしれないが、舞台がアメリカだということも影響しているのか、話の構成や登場人物の振る舞いも海外ドラマを見ているような読みやすさ、とっつきやすさがあるのが特徴。
16.『東独にいた』/連載中
ベルリンの壁で一つの国が真っ二つに裂かれた世界。東ドイツ。社会主義が支配するその国に住むアナベルは、古本屋を営む青年・ユキロウに密かな恋心を抱いていた。そして、国家の陰謀が絡む明かせない秘密を。時代が、思想が、抗争が、二人を別つ壁となる――。東ドイツに生きた人々を描く本格派歴史劇。
1985年、東西冷戦時代の東ドイツを舞台に、東西統一を目指す反政府組織と、国を守る特殊部隊との戦いを描いた作品。
根底には史実がありながらも、大胆にフィクションを織り交ぜたストーリー展開が非常に魅力的。超人的な戦闘アクションシーンはその絵柄も含めて進撃の巨人を想起させる。
また反政府体制のトップと女軍人のロマンスの行方も気になるところ。社会主義国に生きる人々の群像劇としても”読ませる”作品であり、バトル漫画とも歴史漫画とも括れない稀有な漫画と言える。
17.『王様ランキング』/連載中
耳が聞こえない、非力な王子・ボッジ。王族の長男でありながら、周りからは王の器でないと噂されていた。そんな中、ボッジに初めて友達ができる。名前はカゲ。誰よりも一生懸命なボッジと少しひねくれ者だけれど、優しいカゲ。カゲとの出会いで、ボッジの人生は大きく変わり出す――。
全世界の国王たちがランキング形式で強さを競う世界を描いたファンタジー漫画。
まるで絵本のような少ないセリフに、背景描写はいたってシンプル。だがキャラクターとストーリーの魅力が群を抜いている。
ほのぼのとした序盤から、次第に一国の命運を左右する陰謀、王族一家にまつわる秘密に振り回される親子の物語が展開されていく。
ハンディキャップを背負いながらも、誰よりも優しい心を持つ王子。彼の逆襲やいかに。アニメ化もされた、読む人の心を暖かくさせる人気作。
18.『波よ聞いてくれ』/連載中
舞台は北海道サッポロ。主人公の鼓田ミナレは酒場で知り合ったラジオ局員にグチまじりに失恋トークを披露する。すると翌日、録音されていたトークがラジオの生放送で流されてしまった。激高したミナレはラジオ局に突撃するも、ディレクターの口車に乗せられアドリブで自身の恋愛観を叫ぶハメに。この縁でラジオ業界から勧誘されるミナレを中心に、個性あふれる面々の人生が激しく動き出す。まさに、波よ聞いてくれ、なのだ!
『無限の住人』で有名な沙村広明による、ラジオ業界を題材にした作品。
繰り広げる会話のテンポや台詞回しはとてもスピーディーで、随所に散りばめられたギャグも非常にセンスフル。主人公のミナレを筆頭に皆キャラもトガりまくり。文字数は多いけどそれがこの漫画の良さであり、気にせず読み続けられること間違いなし。
ただいかんせん尖り過ぎているので確実に好き嫌いは別れると思う、ラジオリスナーにはたまらない作品。
19.『金色のガッシュ』/完結:33巻
天才中学生・高嶺清麿のもとに、突然現れた謎の子供・ガッシュ。呪文によって不思議な能力を発揮する彼が、清麿と共に、次々と現れる敵と死闘を繰り広げる!
魔界の王を決める戦いがメインテーマだが、魔物だけでなくパートナーの人間との繋がりもしっかり描かれており、どちらもが時々で主人公となり得るのが素晴らしい。
いわゆる王道バトル漫画ではあるが、仲間との友情や前述の魔物と人間の絆などが色濃く描かれており、感涙必至の名場面が数多く存在するのが特徴。個人的ベストシーンはウォンレイの最期。
一方で独特の感性から生み出されるギャグもこの漫画を語る上では重要である。キーとなる敵キャラにウンコティンティンなんて名前を付けられるのは日本広しといえどこの作者くらいなのではないか。
20.『夏目アラタの結婚』/連載中
これは、最も一線を越える「結婚」!!児童相談所に勤務する夏目アラタは、結婚に夢など抱いていない30代・独身。彼はある日、担当児童・卓斗から「父を殺した犯人に代わりに会って欲しい」という依頼を受ける。犯人の名は品川真珠。【品川ピエロ】と呼ばれる有名連続殺人犯だった…!!
「ビッグコミックスペリオール」で連載中。児相の職員が服役中の殺人犯から情報を引き出す代償として結婚することになるという物語。
品川ピエロこと品川真珠がとにかく不気味。面会中に殺人犯と透明なつい立て1枚で対峙しているアラタの立場に感情移入させ、恐怖を植え付ける描写は感動すら覚える出来栄え。
作者乃木坂太郎の代表作は王道医療漫画の『医龍』だが、一番本領を発揮できるジャンルがサスペンスであると思う。『幽麗塔』もおすすめなので是非読んでみてほしい。
21.『SPY×FAMILY』/連載中
名門校潜入のために「家族」を作れと命じられた凄腕スパイの〈黄昏〉。だが、彼が出会った“娘”は心を読む超能力者! “妻”は暗殺者で!? 互いに正体を隠した仮初め家族が、受験と世界の危機に立ち向かう痛快ホームコメディ!!
スパイと殺し屋の夫婦に娘は超能力者。設定からして匂ってくるB級漫画の予想に反し、1話から思い切り引き込まれる。
それぞれの登場人物に個性がありキャラが立っているし、彼らが繰り広げるホームコメディがたまらなく面白い。
それでいてストーリー構成はしっかりしているし、本業であるアクションシーンなども画力高く描いている。今最も総合力の高い漫画の一つと言える。
22.『ひらやすみ』/連載中
生田ヒロト、29歳、フリーター。定職なし、恋人なし、普通ならあるはずの?将来の不安も一切ない、お気楽な自由人です。そんな彼は、人柄のよさだけで、仲良くなった近所のおばあちゃん・和田はなえさんから、タダで一戸建ての平屋を譲り受けることに。そして、山形から上京してきた18歳の従姉妹・なつみちゃんと2人暮らしを始めました。しかし、彼の周りには生きづらい“悩み”を抱えた人々が集まってきて…
週間スピリッツで連載中、元俳優の卵で現フリーターのヒロトの日常を描いた作品。
主人公と彼のいとこである美大生なつみを中心に展開されるモラトリアム、ゆるい日常の中にも登場人物それぞれが抱える悩みや葛藤が描かれている。
悩み続ける人もいれば、前に進むことを決める人もいる。当たり前なはずの日常も1日として同じ日は無いのだという不可逆性がテーマの一つなのだろう。
日常系という括りにはなるが、ユルさとエモさが同居した稀有な漫画である。
23.『鋼の錬金術師』/完結:27巻
兄・エドワード・エルリック、弟・アルフォンス。2人の若き天才錬金術師は、幼いころ、病気で失った母を甦らせるため禁断の人体錬成を試みる。しかしその代償はあまりにも高すぎた…。錬成は失敗、エドワードはみずからの左足と、ただ一人の肉親・アルフォンスを失ってしまう。かけがえのない弟をこの世に呼び戻すため、エドワードは自身の右腕を代価とすることで、弟の魂を錬成し、鎧に定着させることに成功。そして兄弟は、すべてを取り戻すための長い旅に出る…。
禁忌である人体練成により身体の一部を失った兄弟の物語。母親でなく失った身体を取り戻す旅であるということが鍵で、錬金術という魔法も万能ではなく、作中でも繰り返し言われる等価交換という設定がとてもよく効いている。
また兄弟を支える軍人たちが皆渋くて良い。中でもホークアイは最強。
ワクワクするストーリー展開が止まることなく、熱量を維持したまま完結まで持っていける漫画はそうそうない。ハガレン以外の作品も皆良作であり、作者の力量がうかがえる。
24.『宇宙兄弟』/連載中
2025年。兄は、もう一度だけ自分を信じた。筑波経由火星行きの物語がはじまる! 本格兄弟宇宙漫画発進! 幼少時代、星空を眺めながら約束を交わした兄・六太と弟・日々人。2025年、弟は約束どおり宇宙飛行士となり、月面の第1次長期滞在クルーの一員となっていた。一方、会社をクビになり、無職の兄・六太。弟からの1通のメールで、兄は再び宇宙を目指しはじめる!
