メディアミックス多数も納得の面白さ!有川浩のおすすめ小説10作品を厳選紹介!

図書館戦争や植物図鑑、阪急電車など、いくつも実写映画・ドラマ化しているヒット作を生み出している作家 有川浩さん。

ここでは有川浩作品のおすすめ10選をランキングで紹介していきます。シリーズものもいくつかありますが、その場合は1作目を紹介し2作目以降は一覧で示しております。

ここで紹介する10作品はそのほとんどが実写映画かドラマとなっており、また大部分が大ヒットしています。是非興味を持った作品があれば原作とともに観てみてはいかがでしょうか。

有川浩のおすすめ小説10作品を紹介

有川浩作品は基本的に電子書籍で読むことが可能ですが、一部サービス(kindle)では許可されていません。ご注意ください。

1.『阪急電車』

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車―人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。
「BOOK」データベースより引用

兵庫県宝塚市の宝塚駅から西宮市の西宮北口駅まで。駅数にして8駅、実在する阪急電鉄の阪急今津線を舞台に、沿線に暮らす人々の生活、出会いや別れを描いた連作短編集です。
偶然乗り合わせた乗客たちがほんの一瞬心を通わせる瞬間、それぞれに感情の機微が感じられる爽やかな群青劇となっています。
実写映画化されているのですが、その映画版がまたなんとも素晴らしい。阪急沿線の静かでどこか上品な情景を阪急電車を中心にたっぷりと見せ、俳優陣も演技派揃いのキャスティング。特に宮本信子さんの演技は最高です。


 

2.『空飛ぶ広報室』

不慮の事故で夢を断たれた元・戦闘機パイロット・空井大祐。異動した先、航空幕僚監部広報室で待ち受けていたのは、ミーハー室長の鷺坂、ベテラン広報官の比嘉をはじめ、ひと癖もふた癖もある先輩たちだった。そして美人TVディレクターと出会い…。ダ・ヴィンチの「ブック・オブ・ザ・イヤー2012」小説部門第1位のドラマティック長篇。
「BOOK」データベースより引用

綾野剛さん、新垣結衣さん主演の連続ドラマからこちらの原作にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
ドラマ版も完成度が高く、普段私は原作を読んでからドラマ・映画を見るようにしているのですが、こちらに関しては逆でも十分楽しめるなと感じました。
元航空自衛隊のパイロットが夢を断たれ広報として再起するというお話ですが、主人公以外の登場人物も過去に挫折を味わっています。
話が進むにつれそれらを掘り下げつつ、主人公とともに再生していく過程が素晴らしいです。
また自衛隊の広報という珍しい、あまり知られていない職種にフォーカスを当てているのも特徴です。本作で自衛隊とは?を学ぶことが出来るので、お仕事ものとしても有用な一冊でしょう。


 

3.『県庁おもてなし課』

とある県庁に生まれた新部署「おもてなし課」。若手職員の掛水史貴は、地方振興企画の手始めに地元出身の人気作家・吉門に観光特使を依頼する。が、吉門からは矢継ぎ早に駄目出しの嵐―どうすれば「お役所仕事」から抜け出して、地元に観光客を呼べるんだ!?悩みながらもふるさとに元気を取り戻すべく奮闘する掛水とおもてなし課の、苦しくも輝かしい日々が始まった。地方と恋をカラフルに描く観光エンタテインメント。
「BOOK」データベースより引用

作者の地元でもある高知県を舞台に、県の観光産業促進のため新設されたおもてなし課で働く職員の奮闘を描いた小説です。
県庁で働く公務員が主役ですが、官と民でこれほど仕事に対する取り組み方が違うのかと驚かされます。
いわゆるお仕事系の物語ですが、登場人物の心理描写にもしっかりとページを割いているのが有川浩作品の特徴です。
主人公とヒロインのやりとりも程よく上品に、けれどしっかり作品に彩りを添えています。
仕事に恋愛に、自らの明日を頑張ろうと思えるような作品です。


 

4.『三匹のおっさん』

還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか、とかつての悪ガキ三人組が自警団を結成。剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、機械いじりの達人の頭脳派・ノリ。ご近所に潜む悪を三匹が斬る!その活躍はやがてキヨの孫・祐希やノリの愛娘・早苗にも影響を与え…。痛快活劇シリーズ始動。
「BOOK」データベースより引用

