今回は漫画雑誌において外せない王道ジャンルであるバトル漫画をまとめていきます。
とにかくバトル漫画は昔も今も少年誌連載作品が多いため、「少年ジャンプ」「少年マガジン」「少年サンデー」連載作品を中心に名作を紹介していきます。
もちろんそれだけでは網羅できないため、その他少年誌の連載作品、そしてウェブ漫画も合わせて50作品、バトル漫画の完全版とでもいうべき記事となっております。
なお、当ブログではジャンルごとに様々な漫画を紹介しています。詳細は以下のまとめ記事をご覧ください。
◆週刊少年ジャンプのレジェンドバトル漫画を紹介
「週刊少年ジャンプ」連載の中でも一世を風靡した名作バトル漫画を厳選しています。ほぼ完結済ですが、『ワンピース』のみ未だ連載中です。
・『DRAGON BALL』(完結:42巻)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ
●連載期間:1984年〜1995年
●作者:鳥山明
「友情」「努力」「バトル」そして「勝利」少年漫画に必要な要素をすべて詰め込んだバトル漫画の金字塔。
連載終了から20年以上たった今も関連作品やアニメ・ゲームなど様々な媒体で、世代を超えて愛されている不朽の名作。
メインからサブまで、キャラの作り込みが素晴らしい。まさにキャラに命を吹き込むという感じ。それゆえ感情移入もするし、読むたびに新たな発見があって何度でも読みたくなる。
・『北斗の拳』(完結:27巻)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ
●連載期間:1983年〜1988年
●作者:武論尊,原哲夫
核戦争により文明と秩序が失われ、暴力が支配する時代に突如現れた、伝説の暗殺拳”北斗神拳“の伝承者・ケンシロウの生き様を描いた作品。
パチンコ「CR北斗の拳」でも有名。あまりにも使いまわされた「お前はもう死んでいる」のセリフや、ケンシロウをはじめとするキャラの作画力に隠れがちではあるが、ストーリーや設定も当然ながらとてもよく作り込まれており読み応えは抜群。
・『聖闘士星矢』(完結:28巻)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ、週刊少年チャンピオン
●連載期間:1986年〜1990年
●作者:車田正美
ギリシャ神話をテーマにしつつ、ガンダム的な要素を取り入れた聖衣(クロス)など少年心もしっかり擽ってくる作品。聖闘士(セイント)、聖衣(クロス)、小宇宙(コスモ)といったネーミングも人気要因の一つ。
その狙い通り圧倒的な人気をほこっただけでなく、誌面を変え未だに続編連載中という、こち亀に次ぐ長期連載っぷりを見せつけている。
・『ジョジョの奇妙な冒険』(連載中)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ、ウルトラジャンプ
●連載期間:1987年〜
●作者:荒木飛呂彦
第6部「ストーンオーシャン」まではWJ(週間少年ジャンプ)での連載、第七部「スティール・ボール・ラン」の途中からUJ(ウルトラジャンプ)にて連載中。シリーズ累計では100冊を超え、超長期連載漫画となっている。
各部ごとに違った登場人物や時代設定がありつつも、作品としてのテーマは一貫している。バトル漫画としての王道を抑えつつ、個性的な作画やクセのある表現で世代を超えた人気を博している。
・『DRAGON QUEST ダイの大冒険』(完結:37巻)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ
●連載期間:1989年〜1996年
●作者:三条陸,稲田浩司
大人気ゲーム作品「ドラゴンクエスト」の世界観と設定を基にした少年バトル漫画。ドラクエの原作ではなく、ストーリー自体は漫画オリジナルなので注意。