今より少し先の未来で、兄弟で宇宙飛行士を目指す物語。宇宙事業に携わる人々に悪い奴なんているわけがない!とばかりに出てくる登場人物はことごとくナイスガイ。
また表情や立ち振る舞いなど、セリフを多く語らせずに登場人物の心情を描写するのがとても上手い。
ほっこりするシーンが多めだがコメディ色も強く、中でも時折挟まるアメリカンジョークは個人的に狂おしいほど好み。
25.『君は放課後インソムニア』/連載中
不眠で悩む男子高校生・ガンタは同じ悩みを抱えるイサキと出合い、放課後に学校の今は物置になっている天文台で、つかのまの眠りと、秘密を共有するという不思議な関係が始まる……
週間スピリッツで連載中、インソムニア(不眠症)に悩まされる高校生の男女が、校内での居場所を求めて出会う学園青春漫画。
不眠症がつなぐ2人の恋愛模様は甘酸っぱくて、さらに2人を介して広がる天文部の活動や、協力してくれる友達のコミュニケーションも青春要素が満載。
この作者は色々な形のボーイミーツガールを描くが、それぞれが独特のシチュエーションで良い。『猫のお寺の知恩さん』など別作品もおすすめ。
26.『九龍ジェネリックロマンス』/連載中
此処は東洋の魔窟、九龍城砦。ノスタルジー溢れる人々が暮らし、街並みに過去・現在・未来が交差するディストピア。はたらく30代の男女の非日常で贈る日常と密かな想いと関係性をあざやかに描き出す理想的なラヴロマンスを貴方に――。
週刊ヤングジャンプで連載中、九龍の街を舞台にした大人の恋愛漫画、かと思いきや1巻の最後で度肝を抜かれる。
1巻は作品の導入部にしか過ぎず、そこから思いもよらない展開が待ち受けている。
作中に点在する伏線やタイトルに込められた意味などの展開でもそうだが、ノスタルジックな町並みや主人公の色気など魅せる描写が多いのが特徴。
27.『ベルセルク』/未完
巨大な剣を背負い、鉄の義手をつけた剣士・ガッツ。彼の行くところ、血の雨が降り、死体の山が築かれる…! 大ヒット!! 圧倒的迫力の叙事詩!!
黒い大剣を背負う戦士ガッツの復讐を描いたダークファンタジー。
グロテスクかつバイオレンスな描写は圧倒的で、作品を通して一貫したエログロはトラウマになるレベルではあるが、ガッツの復讐に至る過程を前後する時系列で描いたストーリー展開も含め、このジャンルでは唯一無二の傑作漫画である。
著者の三浦健太郎氏は2021年5月、急性大動脈解離のため急逝。永遠に未完の作品となってしまった。
28.『イムリ』/完結:26巻
文化庁メディア芸術祭 マンガ部門優秀賞受賞! ダ・ヴィンチ「絶対はずさない!プラチナ本」選出! 「謎が謎を呼ぶ構成と緊迫感に満ちた展開」(朝日新聞) 「期待は高まるばかり」(読売新聞)など、各メディアで絶賛の嵐を呼ぶ、現代漫画の最高峰! 『ぶっせん』『ペット』など、圧倒的個性で漫画ファンの熱い注目を浴び続ける鬼才・三宅乱丈が、その才能のすべてを解放して挑む、壮大で精緻なSFファンタジー・ロマン!
2つの惑星を舞台に、超能力を用いる異なる種族の争いを描いた作品。序盤の専門用語の多さには閉口してしまうかもしれないけれど、とにかくストーリーが緻密に練られており、用語たちの意味が分かってくる頃には虜になること間違いなし。
近年では珍しい、本格派とでもいうべきSF大作なので、絵が合わない/用語が難しいといった理由で読むのを辞めるのはあまりにもったいない。とりあえず3巻まで読んでみよう。
29.『ゴールデンカムイ』/完結:31巻
明治時代末期、日露戦争終結直後の北海道周辺を舞台とした、莫大な埋蔵金をめぐる生存競争サバイバル。
明治時代の北海道を舞台に、日露戦争の生き残りである元軍人が、隠された金塊を求めて旅をする物語。
金塊を探すサバイバル漫画かと思いきや、当時の時代背景やアイヌの風習・食文化が要素として散りばめられた、歴史漫画やグルメ漫画といった側面も併せ持つ。
主人公を含めて登場人物のサイコっぷりにも注目で、戦闘シーンやシリアスシーンの合間に挟まる狂人的な発言や、白石いじりなどのコミカルな部分まで中身が濃く、完成度の高い作品。
30.『昭和天皇物語』/連載中
今世紀最大の話題作、ついに単行本化!!大元帥陛下して軍事を、大天皇陛下として政治を一身に背負い昭和という時代を生き抜いた巨人。波瀾万丈という言葉では表せないほどの濃密な生涯に半藤一利氏協力のもと、漫画界の巨人・能條純一氏が挑む
半藤一利の『昭和史』を原作とし、昭和天皇を主人公として、史実に基づき明治〜昭和の日本を描いた物語。
日本はどのようにして戦争の道を歩むことになるのか、昭和天皇とは実際どのような人物なのか。
もちろん創作は含まれているが、戦争を知らない我々の世代は、知るために読むべき漫画なのだろうと思う。
31.『僕の心のヤバイやつ』/連載中
学園カースト頂点の美少女・山田杏奈の殺害を妄想してはほくそ笑む、重度の中二病の陰キャ・市川京太郎。だが山田を観察する内に、京太郎が思う「底辺を見下す陽キャ」とは全然違うことに徐々に気づいていき…!? 陰キャ男子・京太郎の初めて恋、始まる。陽キャ美少女×陰キャ少年のニヤニヤ系青春格差ラブコメディ!!
クラスメイトの美少女と根暗の主人公のラブコメディ。似たような設定の漫画はあるが、思春期特有の気持ちの揺れが丁寧に描かれている。
一つは主人公がヒロインの事を好きだと気づく過程。何気ない出来事やクラスメイトとのやりとりを経て気持ちに変化が生じていくが、その心情がとても共感できる。
また二人の距離が少しずつ縮まってくる過程。こちらも普段の学生生活やイベントを通じて、少しずつではあるが確実に二人の想いが交差していく。
32.『終の退魔師 ―エンダーガイスター』/連載中
日本のとある都市で起きた超常現象事件を調査しに、ドイツから派遣されたS級退魔師アキラ。相棒の美人退魔師チカゲと共に異世界よりやってきたクリーチャー共を撃ち!殴り!ぶったおしまくる!!ハリウッド級超爽快アクション漫画がここより開幕!!
Cygame社が運営するウェブコミック配信サイト「サイコミ」で配信されている能力系バトル漫画。
謎めいたストーリー展開や魅力ある脇役たちと、バトル以外でも見どころは満載。画力も高く、エロかわいいキャラが映える。
また各話のタイトル、作中のセリフや仕草に名作映画のオマージュがふんだんに取り入れられているのも特徴。映画好きにはこれだけでたまらないだろう。
前作に『VS EVIL』があるが、読んでも読まなくても楽しめる。
33.『ちはやふる』/連載中
まだ“情熱”って言葉さえ知らない、小学校6年生の千早。そんな彼女が出会ったのは、福井からやってきた転校生・新。大人しくて無口な新だったが、彼には意外な特技があった。それは、小倉百人一首競技かるた。千早は、誰よりも速く誰よりも夢中に札を払う新の姿に衝撃を受ける。しかし、そんな新を釘付けにしたのは千早のずば抜けた「才能」だった……。まぶしいほどに一途な思いが交差する青春ストーリー、いよいよ開幕!!
かるたにはまった女子高生がかるた部の仲間たちと織りなす青春物語。かるたを題材にした少女漫画だが、頭脳だけでなく体力も必要とされるスポーツ競技であり、少年スポーツ漫画と思って読んだ方が良い。
主人公以外のキャラも個性豊かで、才能の有無に関わらずかるたに向き合う個々の気持ちにしっかりスポットを当てているところに好感が持てる。太一や肉まんくんといったサブキャラにもドラマがある。
34.『昴とスーさん』/完結:6巻
小さなアパートで、人目を避けるように二人暮らしをする澪(みお)と昴(すばる)。歳の離れた姉弟のようにみえる二人だが、昴にはある秘密があった――。前作『紅い実はじけた』で、“ときめきの瞬間”を描いた高橋那津子。新たに描くのは、“変わらぬ愛”の物語。
『昴とスーさん』、タイトルに隠された秘密が明らかになるやいなや、物語の冒頭から引き込まれていく。
悲しき運命を背負う昴だが、隣には常に恋人の澪がいる。彼女の昴を想う気持ちはその表情にしっかりと込められている。ミステリアスだけれどもどこか切なく、ファンタジーと恋愛のバランスが絶妙である。
ハルタ連載作品ならではとも言える、画力の高さも特徴。さりげない表情で感情を表現出来る人物描写はもちろん、背景描写も素晴らしく、物語に彩りを添える。
ファンタジー漫画としての結末には賛否あるかもしれない。しかし昴と澪、そして2人を支える人たちの想いが溢れている。人が人を想う気持ちの尊さを感じられる作品となっている。
35.『鬼滅の刃』/完結:23巻
時は大正時代。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変する。唯一生き残ったものの、鬼に変貌した妹・禰豆子を元に戻すため、また家族を殺した鬼を討つため、炭治郎と禰豆子は旅立つ!! 血風剣戟冒険譚、開幕!!
人食い鬼が蔓延する架空の大正時代を舞台に、鬼を退治する主人公と鬼殺隊の仲間たちの戦いを描いた物語。
2019年に放送されたテレビアニメが大ヒットを記録し、原作の売上に飛び火するという珍しい売れ方をした漫画。アニメの主題歌やその後の映画も大ヒット続き、年間漫画売上ランキングでは10年以上首位をキープしていたワンピースを引き摺り下ろすという快挙も成し遂げた2010年代のモンスター漫画。
ジャンプの王道バトル漫画の中では、作品全体から醸し出される暗さ、絶望感が特徴。主人公の家族を思う気持ちには胸打たれる。
36.『サマータイムレンダ』/完結:13巻
幼馴染の潮が死んだ──。その報せを聞き、故郷の和歌山市・日都ヶ島に帰ってきた慎平。家族との再会。滞りなく行われる葬儀。だが島にはある異変が…? ひと夏の離島サスペンス!!