還暦を迎えた三人のおっさんが私設の自警団を作り、自らの孫や娘を巻き込みながら周囲の人々の様々な厄介ごとを解決するというお話。
三匹のおっさんたちはもちろん、主人公の孫がとても良い味を出していて、三世代に渡る幅広い登場人物をポップなセリフ口調で巧みに操っているなという印象を受けます。軽いタッチで楽しく読める小説です。
文庫版巻末にある、児玉清さんによるラジオ「読みだしたら止まらない」にて紹介された様子を書き起こした文章、またそれに対する感謝を綴った作者あとがきがとても素敵です。

「三匹のおっさん」シリーズ一覧

1.三匹のおっさん(2009)
2.三匹のおっさん ふたたび(2012)


 

5.『アンマーとぼくら』

母の予定に付き合う約束で沖縄に里帰りしたリョウ。実の母は子供の頃に亡くなり、再婚してリョウを連れ沖縄に移り住んだ父ももういない。休暇は三日。家族の思い出の場所をめぐるうち、リョウは不思議な感覚にとらわれる。この三日が、恐らくタイムリミット。三日目が終わったら…終わったら、どうなる?
「BOOK」データベースより引用

沖縄出身のアーティストかりゆし58の代表曲「アンマー」を題材にして作られたという、沖縄を舞台にした小説です。
「アンマー」は沖縄の方言で「お母さん」。原曲もそうですが、小説も涙なしには読めない感動の作品です。
実家の沖縄に里帰りした主人公が義母と過ごす3日間を綴った物語ですが、ファンタジー(SF)要素も含んでおり、ストーリーの詳細は名言を避けます。
ゆったりした時の流れを感じることが出来、沖縄が舞台であるという特徴を最大限活用した作品と言えます。
また沖縄の名所等にも広く言及されているため、沖縄ガイドブックとしての側面もあります。沖縄に行きたくなる一冊です。


 

6.『塩の街』

塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女、秋庭と真奈。世界の片隅で生きる2人の前には、様々な人が現れ、消えていく。だが―「世界とか、救ってみたくない?」。ある日、そそのかすように囁く者が運命を連れてやってくる。『空の中』『海の底』と並ぶ3部作の第1作にして、有川浩のデビュー作!番外編も完全収録。
「BOOK」データベースより引用

電撃小説大賞を受賞した著者デビュー作。文庫版→ハードカバーの順で刊行されるという非常に珍しい出版形態の作品です。
原因不明の塩害により荒廃した世界で、元自衛隊隊員の男と一人の少女が、人々との出会いを通して通じ合っていきます。
設定やあらすじはSFですが、番外編の「塩の街 その後」まで含めて読んだ後に残るのは爽やかな二人の恋愛ストーリー。
なお本作品は三部作の『陸』に当たります。以下一覧を記載しておりますが、『』『』と合わせてご覧ください。

「自衛隊三部作」一覧

1.塩の街(2004)
2.空の中(2004)
3.海の底(2005)
4.クジラの彼(2007)※
※「空の中」「海の底」のスピンオフを含めた短編集です。


 

7.『植物図鑑』

お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。咬みません。躾のできたよい子です―。思わず拾ってしまったイケメンは、家事万能のスーパー家政夫のうえ、重度の植物オタクだった。樹という名前しか知らされぬまま、週末ごとにご近所で「狩り」する風変わりな同居生活が始まった。とびきり美味しい(ちょっぴりほろ苦)“道草”恋愛小説。レシピ付き。
「BOOK」データベースより引用

ある晩行き倒れた一人の青年に出会ったOLが、一晩の宿を提供したことをきっかけに同居生活を始め、そこから互いを意識するようになり、、という恋愛小説
二人の性格や関係性はとても爽やかで、恋愛小説として読みやすく仕上がっています。それだけでなく「狩り」と称する植物探索で、身近な生物に関する描写が物語に彩りを加えています。
植物図鑑のタイトル通り、植物の紹介とそれらを用いた調理法の紹介もあり、これがまた一見の価値ありです。
2010年本屋大賞ノミネート作品、2016年には岩田剛典さん、高畑充希さん主演で映画化されています。