タイトル通りダイの成長、勇者になる過程を描くと言うテーマの基に物語は進んでいく。主人公だけでなく相棒のポップとライバルのハドラーの存在感が大きく、メインキャラ以外のエピソードでも心を熱くさせられる、とても良い漫画。
・『幽☆遊☆白書』(完結:19巻)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ
●連載期間:1990年〜1994年
●作者:冨樫義博
交通事故で死んだ主人公の浦飯幽助が霊界探偵として生き返る。序盤は探偵モノ風の展開だが、次第にバトル漫画へデフォルメされていく。
中盤の暗黒武術会編はドラゴンボールの天下一武道会と並んでバトルモノの2大傑作。幽助個人も魅力的だが桑原・蔵馬・飛影の3人とのパーティーは段違いのかっこよさ。
『HUNTER×HUNTER』とどちらを入れるか悩んだものの、上記理由に加え19巻でしっかり完結している点を踏まえて本作品をエントリー。
・『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(完結:28巻)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ
●連載期間:1994年〜1999年
●作者:和月伸宏
明治初期の日本が舞台、かつて人斬り抜刀斎と恐れられた緋村剣心が、明治の世で人を守るために流浪人として生きていく。
ジャンプで歴史漫画は珍しいが、剣心の不殺(ころさず)の設定が効いており、万人受けにつながった。
アニメ・実写映画と「るろけん」は珍しくどっちも漫画とは違った面白さがありおすすめ。漫画もSQ(ジャンプスクエア)で続編となる北海道編が連載開始されている。
・『封神演義』(完結:23巻)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ
●連載期間:1996年〜2000年
●作者:藤崎竜
中国の古典怪奇小説『封神演義』を原作とした、今から3000年前の古代中国、殷の王朝時代を描いた歴史漫画。
コメディやギャグの要素を入れたり、原作との相違点は少なくはないが、少年漫画として、軍師的ポジションの主人公が武力でなく知力で活躍をするという斬新さが受けヒット。
歴史小説をまるでオリジナルの漫画作品かのように描き切る構成力はさすがの一言。
・『ONE PIECE』(連載中)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ
●連載期間:1997年〜
●作者:尾田栄一郎
長らくジャンプのシンボルマークでもあった海賊を主人公にした、「ひとつなぎの大秘宝」をめぐる海洋冒険ロマン。
これぞジャンプというような冒険からバトル、感動シーンまで取り揃えた、連載初期から現在まで、長くに渡ってジャンプの看板漫画の座を守り続けている傑作。
単純に戦って敵を倒すだけではなく、様々な伏線が散りばめられている。個人的にはひとつの長編が終わった後に挟まってる世界情勢のターンが好き。あとは広げた風呂敷をどう畳むのかに注目。
・『シャーマンキング』(完結:32巻)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ
●連載期間:1998年〜2004年
●作者:武井宏之
シャーマンと呼ばれる霊能力者たちが、王を決めるシャーマンファイトし、シャーマンキングを目指すというバトル漫画。
少年バトル漫画にあるまじき主人公のゆるっとした性格も、読み進めるにつれてだんだんクセになってくる。
順調に人気漫画の階段を上り詰めていたかに見えたがラストは衝撃的な打ち切り。
その後完全版発行の際に描き切れなかったエピソードを加筆して補完しているため、初読の方は完全版がおすすめ。
・『NARUTO』(完結:72巻)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ
●連載期間:1999年〜2014年
●作者:岸本斉史