ジャンプ+で連載されていた、とある離島を舞台に繰り広げられるSFサスペンス。
SFやサスペンスはストーリーがメインで画力が置き去りにされるパターンが多いが、この作者は画力もトップクラス。
ストーリー自体もタイムリープを扱った作品という意味ではよくあるけれど、縛りを効かせたり+αの要素を付け加えたりと、非常に良く練られているためだらけることがない。
SF漫画として非常に完成度の高い作品であり、なぜジャンプ本誌連載ではないのかと首を傾げたくなる。
37.『かぐや様は告らせたい』/完結:28巻
家柄も人柄も良し!! 将来を期待された秀才が集う秀知院学園!! その生徒会で出会った、副会長・四宮かぐやと会長・白銀御行は互いに惹かれているはずだが…何もないまま半年が経過!! プライドが高く素直になれない2人は、面倒臭いことに、“如何に相手に告白させるか”ばかりを考えるようになってしまった!? 恋愛は成就するまでが楽しい!! 新感覚“頭脳戦”ラブコメ、開戦!!
ヤングジャンプで連載中の超人気ギャグ漫画。秀才の主人公とヒロインが繰り広げる無駄な心理戦がたまらなくくだらなくて面白い。
メインの2人だけでなく、書記や会計などその他生徒会メンバーもキャラ立ちまくり。
ラブ:コメ=1:9くらいだけど、たまにあるシリアス展開も良い。
38.『紛争でしたら八田まで』/連載中
イギリスに本社がある企業に地政学リスクコンサルタントとして勤める八田百合。彼女の仕事は、地政学に基づいた知性と、ちょっとの荒技で世界中の事件を解決すること。そんな彼女に依頼を出してきたのは、ミャンマーにある日本の企業だった…。
イギリスを拠点にしフリーで活動する地政リスクコンサルタントの女性の活躍を描いたお仕事漫画。
そもそも地政学とは何なのか?から始まり、世界中で未だ点在する紛争の火種に焦点を当てていく。民族や宗教、政治の問題に幅広く通じており、素晴らしい学びを得られる稀有な作品である。
一方でお堅い作品というわけでもなく、地域のグルメにも触れながら主人公の八田が小気味良く問題を解決していく。ストーリーのテンポもよく、まさに現代版MASTERキートンとはうまく言ったものである。
39.『甘々と稲妻』/完結:12巻
妻を亡くし、ひとりで娘の子育てに奮戦する数学教師・犬塚。料理が苦手で小食で味オンチな彼は、ひょんなことから教え子・飯田小鳥と、一緒にごはんを作って娘と3人で食べることに!! 月刊「good!アフタヌーン」誌上で連載開始当初から話題沸騰! 愛娘&女子高生と囲む、両手に花の食卓ドラマ、開幕です!!
手作りご飯を通して娘の成長を見守るというテーマを、妻に先立たれた夫の視点で語る子育てグルメ漫画。
手料理を自分の教え子(小鳥)とともに作るのだが、小鳥との関係性・距離感がとても爽やか。単なる教師と生徒ではない、けれど男女の仲に発展するわけではない、絶妙の距離感を保ちながら、娘の成長を感じていく。
最後は涙なしには読めない、心温まる作品。
40.『アオアシ』/連載中
愛媛に暮らす中学三年生・青井葦人(あおいアシト)。粗削りながら、強烈なサッカーの才能を秘めているアシトだったが、まっすぐすぎる性格が災いして、大きな挫折を経験することに―――
そんなアシトの前に、東京にある強豪Jクラブ「東京シティ・エスペリオン」のユースチーム監督・福田達也(ふくだたつや)が現れる。
田舎のサッカー部にいた主人公が、偶然の出会いから才能を見出され、東京の強豪ユースチームに引き抜かれる。
中高の部活でなく、クラブのユースチームが舞台となる珍しいサッカー漫画。トップ(プロ)に上がれるかどうかの内部競争、Jリーグの下部組織における日本サッカーの育成方針なども垣間見え、これまでのサッカー漫画とは一線を画していることは間違いない。
41.『怪獣8号』/連載中
怪獣発生率が世界屈指の日本。この国は、容赦なく怪獣が日常を侵していた。かつて防衛隊員を目指していたが、今は怪獣専門清掃業で働く日比野カフカ。ある日カフカは、謎の生物によって、身体が怪獣化、怪獣討伐を担う日本防衛隊からコードネーム「怪獣8号」と呼ばれる存在になる。
怪獣が災害として発生する日本で、人々を救うため怪獣討伐を目指す主人公自身が怪獣となってしまう。
“ジャンプ+“で連載中の、努力や友情、ギャグも含めて少年誌の人気作品要素が詰まった王道漫画。
怪獣を倒すという意味では進撃の巨人やワールドトリガーにも似たテンションの高い戦闘シーンを描きながら、怪獣の発生・徘徊シーンはウルトラマンなどの昭和特撮映画を想起させる。
ストーリーもテンポよく進んでおり、1巻の出来は完璧と言って良い。
42.『スキップとローファー』/連載中
岩倉美津未、今日から東京の高校生! 入学を機に地方から上京した彼女は、勉強こそできるものの、過疎地育ちゆえに同世代コミュ経験がとぼしい。そのうえちょっと天然で、慣れない都会の高校はなかなかムズカシイ! だけど、そんな「みつみちゃん」のまっすぐでまっしろな存在感が、本人も気づかないうちにクラスメイトたちをハッピーにしていくのです!
月刊アフタヌーンで連載中。地方から上京してきた田舎の女子高生が東京で高校生活をスタートさせる上京物語。
東京の生活に影響を受けながらも芯はぶれない主人公のまっすぐな性格が、周囲の人間を徐々に変えていく。
嫌われるようなキャラが一人もおらず、誰も傷つかない優しい作風が今の時代にぴったりあっている。穏やかな日曜日の午後的な漫画。
43.『BLUE GIANT』/連載中
ジャズに心打たれた高校3年生の宮本 大は、川原でサックスを独り吹き続けている。雨の日も猛暑の日も毎日毎晩、何年も。「世界一のジャズプレーヤーになる…!!」努力、才能、信念、環境、運…何が必要なのか。無謀とも言える目標に、真摯に正面から向かい合う物語は仙台、広瀬川から始まる。
仙台に住む高校生が、世界一のジャズプレイヤーを目指すサクセスストーリー。雨の日も風の日も、1日も休まず河原でサックスを吹き続ける主人公が、周りの人々の心を動かしていく。
10巻のラストはご都合主義だと好き嫌いが別れるかもしれない、ただそれが続編への布石になると思えばこそ。
ヨーロッパ編を描いた『BLUE GIANT SUPREME』も完結し、現在はアメリカ編『BLUE GIANT EXPLORER』がビッグコミックにて連載中。
44.『かくかくしかじか』/完結:5巻
自分は絵がうまい。本気でうぬぼれていた林明子(高3)は竹刀を持った絵画教師・日高先生に罵られ…!? 少女まんが家を夢みたあの頃を描くドラマチック・メモリーズ!
絵がうまいと自惚れていた女子高生が、絵画教室に通い美大を目指す、著者の自伝的作品。
著者が漫画家になるまでを赤裸々に描きつつ、人との出会いの大切さを解く笑いあり涙ありの作品。
この作者は自分を等身大に”魅せる”のがうまい。また恩師である日高先生が本当に良いキャラをしている。
45.『H2』/完結:34巻
ライバルであり、親友でもある国見比呂と橘英雄。甲子園をめざす2人の“ヒーロー”に、ひかりと春華の想いが交錯する…。正統派スポーツ&ラブストーリー。
数あるあだち充作品の中でも青春要素、野球要素ともにトップと言える。あだち充作品のNo.1の座を常に『タッチ』と争い続けている作品。
H2の良さは色々あるけど、あえて『タッチ』と比較するのであれば、甲子園に入ってからが本番であること。ヒデオとの決戦を見据えながらも次々登場する全国の猛者と戦っていく過程は胸が踊る。
もちろん脇役も良キャラ揃い。木根が涙するシーンは全て名シーンである気がする。
46.『葬送のフリーレン』/連載中
魔王を倒した勇者一行の“その後”。
魔法使いフリーレンはエルフであり、他の3人と違う部分があります。彼女が”後”の世界で生きること、感じることとは--残った者たちが紡ぐ、葬送と祈りとは--
物語は“冒険の終わり”から始まる。英雄たちの“生き様”を物語る、後日譚(アフター)ファンタジー!