 

8.『図書館戦争』

2019年(正化31年)。公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。高校時代に出会った、図書隊員を名乗る“王子様”の姿を追い求め、行き過ぎた検閲から本を守るための組織・図書隊に入隊した、一人の女の子がいた。名は笠原郁。不器用ながらも、愚直に頑張るその情熱が認められ、エリート部隊・図書特殊部隊に配属されることになったが…!?番外編も収録した本と恋の極上エンタテインメント、スタート。
「BOOK」データベースより引用

2019年の架空の日本を舞台に、「メディア良化法」という法律によりメディアへの監視権を持つメディア良化委員会と、「表現の自由」のため図書館の自由法を制定した図書隊の対立を描いたSF作品です。
『自衛隊シリーズ』と同様、SFの世界観でありながらも主題は恋愛です。主人公であるヒロインが図書特殊部隊に配属され、指導教官である堂上と繰り広げるやりとりはそれだけで半永久的に読み進めることが出来るほどテンポが良く読みやすいです。
本シリーズは有川作品で最もメディア展開された作品で、アニメや実写映画はいずれもヒット。原作もシリーズとしては最大の6作(スピンオフを含めると7作)刊行されています。
正直設定に甘いところは多少なりともありますが、登場人物の掛け合いや、主人公の恋愛模様が人気の秘訣であるところは他の有川作品に共通した魅力です。

「図書館戦争」シリーズ一覧

1.図書館戦争(2006)
2.図書館内乱(2006)
3.図書館危機(2007)
4.図書館革命(2007)
5.別冊 図書館戦争Ⅰ(2008)
6.別冊 図書館戦争Ⅱ(2008)
7.レインツリーの国(2006)※
※「図書館内乱」の作中作です。


 

9.『フリーター、家を買う』

就職先を3カ月で辞めて以来、自堕落気侭に親の臑を齧って暮らす“甘ったれ”25歳が、母親の病を機に一念発起。バイトに精を出し、職探しに、大切な人を救うために、奔走する。本当にやりたい仕事って?やり甲斐って?自問しながら主人公が成長する過程と、壊れかけた家族の再生を描く、愛と勇気と希望が結晶となったベストセラー長篇小説。
「BOOK」データベースより引用

母親のうつ病発症をきっかけに、フリーターが正社員を目指して就活をし、働く中で人間的に成長していくという物語です。
序盤は有川浩作品には珍しく重たい雰囲気が立ち込めます。家族とはどういうものか?を考えさせられるような描写も多く、主人公に過去の自分を重ね、反省する読者も少なくないのではないかと思います。
ただ中盤以降はさすがの展開で、仕事や恋愛を通して社会人として成長していきます。最終章の視点を変えた描写も客観性が出ていて見事です。
ちなみにこちらも例に漏れずドラマ版が大ヒットしていますが、恋愛要素の多寡や設定が少し違います(著者があとがきでドラマが丁寧に作られていると語っているのでそれ自体に問題提起をしているわけではありません)。原作を読んでからドラマを見ると楽しめるのではないかと思います。


 

10.『旅猫リポート』

野良猫のナナは、瀕死の自分を助けてくれたサトルと暮らし始めた。それから五年が経ち、ある事情からサトルはナナを手離すことに。『僕の猫をもらってくれませんか?』一人と一匹は銀色のワゴンで“最後の旅”に出る。懐かしい人々や美しい風景に出会ううちに明かされる、サトルの秘密とは。永遠の絆を描くロードノベル。
「BOOK」データベースより引用

10作品目にどの作品を選ぶか、非常に悩みました。それほど有川浩作品は層が厚いのですが、最後は一風変わったテイストの小説をチョイスしました。
飼い猫ナナの引き取り先を探して旅する主人公サトルとナナの物語です。
ナナの視点で物語が語られていき、序盤は主人公と過去を織り交ぜながら猫とのふれあいをコミカルに描いたほのぼの日常系ストーリーです。
なぜ猫を引き取ってもらわなければいけないのか、その秘密が明らかになる終盤は無しには読めません。ペットと飼い主の絆を感じる感動作品です。
なお小説の中盤にはコダマさんのラジオで本の紹介コーナーが流れる描写があります。律儀でマメな方だなと思います。


 

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