日本のみならず海外でも非常に人気・評価が高い忍の戦いを描いた忍者バトル漫画。「ONE PIECE」と並びドラゴンボール亡き後のジャンプを長らく引っ張ってきた看板漫画でもある。
中忍試験が一番面白いという評価が一定数存在するなど、最後の方は少し間延びしてしまったかなという気もする。しかしながらペイン編も評価は高く、伏線を回収してしっかり終わらせたという点でも評価に値する。
・『BLEACH』(完結:74巻)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ
●連載期間:2001年〜2016年
●作者:久保帯人
家族を守るため死神となった高校生の黒崎一護が、死神代行として街に巣食う虚(ホロウ)を退治していくという、序盤は幽白っぽい設定。流れが似ているのは序盤だけではなく、中盤以降は敵対勢力との能力バトル漫画に発展していく。
なんといっても尸魂界(ソウルソサエティ)篇の出来が素晴らしい。特に愛染登場時の圧倒的な表現力に、絶望感を覚えた読者も少なくないはず。ワンピース,NARUTOとともに2000年代のジャンプ看板漫画。2016年に74巻で完結。
・『トリコ』(完結:43巻)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ
●連載期間:2008年〜2016年
●作者:島袋光年
近年流行りの「グルメ×〇〇」というジャンルの先駆けともいうべき、グルメバトル漫画。美食屋トリコと料理人小松のコンビが、世の中の珍しい食材を求め冒険をする。
敵味方ともに魅力的なキャラが多く、グルメにちなんだキャラや技などが豊富に登場するため楽しんで読むことが出来る。
なお作品に登場する食材はだいたい架空のモノであるが、非常にユニーク。
◆週刊少年ジャンプの次世代バトル漫画を紹介
2010年代以降、比較的最近のジャンプ連載バトル漫画を紹介します。
・『ワールドトリガー』(連載中)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ、ジャンプSQ
●連載期間:2013年〜
●作者:葦原大介
異世界からの侵略者ネイバーと、侵略者から人類を守るボーダーとの戦いを描いたSFバトル漫画。
ジャンプ漫画には極めて珍しく、個人の能力にフォーカスするのではなく集団戦における戦略が重視されている点が面白い。
現在は休載から復帰しジャンプSQにて連載中。
・『僕のヒーローアカデミア』(連載中)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ
●連載期間:2014年〜
●作者:堀越耕平
個々人の能力ともいうべき個性を持たない無個性の主人公がヒーローになるべく成長するヒーロー漫画。これぞ少年漫画というべき王道を行くバトル漫画。
作者も言及している通り随所にアメコミの影響を受けたような描写が見受けられるが、少年漫画風にデフォルメされており、とても見やすく面白い。
・『ブラッククローバー』(連載中)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ
●連載期間:2015年〜
●作者:田畠裕基
魔力を持たない下民のアスタが魔法帝を目指し魔法騎士団に入団するというストーリー。
主人公しかり才能溢れるライバルのユノしかり、序盤は某忍者漫画を思わせる設定が目立つが、9つある魔法騎士団のうちの1つに入ってから個別設定も増え面白くなっていく。
序盤〜中盤にかけては敵の全容が見えず徐々に謎が解けていくため、後を引く展開となっている。
・『鬼滅の刃』(完結:23巻)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ
●連載期間:2016年〜2020年
●作者:吾峠呼世晴
大正時代、人喰い鬼が存在する世界。家族を殺され、妹を鬼にされた主人公が鬼を追うため鬼殺隊へ入隊する。