週刊少年サンデーで連載中。RPGゲームのような世界観で、魔王を倒したパーティーのその後を描いた、設定も時間軸も全てがこれまでにない漫画。
先に逝くもの、残されるもの。主人公のエルフの視点からそれぞれの人生を描いており、緩やかでありながら少し切ない物語。
「このマンガがすごい!2021」オトコ編の2位、そしてマンガ大賞2021受賞と、今まさに注目を集めている。
47.『東京卍リベンジャーズ』/完結:31巻
ダメフリーター花垣武道は、ある日ニュースを見ていると、最凶最悪の悪党連合”東京卍會”に、中学時代に付き合っていた人生唯一の恋人が殺されたことを知る。壁の薄いボロアパートに住み、レンタルショップでバイトしながら6歳年下の店長にこき使われる日々。人生のピークは確実に彼女がいた中学時代だけだった……。そんなどん底人生まっただ中のある日、突如12年前へタイムリープ!!恋人を救うため、逃げ続けた自分を変えるため、人生のリベンジを開始する!!
中学時代に付き合っていた元カノの訃報をきっかけに、突如過去へタイムリープした主人公が彼女を救うため未来を変えようと奮闘する物語。
内容はよくあるSF、タイムリープものと思わせておきながら、ヤンキーや暴走族という設定に意外性があり新しさを感じる作品。
ダメダメだった主人公が守るべきもののため、徐々にたくましくなっていく過程に少年漫画の良さを感じながら、先の読めない展開にドキドキが止まらない。
週刊少年マガジンで連載中、2021年7月には実写映画が公開。
48.『やがて君になる』/完結:8巻
好きを知らない少女が出会う、一筋縄ではいかない――女の子同士の恋愛
恋する気持ちがわからず悩みを抱える侑は、先輩・燈子が告白を受ける場面に出会う。誰からの告白にも心を動かされないという燈子に共感を覚える侑だが、やがて燈子から思わぬ言葉を告げられる。「君のことが好き」
女子高生の同性愛を描いた漫画。人を好きになったことのない主人公の心の動きを論理的かつ丁寧に描いていて、彼女たちの真摯に向き合おうとする気持ちが端々から感じられる。画力も高いためあっという間に引き込まれる。
百合漫画は特に男性は敬遠してしまう人が多いかもしれないが、女の子の恋する気持ちを知る上ではむしろ男性にこそお勧めしたくなる百合漫画といえる。
49.『BE BLUES!〜青になれ〜』/完結:49巻
日本人に生まれたら、サッカーをやっているなら…日本代表のユニフォームを手に入れたい!誰だってそうだろ!一条龍は、本気で日本代表になることを夢みているサッカー少年だ。幼なじみの双子・優人と優希といっしょに、まずは全国少年サッカー大会で優勝を目指す!!1対1の躍動感!ゴール前の緊迫感!絶妙の連携プレーを成功させたときの高揚感!サッカーの醍醐味がここにある。本格サッカー大河ロマン堂々開幕!!
幼少期から恵まれた才能を持っていた主人公が怪我により味わう突然の挫折と復活がテーマとなっているサッカー漫画。
周りが絶望的になってもなお自分の夢に向かって歩みを止めない主人公のひたむきな姿には胸を打たれる。また小学校〜高校とひたすらに主人公を支える双子の青梅兄妹との友情もこの作品を語る上では外せない。
サッカー描写に関しては、個人技とチームとしての崩しどちらにも言えるが、ゴールシーンの熱量が素晴らしい。素人ながらサッカーの魅力を伝えるのが上手いなと感じる。
50.『のだめカンタービレ』/完結:25巻
カプリチオーソ(気ままに気まぐれに) カンタービレ(歌うように)不思議少女・野田恵(のだめ)の奇行を見よ!クラシック音楽コメディ!!
上野樹里、玉木宏主演のドラマ版があまりにも有名だが、原作も負けてはいない。
テンポの良い展開に迫力ある演奏シーン、小気味良いギャグなど漫画としての出来は半端なく良い。
ドラマ版と合わせてとっつきにくいと思われがちなクラシックの敷居を良い意味で下げることに成功している作品。
51.『アルスラーン戦記』/連載中
強国「パルス」の王子・アルスラーンは、いまだ何者でもなく、ただ好奇心にあふれていた。「頼りない」「気弱」「器量不足」と言われたアルスラーンが14歳になった時、遠国の異教徒がパルスへ侵攻。アルスラーンは初陣の時を迎える。パルス軍の強さは古今無双。この戦もパルスの圧勝に終わると誰もが信じていた……。奈落へと落ちたアルスラーンの運命! 激動の英雄譚、開幕!!
銀河英雄伝説でも有名な田中芳樹による原作小説を、ハガレンなどで有名な漫画家荒川弘が漫画化。
1巻では未熟な王の子であったアルスラーンが、徐々に王として成長していく姿が好ましく、その王子の人柄に触れ集まる有能な臣下たちはキャラも立っていて魅力たっぷり。
戦闘シーンや軍師による知略など見所は多く、強力タッグにふさわしい高クオリティとなっている。
52.『寄生獣』/完結:10巻
シンイチ…『悪魔』というのを本で調べたが…いちばんそれに近い生物はやはり人間だと思うぞ…他の動物の頭に寄生して神経を支配する寄生生物。高校生・新一と、彼の右手に誤って寄生したミギーは互いの命を守るため、人間を食べる他の寄生生物との戦いを始めた。
人間の体に寄生する謎の生物に犯された人間たちの世界を描いたSF作品。
人の体に取り込み形を変える生物のため、グロテスクな描写はかなり多い。しかしそれが気にならないくらいストーリー展開が素晴らしく、サクサクと読み進めることができる。
数十年前の作品とは思えない程とても完成度が高い作品。
53.『二月の勝者-絶対合格の教室-』/連載中
2020年の大学受験改革を目前に、激変する中学受験界に現れたのは生徒を第一志望校に絶対合格させる最強最悪の塾講師・黒木蔵人!受験の神様か、拝金の悪魔か? 早期受験が一般化する昨今、もっとも熱い中学受験の隠された裏側、合格への戦略を圧倒的なリアリティーでえぐりだす衝撃の問題作!
世にも珍しい「中学受験」を題材にした漫画。主人公は塾講師ではあるが、塾講師・親・そして子供と様々な視点から中学受験を斬っていく。
高校受験・大学受験と違って、中学受験は親の意向が色濃く反映される。金銭面ももちろんだが夫婦それぞれの教育観、そして精神面と様々な要素が子供の中学受験、ひいては未来に関わっているのだと知る。
中学受験を経験した身としては刺さりまくる漫画であるが、そうでなくともこれから子を持つ世代の方々は必読の作品。
54.『とんがり帽子のアトリエ』/連載中
小さな村の少女・ココは、昔から魔法使いにあこがれを抱いていた。だが、生まれた時から魔法を使えない人は魔法使いになれないし、魔法をかける瞬間を見てはならない……。そのため、魔法使いになる夢は諦めていた。だが、ある日、村を訪れた魔法使い・キーフリーが魔法を使うところを見てしまい……。これは少女に訪れた、絶望と希望の物語。
魔法使いに憧れていた少女がひょんなことから魔法の世界に足を踏み入れることになる、ファンタジー漫画。
まるで絵画から抜き出してきたような綺麗な背景。人物描写もうまく、作画だけでも一見の価値あり。
もちろんストーリーも良く練られており、主人公をめぐる事件や、一歩ずつ成長していく過程が丁寧に描かれている。
55.『セトウツミ』/完結:8巻
「この川で暇をつぶすだけのそんな青春があってもええんちゃうか」。 まったりゆったりしゃべるだけ。関西の男子高校生、瀬戸と内海のクールでナナメでシニカルな放課後トーク。
関西弁の男子高校生二人による、まるで漫才のようなテンポの良い掛け合いが魅力のギャグ漫画。
1〜7巻までのギャグのクオリティももちろん高いのだが、この漫画の本質は最終巻で待っている予想もつかないどんでん返し。
全8巻のうち最終巻の重要性が非常に高いのでラストまで一気読みすることを推奨する。
56.『クローズ』/完結:26巻
最強の男・坊屋春道を中心に暴走するはぐれ者。群れることを拒んだアウトサイダーの怒りと友情!!
元祖ヤンキー漫画とでもいうべき、その後のヤンキー漫画に影響を与え続ける作品。真っ直ぐに生きる不良たちの喧嘩や言動は、時にハッとさせられ胸を動かされる。
時代背景もあり現代では中々受け入れられない部分もあるかもしれないが、それでも得られるものはあるはず。続編に当たる『WORST』と合わせて読むべき。
57.『幽☆遊☆白書』/完結:19巻
教師も手をやく不良の浦飯幽助。ある日子供を助けて事故にあい、幽霊になってしまう。予定外の死に閻魔大王は、生き返るための試練として、人の心を映す霊界獣の卵をかえすことを命じるが…!
みんな大好き冨樫先生の作品、漫画としての総合力は『HUNTER×HUNTER』の方が上なのかもしれないけれど、私のように荒削りな部分も含めて『幽☆遊☆白書』推しの人も多いだろう。
主人公の浦飯だけでなく飛叡や蔵馬など魅力あるキャラとの団体戦は何度読み返しても心が踊る。
58.『ONE PIECE』/連載中
時は大海賊時代。いまや伝説の海賊王G・ロジャーの遺した『ひとつなぎの大秘宝』を巡って、幾人もの海賊達が戦っていた。そんな海賊に憧れる少年ルフィは、海賊王目指して大いなる旅に出る!!