時代背景もあってかストーリーは物悲しい始まりを見せるが、その中でも戦いに明け暮れる主人公をはじめとした若者たちの姿に胸を打たれる。
アニメの大ヒットに伴い、コミックの売上が急速に伸びるという珍しいヒットの仕方でした。2019年コミック売上ランキングではトップ10を独占するという、名実ともにジャンプの看板漫画となった。2020年5月に連載終了、アニメは劇場版の公開が大ヒットするなど依然好調。
・『呪術廻戦』(連載中)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ
●連載期間:2018年〜
●作者:芥見下々
類稀な身体能力を持つ高校生・虎杖悠仁がふとしたきっかけに呪物を取り込んでしまい、呪術の世界に誘われてしまう。
ジャンプらしいバトルファンタジー系の漫画で、バトルまでの展開は引き込まれるものがある。脇を固めるキャラも魅力的で女子受けも◯。
2020年のアニメ化がヒットとなり、ネクスト鬼滅との呼び声も高い作品。
・『チェンソーマン』(完結:11巻)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ
●連載期間:2019年〜
●作者:藤本タツキ
2019年の連載開始から、画力やストーリー展開の完成度の高さと、良い意味でジャンプらしくない内容が話題を呼び、瞬く間に人気作品となった「チェンソーマン」。
とにかく1話目の引き込み方が半端ない。戦闘シーンも迫力満点で、2020年代の看板筆頭候補だな。。と思える作品。
このマンガがすごい2020大賞を受賞したが、少年ジャンプでの第一部は完結。第二部も「ジャンプ+」で連載されている。
・『アンデッドアンラック』(連載中)
●連載雑誌:週刊少年ジャンプ
●連載期間:2020年〜
●作者:戸塚慶文
不死の男と不運の女、この世の理を否定する能力者たちによるバトル漫画。連載開始から間もないけれどとにかく勢いが半端ない。
若干クセのある絵柄ではあるが大胆なコマ割りや迫力ある描写で魅せる漫画となっている。
上の2作品と同様、2020年代の看板作品となれる要素を持っていると思う。
◆週刊少年マガジンのおすすめバトル漫画を紹介
続いては「週刊少年マガジン」から、おすすめのバトル漫画を紹介します。
・『GetBackers -奪還屋-』(完結:39巻)
●連載雑誌:週刊少年マガジン
●連載期間:1999年〜2007年
●作者:青樹佑夜,綾峰欄人
奪われたものを取り返す“奪還屋”美堂蛮と天野銀次のコンビの活躍を描くバトル漫画。
自分たちが持つ特殊な能力を武器に、奪られたら奪り還えせを信条に様々な敵に立ち向かう。敵味方問わずキャラクターが個性たっぷりで読んでいて飽きない。
また好みは分かれるかもしれないが綺麗な作画や厨二心をくすぐる技名・セリフも特徴。学生当時はどハマりした方も多いのではないか。
・『SAMURAI DEEPER KYO』(完結:38巻)
●連載雑誌:週刊少年マガジン
●連載期間:1999年〜2006年
●作者:上条明峰
江戸時代の日本を舞台に、千人斬りの鬼と呼ばれた鬼眼の狂と壬生一族と戦いを描く戦国バトル漫画。
主人公の抱える謎だけでなくサブキャラの背景も丁寧に掘り下げたり、非常に丁寧に作り込まれた作品であると感じる。
現代風にアレンジされた江戸の世に歴史上の人物がデフォルメされて出てきたりと、独特な世界観が特徴。
・『Rave』(完結:35巻)
●連載雑誌:週刊少年マガジン
●連載期間:1999年〜2005年
●作者:真島ヒロ
真島ヒロによる王道バトルファンタジー。この『Rave』が著者の初連載作品だったというから驚き。
少年誌にマッチした魅力的かつ親しみやすいキャラデザと、超王道の展開ながらも独特の世界観で、デビュー作ながら異例の大ヒットを記録。
当時マガジンでは珍しかったファンタジー作品ということで、『七つの大罪』など、その後のファンタジー漫画連載の礎を作った作品と言える。