説明不要の国民的人気を誇る少年漫画。累計発行部数は4億7000万部を超え、20年以上もジャンプの看板漫画の座に君臨し続けている。
単行本は100巻目前だが、ワンピースとはなんなのか?Dの意思とは?空白の100年とは?と未だ解明されていない謎は多い。果たして完結する日は来るのだろうか。
59.『空挺ドラゴンズ』/連載中
龍を追って、世界の空を往く捕龍船『クィン・ザザ号』。大物を捕まえれば一獲千金、獲りたての肉も食べ放題。でも、失敗したらもちろんお陀仏。空と龍に魅せられた乗組員たちの大冒険の旅&世界グルメ紀行!
捕龍船と呼ばれる飛行艇で龍を追い旅をする乗組員たちの物語。
まるでナウシカやラピュタのような、ジブリを連想させる壮大な世界観と、それに負けないレベルの高い画力が特徴。
作中では捕獲したドラゴンを様々な調理法で食すのだが、それがとても美味しそう。架空ではあるがグルメ漫画でもある。
60.『もういっぽん』/連載中
中学最後の大会で結果を残せず、柔道をやめるつもりだった、園田未知。でも、親友の早苗や、最後の対戦相手だった永遠に誘われて、高校でも続けることになり…? 一緒、だから楽しい。わたしたちの青春柔道ライフ、はじまる!
主人公が第一話から締め落とされたり、決して強くはないけど持ち前の明るさで人を魅了し、部員ゼロの柔道部を盛り上げていく。
一人一人の個性がしっかり生きているし、画力も皆ゆるくて可愛いのは勿論、組み合いや関節稼働などしっかり柔道を描けている。未知vs早苗の試合は涙無しには読めない。
これほど上質な漫画がなぜ毎週少年チャンピオンの巻末近くに連載されているのか、、、打ち切りになって欲しくない漫画No.1。
61.『ハイキュー』/完結:45巻
おれは飛べる!! バレーボールに魅せられ、中学最初で最後の公式戦に臨んだ日向翔陽。だが、「コート上の王様」と異名を取る天才選手・影山に惨敗してしまう。リベンジを誓い烏野高校バレー部の門を叩く日向だが!?
少年ジャンプで2020年まで連載されていた、宮城県の高校が舞台の人気バレーボール漫画。
主人公は低身長のミドルブロッカー、誰も止められない速攻を武器に全国大会を目指すという王道ストーリーで、人気・売上ともに2010年代のジャンプを支えた作品。
主人公コンビだけでなく上級生のサブキャラ一人一人にしっかり焦点を当て、努力と成長を感じられる展開が用意されている。
バレーボールを題材にした漫画では他の追随を許さないベスト漫画。
62.『彼方のアストラ』/完結:5巻
宇宙への往来が当たり前になった近未来。高校生のカナタ、アリエスら9名は“惑星キャンプ”に旅立つ。未体験の宇宙旅行に胸を躍らせながら惑星に降り立った彼らを待ち受ける、予想外の事態とは!? 近未来SFサバイバルストーリー、始動!!
惑星間で遭難した高校生が、事故の現状を突き止めつつ生還を試みるSFサバイバル。
作者自身が言及している通り15少年漂流記をはじめ影響を受けた様々な作品のオマージュが随所に見られる。
またSF×サバイバル以外にもミステリー要素が含まれ、かつ合間にはギャグも散りばめられている非常に密度の濃い作品。
その高密度の伏線や謎を5巻で畳み切るストーリー構成は見事で、2019マンガ大賞受賞作品も納得のクオリティ。
63.『ゴールデンゴールド』/連載中
福の神伝説が残る島・寧島で暮らす中2の少女、早坂琉花。ある日、海辺で見つけた奇妙な置物を持ち帰った彼女は、ある「願い」を込めて、それを山の中の祠に置く。すると、彼女の目の前には、“フクノカミ”によく似た異形が現れた――。幼なじみを繋ぎ止めるため、少女が抱いた小さな願いが、この島を欲望まみれにすることになる。
瀬戸内海に浮かぶ島を舞台に、民宿の娘早坂が奇妙な置き物「福の神」を持ち帰ってしまったことで島のあちこちで奇怪なことがまきおこる。
福の神のなんとも言えない気持ち悪さ、神の煽りを受け人々が覗かせる狂気は得体が知れず、その不気味さに思わず引き込まれてしまう。
閉ざされた環境におけるストーリー設定や、所々仕掛けられた伏線もクオリティが高く、サスペンス漫画として出来の良い作品。
64.『僕だけがいない街』/完結:9巻
毎日を懊悩して暮らす青年漫画家の藤沼。ただ彼には、彼にしか起きない特別な症状を持ち合わせていた。それは…時間が巻き戻るということ! この現象、藤沼にもたらすものは輝く未来? それとも…。
タイムリープ能力を持つ主人公が過去に遡って大事な人を助けようとするSFサスペンス。
現代と過去を行き来しながら少しずつ核心に迫っていく展開にぺージをめくる手が止まらなくなること間違いなし。
伏線回収もうまく、非常に読み応えがある作品。気に入った方は次作の『夢で見たあの子のために』もおすすめ。
65.『海街diary』/完結:9巻
男の部屋で朝を迎えた三姉妹の次女・佳乃(よしの)に父の訃報(ふほう)が届いた。母との離婚で長い間会っていない父の死に、なんの感慨もわかない佳乃は…。鎌倉(かまくら)を舞台に家族の「絆(きずな)」を描いた限りなく切なく、限りなく優しい吉田秋生の新シリーズ!!
鎌倉の一軒家に住む4姉妹の日常を描いた物語。
湘南地方の情景や登場人物たちの感情の機微が細やかに描かれている。
絵が特別うまいわけではないが、セリフだけでなくコマ割りや表情で訴えかけたりといった描写がうまい。幅広い年代にお勧めできる作品。
是枝監督の元、綾瀬はるかさんや長澤まさみさんなど豪華キャストによる映画版もおすすめ。
現在はスピンオフ『詩歌川百景』が連載中。
66.『MONSTER』/完結:18巻
ヨーロッパを舞台に繰り広げられる、衝撃のサイコ・サスペンス!!デュッセルドルフ・アイスラー病院の日本人医師・天馬賢三は、人道的見地から少年ヨハンの命を救う。それがすべての始まりだった…。ヨハンの真の姿は? 天馬の運命は? ヨハンをめぐる天馬の旅は続く。
1990年代のドイツ・チェコを舞台に、日本人の天才外科医天馬と患者ヨハンの因縁を描いたサスペンス漫画。
張り巡らされた伏線に、各話/各巻があとを引く終わり方で、ハラハラしながらもページをめくる手が止まらない。
東西冷戦や猟奇殺人、虐待や医局問題など色々な社会問題をちりばめつつ、ラストの出来は浦沢作品随一。
67.『僕らはみんな河合荘』/完結:11巻
親の転勤により、一人暮らしをすることになった宇佐くん。だが彼の新しい住居は奇人変態ばかり。だが、憧れの律先輩もそこにいて…!?
親元を離れ下宿「河合荘」で一人暮らしをすることになった主人公と、そこで出会った憧れの先輩河合律との青春ラブコメ漫画。
序盤は他の下宿人とのコメディ感が強く、「めぞん一刻」を思い出させる。
中盤からヒロイン律ちゃんとの距離が縮まるにつれ、徐々に恋愛要素も増え面白くなってくる。
何より律ちゃんがラブコメ漫画のヒロインの中で1番と言って良いほどツンデレで可愛い。
下宿先の同居人たちも個性豊かで気楽に読める作品。ラストもしっかりまとまっていて読後感も良い作品。
68.『メダリスト』/連載中
人生ふたつぶん懸けて、叶えたい夢がある!夢破れた青年・司と、見放された少女・いのり。でも二人には、誰より強いリンクへの執念があった。氷の上で出会った二人がタッグを組んで、フィギュアスケートで世界を目指す!
月刊アフタヌーンで連載開始以降、話題沸騰中のフィギュアスケートを題材にした漫画。
夢破れたスケーターがコーチとなり、恵まれない環境にいる少女とともに世界を目指す。
絵が特別上手いというわけではないけど、フィギュアスケートに込められた情熱がビシビシと伝わってくるし、かと思えばコミカルなシーンとのメリハリもしっかり効いている。今後の展開が楽しみな漫画No.1。
69.『ヴィンランド・サガ』/連載中
千年期の終わり頃、あらゆる地に現れ暴虐の限りを尽くした最強の民族、ヴァイキング。そのなかにあってなお、最強と謳われた伝説の戦士が息子をひとり授かった。トルフィンと名づけられた彼は、幼くして戦場を生き場所とし、血煙の彼方に幻の大陸“ヴィンランド”を目指す!! 『プラネテス』の幸村誠が描く最強民族(ヴァイキング)叙事詩、堂々登場!
11世紀初頭の北ヨーロッパ周辺を席巻していた最強民族ヴァイキングの生き様を描いた歴史漫画。
タイトルにも使われているヴィンランド、主人公の名前トルフィンは共に実在の土地名・人物名から取ってきている。
ヴァイキングの生き様=単なる海賊たちの冒険劇では無く、復讐という主人公トルフィンの人生におけるテーマを主軸にした活劇かと思いきや、予想もつかない展開の連続で期待を裏切ってくる。
作画もとても綺麗で、復讐に生きる主人公の、感情の変化に注目。
70.『ハイスコアガール』/完結:10巻
『ポリゴン』って何? 食えんの?そんな2D全盛期だった古き良き格ゲーブーム到来の1991年。ヤンキーとオタクとリーマンが蔓延る場末のゲーセンに、彼女は凜と座していた──。
90年代に流行ったアーケードゲーム「ストリートファイターⅡ」を、主人公ハルオとヒロイン晶の因縁として位置付けて描いたラブコメ漫画。
境遇も性格も違う二人が、ゲームを通じて徐々に距離を縮めていく感じはとても微笑ましく、ゲーマーにはたまらない作品。
※著作権侵害問題の和解に伴い、1〜5巻までは加筆修正版である『ハイスコアガール CONTINUE』というタイトル表記になっているので注意が必要。
71.『娘の友達』/連載中
家庭では父親として、会社では係長として、“理想的な自分”を演じるように生きてきた主人公・晃介。だが、娘の友達である少女・古都との出会いにより、人生は180度変化する。 彼女の前では、本物の自分でいられた。すり減った心が、癒されていった。それが、“決して抱いてはいけない感情”だと知りながら――。 社会の中で自己を抑圧する現代人へ贈る、“ミドルエイジ・ミーツ・ガール”ストーリーが幕を開ける。
高校生の娘を持つ中年サラリーマンが、娘の同級生のJKとひょんなことから惹かれあっていくという物語。
ヒロインの女子高生がとにかく悪魔的魅力を持っている。確実に縮まっていく、けれど付かず離れずの距離感が絶妙でページをめくる手がとまらない。
娘や学校、職場にバレてしまうのではないか?というドキドキと、なぜか自分が背徳巻を感じてしまうほど、のめり込ませる描き方が凄い。
72.『昭和元禄落語心中』/完結:10巻
満期で出所の模範囚。だれが呼んだか名は与太郎。 娑婆に放たれ向かった先は、人生うずまく町の寄席。 昭和最後の大名人・八雲がムショで演った「死神」が忘れられず、生きる道は噺家と心に決めておりました。 弟子など取らぬ八雲師匠。惚れて泣きつく与太郎やいかに……!?昭和元禄落語心中・与太郎放浪篇、いざ幕開け!!
ただひたすらに芸を磨く-、落語という古典芸能に人生を捧げた人たちの生き様を描いた作品。
良い意味で古めかしい絵柄が当時の時代背景とマッチしている。高座での落語シーンは迫力満点。
過去から現在、そして未来へ。師匠から弟子へと伝統芸能が語り継がれてきた歴史を感じることの出来る物語。
寄席に行ったことがない人は、本作品を読んで是非一度行ってみよう。
73.『ロスト・ラッド・ロンドン』/完結:3巻
ロンドン市長が地下鉄で何者かに殺害された。偶然同じ電車に乗り合わせた、平凡な大学生のアル。殺人事件の捜査にあたった、ワケあり刑事のエリス。事件がふたりを引き寄せ、そして数奇な運命が廻り始めるーー。
ロンドン市長殺害事件を巡る、新感覚クライム・サスペンス、開幕。
「月刊コミックビーム」で連載されていた、イギリスはロンドンを舞台に、ロンドン市長殺人事件に巻き込まれた大学生が、訳あり刑事と事件の真相に迫るというクライムサスペンス。
表紙からもわかる通り、背景などの書き込み量が少なく特徴のあるタッチとなっている。ただすごく雰囲気があり、かっこよく仕上がっている。
絵だけでなく、犯人がすぐ近くにいるのではないか?という緊張感がたまらない。わずか3巻での完結が惜しいと思わせる作品。
74.『私の少年』/連載中
この感情は、母性?それとも--。スポーツメーカーに勤める30歳、多和田聡子は、夜の公園で12歳の美しい少年、早見真修と出会う。元恋人からの残酷な仕打ち、家族の高圧と無関心。それぞれが抱える孤独に触れた二人は、互いを必要なものと感じていく--。
アラサーOLの主人公が近所でネグレクト気味に放置された子供と出会うところから物語が始まる。
恋か母性か、二人の距離が近づくにつれ揺れ動く主人公の心情がとてもリアルに描かれている。
ともすれば禁断の恋になりがちなこのテーマで、いやらしさもなく不思議と綺麗な気持ちになれるのは、お互いを思いやる気持ちを真っ直ぐに描いているからだろう。
75.『ばらかもん』/完結:18巻
とある島に移住生活をすることになった若きイケメン書道家・半田清舟。都会暮らししかしたことのないそのぼっちゃん先生が、(1)トラクターで公道をドライブ (2)自分のうちが中学生のたまり場になる (3)知人が玄関から入ってくれない…などの困難に立ち向かう、ほのぼのアイランドコメディ!!
長崎は五島列島が舞台、若きイケメン書道家がある理由をきっかけに離島暮らしを始めることになるという物語。
浮世離れした堅物が、地元の子供達やご近所付き合いを経て人間的に成長していく、コメディ色が強めな日常モノ。
こんな子供に触れ合えるなら離島暮らしも悪くない!と思えるくらい子供達は可愛い。
またアニメ版も秀逸な出来。アニメから原作に流れた人も多くいるだろう。
76.『BEASTARS』/完結:22巻
肉食獣と草食獣が共存する世界。そこには、希望も恋も不安もいっぱいあるんだ。チェリートン学園の演劇部員レゴシは、狼なのにとっても繊細。そんな彼が多くの動物たちと青春していく動物群像劇!!
週刊チャンピオン2010年代の看板漫画の一つ、擬人化した動物たちの学園生活を描いた群像劇というユニークな設定の漫画。
良くある爽やかな青春漫画ではなく、肉食獣と草食獣、2つの相容れない存在が同居する極めて不安定なコミュニティにおいて友情や恋を描いた異色の学園モノと言える。
ストーリーや設定もさることながら、何十種類の動物を擬人化して描き分ける画力は圧巻で、2018年マンガ大賞受賞も納得のクオリティ。
なお作者の板垣巴留氏は『刃牙』で有名な板垣恵介の娘。まさにサラブレッドだが、親の七光りと揶揄されることを嫌い、デビュー後しばらくは親子関係を伏せていたというあっぱれな女性である。
77.『ぐらんぶる』/連載中
海沿いの街で一人暮らしを始めた北原伊織は衝撃の大学デビューを果たす。出会ったのは美女とダイビング、そして愛すべき野郎ども! バカを描かせたら天下一品の井上堅二と、裸の若者を描く達人・吉岡公威が繰り出す、酒とノリがあふれる最高のキャンパスライフ!!
大学進学を機に叔父の経営するダイビングショップへ居候することになった主人公が、ダイビングサークルに入り仲間とともに大学生活を謳歌する。と聞くと爽やかな印象を受けるが、序盤はひたすら飲み会→脱ぐ、を繰り返すアクの強いギャグ漫画。
もちろんギャグ漫画としても面白いのだが、申し訳なさ程度に挟まるダイビングサークルとしての活動や、大学生ならではの恋愛や友情要素が刺さり、「くだらないのになぜか読んでしまう」漫画No.1と言えるくらいのめり込んでしまう。
78.『ゆるキャン△』/連載中
富士山が見える湖畔でキャンプをする女の子、リン。自転車に乗り富士山を見にきた女の子、なでしこ。二人でカップラーメンを食べて見た景色は…。読めばキャンプに行きたくなる。行かなくても行った気分になる。そんな新感覚キャンプマンガの登場です!
山梨県の本栖高校に転校してきたなでしこと、ソロキャンを楽しむリン。二人の出会いをきっかけに野外活動サークルのメンバーも巻き込んだ女子たちのキャンプ漫画。
ゆるくかわいい女子たちがキャンプを通してお互いに通じ合う。富士山を中心にした山梨・静岡の情景やキャンプの知識も紹介している漫画で、ソロキャンに憧れる読者も多い。
2021年現在アニメ・実写ドラマともに2期まで制作されている。特にアニメは素晴らしい出来で、日常モノとしては最高峰の評価を受けている。
79.『惑星のさみだれ』/完結:10巻
雨宮夕日はごく普通の平凡大学生だった……ハズが、ある日現れた喋るトカゲに「地球の危機」を救う協力を依頼される。拒否するまもなく、既に指輪と能力が与えられ、早くも敵に襲われてしまった夕日を救ったのはなんとお隣さんの少女・さみだれ。救世主の降臨と思いきや、実は地球征服を企む魔王だった……。平凡な日常と奇妙な世界が交錯する新感覚ご近所ストーリー!!
ヤングキングアワーズという青年雑誌で2005年から連載されていた作品で、世界と姫を救うためにある日急に騎士として戦うことを余儀なくされる主人公の成長を描いたファンタジーバトル漫画。
序盤足を引っ張るばかりの主人公が、戦いを重ね次第に騎士として成長していく過程は王道そのもの。
努力や友情など少年漫画の要素をふんだんに取り入れつつ、しっかり伏線を貼り・回収まで10巻に収めている優良漫画。
80.『はたらく細胞』/完結:5巻
人間1人あたりの細胞の数、およそ60兆個! そこには細胞の数だけ仕事(ドラマ)がある! ウイルスや細菌が体内に侵入した時、アレルギー反応が起こった時、ケガをした時などなど、白血球と赤血球を中心とした体内細胞の人知れぬ活躍を描いた「細胞擬人化漫画」の話題作、ついに登場!!