・『FAIRY TAIL』(完結:63巻)
●連載雑誌:週刊少年マガジン
●連載期間:2006年〜2017年
●作者:真島ヒロ
続いても真島ヒロによるファンタジーバトル漫画『FAIRY TAIL』。
キャラデザ等ベースは『Rave』と類似な部分はありつつも、冒険ファンタジーを前面に押し出した前作とは異なり、魔導士ギルドを舞台として主人公の成長を描く物語となっている。
中世ヨーロッパ風の世界観も相まって国外からの人気もある作品。全63巻と前作『Rave』と比較しても超大作。
・『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』(完結:28巻)
●連載雑誌:週刊少年マガジン
●連載期間:2003年〜2009年
●作者:CLAMP
王国の姫君サクラを救うため、彼女の記憶の羽根(カケラ)を求め主人公小狼(シャオラン)が異世界を冒険する物語。
美しさとかっこよさが同居したファンタジー漫画であり、
『カードキャプターさくら』で有名な女性漫画家集団CLAMPの最高傑作との呼び声高い作品。
『XXXHOLiC』など他のCLAMP作品のキャラも多数登場するので、ファンにはたまらないだろう。
・『エア・ギア』(完結:37巻)
●連載雑誌:週刊少年マガジン
●連載期間:2002年〜2012年
●作者:大暮維人
超ハイテクなインラインスケート「エア・トレック」で街を翔ける暴走族たちを描いたストリートバトル漫画。
エア・トレックというアイテム、それを使用するバトルシステムなどオリジナル要素が強く、他にないバトル漫画と言える。
画力は国内トップクラスであり、その強みを生かした躍動感のあるスケートの描写が特徴。なお圧倒的画力によるエロ描写も多いのが大暮維人作品のもう一つの特徴。
・『七つの大罪』(完結:41巻)
●連載雑誌:週刊少年マガジン
●連載期間:2012年〜2020年
●作者:鈴木央
七人の大罪人から成る伝説の騎士団「七つの大罪」の戦いを描いた王道バトル漫画。
個性的なキャラデザとファンタジー要素の強い世界観がマッチしており、読みやすく面白い。
TVアニメ化に続き映画化もされるなど人気を博し、2010年代の少年マガジンの看板を張っていた名作。
◆週刊少年サンデーのおすすめバトル漫画を紹介
続いては「週刊少年サンデー」から。こちらもジャンプ・マガジンに負けず劣らず名作ぞろいです。
・『YAIBA』(完結:24巻)
●連載雑誌:週刊少年サンデー
●連載期間:1988年〜2003年
●作者:青山剛昌
天下一のサムライを目指す刃(やいば)と、魔力により鬼となった鬼丸との戦いを描いたバトル漫画。
特徴はコメディタッチで展開されるストーリーと、武蔵や小次郎といった歴史上の人物をモデルにしたキャラクターが多く登場すること。
またタイトルが示す通り作中では様々な剣がキーアイテムとして登場する。特に風神・雷神の剣は子供心をくすぐられる。
・『うしおととら』(完結:33巻)
●連載雑誌:週刊少年サンデー
●連載期間:1990年〜1996年
●作者:藤田和日郎
主人公の人間「うしお」と妖怪の「とら」。二人の出会いや深まる絆に軸をおきながら、たくさんの妖怪との戦いを描いたバトル漫画。
その他の登場人物も皆魅力的で、荒々しいタッチは最初とっつきにくい感があるけども、読まず嫌いとするのはあまりにももったいない。
ちなみに藤田和日郎(かずひろと読む)作品は他にもサンデーで連載されており、『からくりサーカス』、『月光条例』、『双亡亭壊すべし』など名作揃い。
・『烈火の炎』(完結:33巻)
●連載雑誌:週刊少年サンデー
●連載期間:1995年〜2002年
●作者:安西信行
治癒能力をもったヒロインを悪役から守るため、炎を生み出す能力をもった主人公や仲間たちが戦う能力バトル漫画。
チーム戦とか能力バトルとか、幽遊白書的な要素がところどころにあり、個人的にはたまらない。
キャラデザは一貫して素晴らしく、それぞれのキャラの個性がちゃんと感じられるし、作画も後半爆発的に伸びるので読むにつれて魅力が増していくような錯覚を覚える。
・『犬夜叉』(完結:56巻)
●連載雑誌:週刊少年サンデー
●連載期間:1996年〜2008年
●作者:高橋留美子
月曜19:00日テレといえば『犬夜叉』の世代、19:30からの『名探偵コナン』と合わせて見ていたアニメだが原作もしっかりと面白い。前作の『らんま1/2』と並ぶ高橋留美子の代表作。
半妖・犬夜叉と女子中学生・かごめとその仲間たちによる冒険活劇で、戦闘要素や恋愛要素だけでなくコメディ要素も含まれているバランスの良い作品。
・『ARMS』(完結:22巻)
●連載雑誌:週刊少年サンデー
●連載期間:1997年〜2002年
●作者:皆川亮二(原案協力:七月鏡一)
身体の一部に兵器を埋め込まれた少年少女たちが陰謀に巻き込まれていく物語。
兵器の核はナノマシンの集合体であり、科学面で多少90年代と現代のギャップを感じるが、バトルシーンやストーリーは現代でも遜色ない面白さ。
また展開は少しスロースタートな印象は受けるが『ARMS』とは何か、秘密結社の目的は何か、謎が徐々に明らかになっていく中盤以降はページをめくる手が止まらなくなる。
・『金色のガッシュ!!』(完結:33巻)
●連載雑誌:週刊少年サンデー
●連載期間:2001年〜2008年
●作者:雷句誠
魔界の王を決める戦いがメインテーマだが、魔物だけでなくパートナーの人間との繋がりもしっかり描かれており、どちらもが時々で主人公となり得るのが素晴らしい。
バトルだけでなく仲間との友情や前述の魔物と人間の絆も色濃く描かれており、感涙必至の名場面が数多く存在するのが特徴。個人的ベストシーンはウォンレイのシーン。
また独特の感性から生み出されるギャグもこの漫画の特徴であり、ギャグシーンにおける各キャラのぶっ飛んだ表情にも注目して欲しい。
・『史上最強の弟子ケンイチ』(完結:61巻)
●連載雑誌:週刊少年サンデー
●連載期間:2002年〜2014年
●作者:松江名俊
いじめられっ子の主人公が、グラマラスな女性武術家と出会い、肉体的・精神的に成長していく物語。
ヒロインはじめ女性陣のお色気要素多数。かと思いきや、修行の場となる梁山泊での鍛錬のシーンや、紹介される武術の数々は熱血少年漫画ならでは。
作者はデビューから一貫して「学園」「バトル」を題材とした作品を描いている印象。本作品は代表作だがその他作品も気になる人にはおすすめ。
・『うえきの法則』(完結:16巻)
●連載雑誌:週刊少年サンデー
●連載期間:2001年〜2004年
●作者:福地翼
天界の神を決めるため、それぞれの神候補に選ばれた中学生たちが繰り広げる代理戦争。ガッシュっぽい設定のバトル漫画。
主人公は正義感が強いことで神候補に見初められ、ゴミを木に変える能力を持つ。
戦闘シーンやストーリー展開にもスピード感があり、スイスイ読めるのは作品レベルが高いからだと思う。
・『結界師』(完結:35巻)
●連載雑誌:週刊少年サンデー
●連載期間:2003年〜2011年
●作者:田辺イエロウ
妖(あやかし)退治を生業とする結界師一族の家に正統継承者として生まれた主人公の、苦悩と成長を描く物語。
仲間とともに徐々に自立・成長していく少年漫画としての面白さはもちろん、主人公ら結界師が操る結界術がキーポイント。
この術が強過ぎず弱過ぎずの絶妙のさじ加減であり、妖や的キャラとの戦闘のバランスがよく取れている。
・『マギ』(完結:37巻)
●連載雑誌:週刊少年サンデー
●連載期間:2009年〜2017年
●作者:大高忍
「アラビアンナイト」の名称でも世界的に知られるイスラム世界における説話集「千夜一夜物語」をモチーフにした冒険活劇。
アリババやアラジンなど、登場人物も一部「千夜一夜物語」から採用されており、イスラム風の世界観同様良く作り込まれた設定。
中でもシンドバッドのキャラは非常に魅力的で、シンドバッドを主人公としたスピンオフ『マギ シンドバッドの冒険』も発表されている。