人体に存在する様々な細胞を擬人化し描くという全く新しいコンセプトの漫画、とにかく発想力が素晴らしい。
キャラクターも可愛く/かっこよく描けており画力も高い。
ストーリーも面白いが、普通に人体の勉強素材としても良い。子供に読ませる漫画としては最適なのではないか。
スピンオフ作品が多数刊行されているので注意が必要。
81.『賭博黙示録カイジ』/完結:13巻
上京後、自堕落な日々を過ごしていた伊藤開司(カイジ)は、ある日金融業者の遠藤により、かつて自分が保証人になっていた借金を押しつけられる。遠藤に誘われるままカイジは負債者に借金一括返済のチャンスを与えるというギャンブル船「エスポワール」に乗り込む。そこで行われるのはカード12枚を使った「限定ジャンケン」。うまく勝てば借金は帳消しだが、負ければ命の保証は無いというものだった……。
スリリングな心理戦や、追い込まれた状態で見せる起死回生のひらめき。唯一無二にして史上最高のギャンブル漫画。
「限定ジャンケン」や「Eカード」をはじめ、既存の枠にとらわれない数々のオリジナルギャンブルが最大の特徴だが、最後は必ず勝つ、の一辺倒な展開では無いのもこの作品の良さ。
章ごとにタイトルを変え続編として現在も連載が続いている。順番を意識して読むべし。
82.『シュート!』/完結:33巻
憧れの「背番号10」久保嘉晴(くぼ・よしはる)とプレイするために、新設の掛川高校に入学した田仲俊彦(たなか・としひこ)=トシ。掛西中では活躍していた田仲だが、入院中の久保にも会えず、雑用ばかりやらされる毎日にうんざりしていた。が、マネージャー遠藤一美(えんどう・かずみ)の策略で、2年生と試合するはめに……。
天才久保嘉晴の意思を継ぎ、全国制覇に向かって邁進する掛川高校サッカー部を描く、30代なら知らない人はいないサッカー漫画。
序盤の展開を全否定するような悲劇から立ち直り、それぞれが一回り成長しチームとして強くなっていく姿が、未だに人気作品として挙げられる所以だと思います。
不器用ながらひたむきな主人公田仲俊彦を軸としてストーリーは進んでいくが、途中主人公を変えながら、第一部から第四部まで展開されている。
83.『今日から俺は!!』/完結:38巻
「この転校をキッカケに俺は…」今までさえなかった三橋は目立ちたい一心で金髪パーマでツッパリデビュー!そんな三橋の前にもう一人の転校生、トンガリ頭にマスクでキメた伊藤が現れて……。金髪とトンガリ頭の最強ツッパリコンビが繰り広げる青春不良コメディ!
1980年代後半から少年サンデーで連載されていた、三橋・伊藤、2人の不良が主人公のヤンキーギャグ漫画。
下ネタもなければ過剰な暴力シーンもない、おまけにヤ○ザも出てこない。割とクリーンなヤンキー漫画と言える。
それでも彼らのまっすぐな生き様は、読んでいてすっきりとした読後感を与えてくれる。
連載開始から30年後にドラマ化されるなど、今だに根強い人気を誇る作品。
84.『ヒストリエ』/連載中
舞台は紀元前。奴隷の身分にありながら、豊かな教養と観察眼、判断力、そしてそれらを駆使して行動を起こす度胸を兼ね備えた、不思議な青年・エウメネスがいた。あの偉大なる哲学者・アリストテレスの逃亡を助けたりしながら、彼が目指していたのは、「故郷」と呼ぶカルディアの街……。のちにアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスの、波乱に満ちた生涯を描いた歴史大作が登場!
月刊アフタヌーンで連載中、紀元前4世紀の古代ギリシャを舞台に、実在した人物であるマケドニア王国のアレクサンドロス大王に仕えた書記官エウメネスの生涯を描いた歴史漫画。
作者は漫画『寄生獣』で有名な漫画家岩明均。
ところどころ残虐なシーンもあるが、エウメネスの波乱万丈な人生を幼少期から辿った丁寧な作り込みや、上手い見せ方に惹き込まれる。
どうやらデビュー前から構想を温めていたらしい。休載も多いが文句無しの面白さ。
85.『終末のワルキューレ』/連載中
全世界の神VS偉人、武人、傑人!!!!地上で横暴を極める人類に対し、神々は人類の滅亡を決定する。その決定を覆すべく選ばれたのは人類史上最強、13人の戦士たち。神々とのタイマン13番勝負に勝ち、人類を存続させることは出来るのか!?第一回戦は北欧神話最強「トール神」VS三国志最強「呂布奉先」!人類存亡を賭けた戦いが、今始まる!!
月刊コミックゼノンで連載中。人類滅亡を決めた神々と、それを覆そうとする戦士乙女(ワルキューレ)が、神々vs人類の選抜タイマンバトルを行うというぶっ飛んだ設定のバトル漫画。
トール神vs呂布、ゼウスvsアダムなど予想も付かない組み合わせと展開にページをめくる手が止まらない。
86.『絢爛たるグランドセーヌ』/連載中
優れた観察眼と実行力を備えた少女・奏(かなで)。絢爛たるバレエの世界に魅了された少女は、踊ることの楽しさに目覚め、やがては、世界のグランドセーヌ<大舞台>へと駆けあがっていく。
チャンピオンREDという月刊少年誌で連載中、クラシックバレエのプロを目指す少女たちの物語。
少女漫画風のキャラデザでありながらチャンピオン系列での連載ということもあり、王道スポーツ漫画風の側面を持つ作品。
同時に習い事から将来へ、バレエを習う少女たちの内面にも踏み込まれていて、更には周囲の支えや両親の金銭面での支援など、クラシックバレエを志す家庭のリアルな実態を描いた一面も見ることが出来る。
監修は舞踊評論家として知られる村山久美子氏で、線が綺麗でしっかりしたバレエシーンは迫力満点。
87.『亜人』/完結:17巻
「亜人」と呼ばれるその生物は「死なない」。高校生・永井圭はある日、交通事故で死ぬが、その直後に生き返った。それは、彼が亜人であり、人間ではないことを意味する。圭をとりまく環境は一変した。彼は人間たちから逃げ惑うことになる。友人のカイは、怯える圭を助けるために駆けつけ、ふたりで人里を離れて山の中に逃げ込んだ。そんな彼に人間と敵対する亜人たちが接触してきた。――彼は何と戦い、誰と生きればいいんだろう?
交通事故をきっかけに自分が不死の「亜人」であることを知った主人公が、人々の迫害を受けながら敵対勢力と戦っていく。
『寄生獣』のように洗練された設定に加えて、+『ARMS』のような迫力あるバトルシーン、特に戦闘は「死なない」という設定をこれでもかと突き詰めており、非常に見応えがある。
グロテスクな描写もあるが、SF、バトル系の漫画好きにはたまらない作品。
88.『弱虫ペダル』/連載中
ママチャリで激坂を登り、秋葉原通い、往復90km!! アニメにゲーム、ガシャポンフィギュアを愛する高校生・小野田坂道、驚異の激コギ!! ワクワクの本格高校自転車ロードレース巨編!!
少年チャンピオンで連載中、高校生たちによる自転車競技を題材にした大人気スポーツ漫画。
エースを勝たせるために山登りや平地を専門とする引き立て役が存在し、自己犠牲や忍耐といった組織での役割を学ぶことが出来る。
それぞれの役割を全うする中にドラマがあり、対戦校も魅力あるライバルばかり。
レース終盤の追い込み・デッドヒートは迫力満点。
89.『めぞん一刻』/完結:15巻
曲者揃いの住人たちから邪魔されても、新管理人・音無響子を一途に慕うけなげな五代。だが彼女との恋を実らせるには、あまりに大きく険しい壁があった。それは響子が結婚半年で夫を亡くした未亡人であることで…。
「らんま1/2」や「犬夜叉」など、数々の名作を世に送り出してきた高橋留美子氏によるラブコメディ。
「一刻館」というアパートの下宿人である主人公五代裕作と、管理人である未亡人音無響子のラブストーリーを中心にストーリーは展開していく。
下宿人たちのコメディ感満載の立ち振る舞いに妨害を受けながらも、主人公がひたすらにヒロインを想う気持ちが素直に描かれている。
また未亡人という複雑な立場でありながら、徐々に主人公に心を開いていくヒロインの心理描写も控えめながらぐっとくる。
90.『ドラフトキング』/連載中
全てのプロ野球選手が通るプロ野球の入り口、ドラフト。その陰には、高校野球、大学野球、社会人野球、独立リーグ…全ての野球選手の中から隠れた才能を見出し、プロへと送り込むスカウトマン達の活躍がある!! 並外れた眼力を持つスカウトマン郷原が見出した選手とは…!? その年のNo.1選手、ドラフトキングの獲得を目指すプロ野球スカウト譚開幕!!
グランドジャンプで連載中、プロ野球のスカウトマンにスポットを当てた珍しい野球漫画。
一般人が知ることのないドラフトの裏側や、スカウトマンがどのように有望選手を発掘し、指名まで至っているかの過程を知ることが出来る、今まで無かった作品。
スカウトとしての目の付け所もさることながら、選手の成長や自己管理、メンタル面のケアまで、スカウトマンの業務範囲?の広さに驚かされる。
野球経験者はもちろん、素人でも十分楽しめる内容となっている。
91.『放課後ていぼう日誌』/連載中
海野高校1年生の鶴木陽渚は生き物が苦手なインドア派。堤防を散歩中、先輩の黒岩と出会ったのをきっかけに謎の「ていぼう部」に入部させられ釣りをはじめることに! 個性的な部員たちに囲まれて、陽渚の高校生活どうなるの!?
海辺の町に引っ越してきた女子高生が、「ていぼう部」に入部し、釣りをはじめとした堤防周辺のアクティビティにはまっていく。
『ゆるキャン』に代表される女子高生×オヤジ趣味がテーマだが、作品全体に漂うゆるさがとても心地良い。
また釣りの入門書並みに解説がちゃんとしている。経験者は勿論釣り素人でも楽しめる内容となっている。
2020年にはアニメ化もされ、癒しを与えてくれる日常ものとしてさらに人気が高まっている。
92.『あかね噺』/連載中
幼い頃、父の魔法の様な落語に魅せられた朱音は、父のある一席を機に自身も噺家としての道を歩み始める。17歳になった朱音が目指すのは落語界の最高位「真打」になること──。一流の技量を習得するため、様々な試練が朱音を待ち受け…!? 新生落語ヒロイン、ここに誕生!!
週刊少年ジャンプで連載中の「落語」を題材にした漫画。この題材では上で紹介した「昭和元禄落語心中」が有名だが、少年漫画にふさわしい内容・展開となっている。
現代の浅草を舞台に女子高生が落語の道を選ぶ理由付け・ストーリーは明快であり、スピーディーな進行で1巻から読者を引き込ませる。
画力は安定しており、高座に座る噺家や観客のリアクション含め伝統芸能へのリスペクトも随所に感じられる。
令和の時代に古き良き芸事を今一度認識してもらうためにうってつけの作品ではないだろうか。
93.『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』/連載中
岸京一郎、職業・病理医。病理医とは、生検や病理解剖などを行って、病気の原因過程を診断する専門の医師のこと。各診療科の医師は、彼の鑑別をもとに、診断を確定させたり治療の効果をはかる。医師たちの羅針盤となり、人知れず患者を救う岸。医師たちは彼について、口をそろえてこう言う。「ヤツは強烈な変人だが、極めて優秀だ」と――。
月刊アフタヌーンで連載中、病気の原因分析・診断を行う病理医を主人公とした医療漫画。
普段患者の立場からは見えづらい医療に焦点を当て、医局内での揉め事や医者としての葛藤、MRら周辺人物との関わりなどを通して現代医療に切り込んでいく。
専門用語も多く出てくるが、命に向き合う医者の姿を真っ直ぐに描いた作品。
94.『あさひなぐ』/完結:34巻
二ツ坂高校一年、東島旭(とうじま・あさひ)、15歳。中学まで美術部だった旭は、「薙刀は高校部活界のアメリカンドリーム!スポーツに縁のなかった人間でも全国にその名を轟かすことができる」といううたい文句に感激し、薙刀部に入部する。“なぎなたガールズ”の強く!楽しく!!美しい!!!物語が始まる--
薙刀(なぎなた)という超マイナーな競技を題材にしたスポーツ漫画。
部活未経験の女の子が高校入学をきっかけに強くなりたい!という思いで薙刀部に入り、周りとともに成長していく過程は共感しやすく、さくさく読める内容。
部活動は体力だけでなく、精神力も育まれるとはよく言ったもので、最初はなよなよだった主人公が、明らかに中盤から顔つきも断然変わってくる。そこからの展開は言うことなし。
95.『とある科学の超電磁砲』/連載中
人口230万人、その約8割を学生が占める 「学園都市」。そこは他地域よりも科学技術が進み、「超能力開発」 がカリキュラムに組み込まれた特殊な地域。その学園都市の中でも7人しかいない 「超能力者(レベル5)」 の1人である御坂美琴。彼女はその能力と性格のため、学園都市で起こる数々の事件に巻き込まれていく――。
大人気ライトノベル「とある魔術の禁書目録」のスピンオフ作品。
超能力者の女子学生たちが学園都市内で起こる事件に立ち向かっていくバトルアクション漫画。
主人公のレールガン御坂美琴はもちろん、サブキャラもみんな可愛いし、能力バトルは迫力もある。
“禁書目録”との相関性も見えてくるので”とある”シリーズファンにはたまらない。
アニメも三期まで放送されていていずれもヒットしているのでおすすめ。
96.『薬屋のひとりごと』/連載中
「小説家になろう」発! ヒーロー文庫の大人気タイトル『薬屋のひとりごと』が、待望のコミカライズ! 中世の宮中で下働きをする少女・猫猫(マオマオ)。花街で薬師をやっていた彼女が、帝の御子たちが皆短命であるという噂を聞いてしまったところから、物語は動き始める。持ち前の好奇心と知識欲に突き動かされ、興味本位でその原因を調べ始める猫猫の運命は――…!?
とある大国の後宮で働く主人公が、自らの薬師としての知識を用いて宮中で起こる事件を解決していく。
ラブコメ要素も含めたサスペンス・ミステリーもので、まるで韓流ドラマを見ているかのよう。原作ライトノベルが人気を博し漫画化されたのだが、
スクエニと小学館、2社同時にコミカライズされている。どちらかといえば情景描写に重きを置いている小学館版がおすすめだが、読み比べてみるのも面白いと思う。
97.『乙嫁語り』/連載中
美貌の娘・アミル(20歳)が嫁いだ相手は、若干12歳の少年・カルルク。遊牧民と定住民、8歳の年の差を越えて、ふたりは結ばれるのか……? 『エマ』で19世紀末の英国を活写した森薫の最新作はシルクロードの生活文化。馬の背に乗り弓を構え、悠久の大地に生きるキャラクターたちの物語!
19世紀後半の中央アジア、カスピ海周辺の地域を舞台にした歴史漫画。
12歳の男に嫁入りした20歳の「乙嫁」を中心に、その時代を生きた人々の生活を描いた作品。
とにかく細部まで丁寧に描かれている。キャラデザや背景は絵が綺麗という言葉で片付けるのはもったいないくらいの完成度。
歴史的な出来事が起こるわけではない、ほのぼのとした日常を切り取った時代漫画。
98.『頭文字D』/完結:48巻
群馬県の県立高校に通う拓海(たくみ)は車についての知識なんてほとんどない普通のとうふ屋の息子。ある日、拓海は親友の樹(イツキ)と共に、バイト先の先輩である池谷(いけたに)の走り屋チーム・秋名スピードスターズの走りを見に行くことに……。するとそこに赤城最速といわれる高橋兄弟が率いるチーム・赤城レッドサンズが現れ、秋名スピードスターズに挑戦を申し込んできた!! 地元で負けるわけにはいかないと燃える池谷だったが……!?
北関東の峠を舞台に、若き走り屋たちの青春を描いたレース漫画の金字塔。
サーキットとは違い公道にしか無いロマンを追い求める若者たちはたまらなくかっこいいし、峠のバトルはいつ読んでも色褪せない。
現実で真似して捕まる奴が定期的に現れるのもこの漫画の魅力を暗に物語っている。
主人公の藤原拓海がサブキャラとして登場する『MFゴースト』が週刊ヤングマガジンにて連載中。
99.『化物語』/連載中
阿良々木暦を目がけて空から降ってきた女の子・戦場ヶ原ひたぎには、およそ体重と呼べるようなものが、全くと言っていいほど、なかった――!?アニメ化・ゲーム化など多数のメディアミックスを果たした西尾維新の代表作『化物語』を、『エア・ギア』の大暮維人が豪華漫画化!!現代青春ノベルの金字塔を世界一の絵で! 「週刊少年マガジン」にしかできない最高最興奮の新しい“物語”!!
原作は西尾維新作の大ヒットライトノベル、作画は『エア・ギア』の大暮維人。最高の原作と最高の画力、奇跡のコラボレーションが少年マガジンで連載中。
新房昭之監督×シャフトのアニメ版にも負けないキャラクターデザインはさすがの一言。
ストーリーも原作に忠実に描かれており、安心して読むことが出来る。
100.『ピューと吹く!ジャガー』/完結:20巻
酒留清彦はミュージシャンを夢見る17歳。ある日、意を決してオーディション会場へやってきた清彦は、そこで謎のフエ吹き男と出会う。彼こそが、この後の清彦をギャグ人生へと誘うジャガーさん、その人であった!!
縦笛を吹く謎の男ジャガーさんと愉快な仲間たちによるギャグ漫画。
意味不明な展開に奇想天外なギャグ、ハズレもあるがツボに入った時の破壊力は凄まじい。
わけがわからないのにありえないくらい笑える、こんなギャグ漫画は他にない。
長らくジャンプ巻末を彩った名作に敬意を込めて、おすすめ漫画100選のラスト1作品に選出。
終わりに
今回の記事を含め、あらゆる角度からおすすめのマンガを紹介しております。
コメント
他の記事で紹介されていた漫画も含めて15作品近く買いましたが全部面白かったです。この方のオススメする漫画にハズレがない。