◆その他の少年誌のおすすめバトル漫画を紹介
ここでは上記3つの少年誌に含まれない作品を紹介します。「少年チャンピオン」連載作品をはじめまだまだ続きます。
・『グラップラー刃牙』(完結:42巻)
●連載雑誌:週刊少年チャンピオン
●連載期間:1991年-1999年
●作者:板垣恵介
「地上最強は誰か?」をテーマに、地下闘技場で戦う範馬勇次郎・刃牙親子や格闘家たちの戦いを描いた物語。
肉体同士のぶつかり合い、時にはグロテスクな戦闘描写もさることながら、最強を目指して戦う有力キャラをあっさり敗退させるなど驚きの展開も多い。さらには刃牙の父親に対する想いはその中でも異質であり、主人公としての掘り下げがしっかりできている。
『グラップラー刃牙』自体は42巻で第一部完結となるが、その後『バキ』、『範馬刃牙』、『刃牙道』、『バキ道』と続編が続き、シリーズ合計では100冊をゆうに超える。
また著者は異なるが、作者板垣恵介原案の外伝も幾つか存在する。
・『鋼の錬金術師』(完結:27巻)
●連載雑誌:月刊少年ガンガン
●連載期間:2001年-2010年
●作者:荒川弘
禁忌である人体練成により身体の一部を失った錬金術を操る兄弟の物語。
母親でなく失った身体を取り戻す旅であるということが鍵で、錬金術という魔法も万能ではなく、作中でも繰り返し言われる等価交換という設定がとてもよく効いている。
ワクワクするストーリー展開が止まることなく、熱量を維持したまま最終巻を迎えられる数少ない漫画。ひとえに作者の力量だと思う。
・『惑星のさみだれ』(完結:10巻)
●連載雑誌:ヤングキングアワーズ
●連載期間:2005年-2010年
●作者:水上悟志
掲載雑誌はヤングキングアワーズという青年雑誌で少年誌掲載作品というテーマから厳密には外れているのだが、内容は少年バトル漫画だし出版社は少年画報社なので良しとする。
世界と姫を救うために、ある日急に騎士として戦うことを余儀なくされる主人公の成長を描いたファンタジーバトル漫画。
最初ダメダメだった主人公が立派に戦いを重ねていくようになる。努力や友情など少年漫画の要素をふんだんに取り入れつつ、しっかり伏線を貼り・回収まで10巻に収めている優良漫画である。
・『修羅の門』(完結:31巻)
●連載雑誌:月刊少年マガジン
●連載期間:1987年-1996年
●作者:川原正敏
架空の古武術・陸奥圓明流の継承者である陸奥九十九が、武術の強さを証明するために闘う格闘バトル漫画。
何でもありの異種格闘技という点では刃牙に似ているかもしれない。
2010年-2015年には同じく月刊少年マガジンにて『修羅の門 第弐門』として連載を再開。
・『青の祓魔師』(連載中)
●連載雑誌:ジャンプスクエア
●連載期間:2009年-
●作者:加藤和恵
悪魔サタンの血を引く少年が、祓魔師(エクソシスト)となり自らの運命に立ち向かう物語。
単純明快でありながら魅力的なキャラ設定・ストーリー展開で、ジャンプスクエア連載ながら週刊少年ジャンプ連載作品に引けを取らない人気っぷりを記録している。
アニメや小説・ゲームなどメディアミックス化もされている。
・『ソウルイーター』(完結:25巻)
●連載雑誌:月刊少年ガンガン
●連載期間:2004年-2013年
●作者:大久保篤
死神武器職人専門学校、通称「死武専」を舞台とした”職人”と”武器”たちの物語。
UKロックの影響を色濃く反映した雰囲気、やや慣れが必要なキャラ設定・世界観に序盤は胃もたれしがちではあるが、中盤以降徐々に面白くなっていく。
・『とある科学の超電磁砲』(連載中)
●連載雑誌:月刊コミック電撃大王
●連載期間:2007年-
●作者:鎌池和馬,冬川基
大人気ライトノベル「とある魔術の禁書目録」のスピンオフ作品。超能力者の女子学生たちが学園都市内で起こる事件に立ち向かう。
レールガンはもちろん皆可愛いし能力バトルは迫力もある。”禁書目録”との相関性も見えてくるのでとあるシリーズファンにはたまらない。
アニメも三期まで放送されていていずれもヒットしているのでおすすめ。
・『終末のワルキューレ』(連載中)
●連載雑誌:月刊コミックゼノン
●連載期間:2017年-
●作者:梅村真也,フクイタクミ
人類滅亡を決めた神々と、それを覆そうとする戦士乙女(ワルキューレ)が、神々vs人類の選抜タイマンバトルを行うというぶっ飛んだ設定のバトル漫画。
トール神vs呂布、ゼウスvsアダムなど予想も付かない組み合わせと展開にページをめくる手が止まらない。
◆ウェブ連載のおすすめバトル漫画を紹介
最後はウェブ連載のバトル漫画です。雑誌掲載ではないですが、コミックス化はされているのでご安心ください。
・『終の退魔師 ―エンダーガイスター』(連載中)
●掲載サイト:サイコミ
●連載期間:2019年-
●作者:四方山貴史
Cygame社が運営するウェブコミック配信サイト「サイコミ」で配信されている能力系バトル漫画。
単純な能力バトルものではなく、謎を含んだストーリー展開や魅力ある脇役たちと、見どころ満載の作品。作者の画力も高く、アクションシーンは見やすくもあり迫力もある。エロかわいいキャラも映える。
また各話のタイトル、作中のセリフや仕草に名作映画のオマージュがふんだんに取り入れられているのも特徴。映画好きにはこれだけでたまらないだろう。
・『ワンパンマン』(連載中)
●掲載サイト:となりのヤングジャンプ
●連載期間:2012年-
●作者:ONE,村田雄介
すべての敵を1発(ワンパン)で倒してしまうヒーローサイタマが主人公のバトル漫画。主人公のキャラ・名前からも察せられる通りギャグ要素を含んだバトル漫画となっている。
元々はONEという漫画家がウェブサイトに掲載していた原作を、『アイシールド21』でも有名な村田雄介作画によりリメイクされたのが本作。ギャグが霞むほどの圧倒的な画力はさすがの一言。
なおとなりのヤングジャンプはヤングジャンプのウェブ配信サイト。ヤンジャン連載作品以外もオリジナル作品が配信されていたりするので興味がある方は是非。
・『出会って5秒でバトル』(連載中)
●掲載サイト:裏サンデー,マンガワン
●連載期間:2015年-
●作者:はらわたさいぞう,みやこかしわ
こちらも『ワンパンマン』同様、はらわたさいぞうがウェブサイト上で発表した作品に、みやこかしわを作画に迎えたリメイク作品。裏サンデーに加えてマンガワンでも配信されている。
突如拉致監禁され、一人ずつ「能力」を授かり、強制的にバトルに参加させられるというもの。
ラノベっぽいタイトルだが頭脳戦をメインとしたバトルは見応えもあり、楽しめる。
・『地獄楽』(完結:13巻)
●掲載サイト:ジャンプ+
●連載期間:20018年-
●作者:賀来ゆうじ
江戸時代後期を舞台に、死罪から逃れるために不老不死の仙薬を探す忍者を主人公とした忍法浪漫漫画。
導入部分からミステリアスな雰囲気満載で、かつ背景・キャラデザは素晴らしくその画力の高さが一層不気味さを強めている。エログロ描写もあるので注意。
日本史だけでなく中国史の設定を取り入れたりと工夫も感じられる。序盤はバトル漫画という感じではないが徐々に戦闘シーンも堂に入ってくる。
・『怪獣8号』(連載中)
●掲載サイト:ジャンプ+
●連載期間:20020年-
●作者:松本直也
怪獣が災害として発生する日本で、人々を救うため怪獣討伐を目指す主人公自身が怪獣となってしまうという物語。
“ジャンプ+“で連載中の、努力や友情、ギャグも含めて少年誌の人気作品要素が詰まった王道漫画。
怪獣を倒すという意味では進撃の巨人やワールドトリガーにも似たテンションの高い戦闘シーンを描きながら、怪獣の発生・徘徊シーンはウルトラマンなどの昭和特撮映画を想起させる。
2021年マンガ大賞にもノミネートされており、今後期待の作品となっている。
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