「週刊少年ジャンプ」歴代のおすすめ漫画作品55選を年代別に紹介する

雑誌キーワードは「友情」「努力」、そして「勝利」。

少年漫画といえばジャンプ、ジャンプといえば少年漫画。少年漫画雑誌の象徴ともいうべき「週刊少年ジャンプ」。思春期の男子の隣には必ずジャンプがある、ということで私自身もずっとジャンプを読み続けてきました。

創世期から、漫画雑誌最高部数を達成した黄金期を経て、WEBもあったりするんで最近売上は落ちていると思うけど、やっぱりジャンプは面白いです。

そんなわけで、人によって思い入れのある時代・作品はあると思いますが、今回は年代別におすすめ作品をまとめてみる!ことにしました。(長いので目次をご活用ください)

「週刊少年ジャンプ」歴代のおすすめ漫画を各年代の代表作に絞って厳選紹介!!

ここでは1970年代から、10年代ごとにおすすめ作品をまとめています。往年の名作から流行りの最新連載作品まで、合計55作品です。

なお、記事末尾にはジャンプ以外の漫画雑誌についてもおすすめ作品をまとめていますので、是非最後までご覧ください。

 

◆創世紀(1970年代)

 

厳密には創刊1968年なので60~70年代とすべきなのかもしれないが、ここでは1970年代を創世紀としてみる。ちなみに〇〇紀のネーミングは大好きな内PのDVDを文字っている(DVDの順番とは違うので予めご了承ください)。

 

・こちら葛飾区亀有公園前派出所/秋本治(1976〜2016)(完結:200巻)

年数にして40年!単行本にして200冊!漫画界における数々のアンタッチャブルレコードを樹立したレジェンド漫画。

2016年の連載終了時はニュースでも大きく取り上げられましたが、それだけ世に与えた影響は大きかったということですね。もう両さんを見れないのかという寂しい気持ちと、お疲れ様でしたと労わる気持ちが入り混じって何とも言えない感情になったのを覚えています。


 

◆新生紀〜革新紀(1980年代)

 

1980年代、産まれる前の連載作品でも知ってるぜ!という時を超えた名作がずらり。中でもドラゴンボールが与えた影響は本当に大きかったでしょう。

 

・キャプテン翼/高橋陽一(1981〜1988)(完結:37巻)

日本サッカーの歴史を語る上ではこの漫画の存在が欠かせない!と言っても過言ではないほど、日本におけるサッカーブームの火付け役となり、普及に多大な貢献をした漫画。人気だけでなく、実際のプロサッカー選手たちにも大きな影響を与えました。

個人的には初期の南葛SC時代が一番面白いのでは?と感じます。味方もライバルも良いキャラ揃いです。いろんな意味で人間ではなくなってきますが、後半やシリーズ続編も面白いです。


 

・北斗の拳/武論尊,原哲夫(1983〜1988)(完結:27巻)

核戦争により文明と秩序が失われ、暴力が支配する時代に突如現れた、伝説の暗殺拳”北斗神拳“の伝承者・ケンシロウの生き様を描いた作品。と一言で言えばこういう説明になるんですが、この時点でもうすでに面白そうな感じが満載です。

最近は世代的にパチンコ「北斗の拳」から漫画を読み出す人たちも多いのかもしれません。あまりにも有名な「お前はもう死んでいる」のセリフや、ケンシロウをはじめとするキャラの作画力に隠れがちですが、ストーリーや設定も当然ながらめちゃめちゃ作り込まれていて読み応え抜群です。


 

・DRAGON BALL/鳥山明(1984〜1995)(完結:42巻)

「友情」「努力」「バトル」そして「勝利」少年漫画に必要な要素をすべて詰め込んだバトル漫画の金字塔。連載終了から20年以上たった今も関連作品やアニメ・ゲームなど様々な媒体で、世代を超えて愛されている不朽の名作です。

何がいいって、もちろん全部がいいんですけどやっぱキャラの作り込みが素晴らしい。まさにキャラに命を吹き込むのが抜群なんだろうなって感じますね。だから感情移入するし、読むたびに新たな発見があって何度でも読みたくなる。敵だったキャラがいつの間にか味方になってるなんてことも多いです。


 

・シティ・ハンター/北条司(1985〜1991)(完結:35巻)

新宿で探偵や殺し、ボディガード等の仕事を請け負う裏稼業No.1のスイーパー冴羽獠」の活躍を描いたハードボイルドコメディ。当時の少年ジャンプ連載作の中では内容が群を抜いて大人びていたため、人気はさほど高くなかったようですが、単行本は5000万部以上の売上とモンスター級です。

コメディ色とハードボイルド色が絶妙なバランスを保っています。普通はバランス崩して作品の価値が薄まることが多いですが、読みやすいのに読み応えもあるという秀逸さです。ちなみに本作をリメイクした「エンジェル・ハート」も面白いです。


 

・聖闘士星矢/車田正美(1986〜1990)(完結:28巻)

ギリシャ神話をテーマにしつつ、ガンダム的な要素を取り入れた聖衣(クロス)など少年心もしっかり擽ってくる、メジャー受けを目指したとされる作品。その狙いは的中で、圧倒的人気をほこっただけでなく、誌面を変え未だに続編連載中という、こち亀に次ぐ長期連載っぷりを見せつけています。

聖闘士(セイント)聖衣(クロス)小宇宙(コスモ)といったネーミングも人気要因の一つでした。特に好きなのは鳳凰星座(フェニックス)。そろそろこの辺がキラキラネームで使われるんじゃないかなんてことを考えると胸が躍ります。あとはペガサス幻想(ファンタジー)アニメ版聖闘士星矢の主題歌ですが、カラオケで歌うと上の世代は盛り上がります。


 

・ジョジョの奇妙な冒険/荒木飛呂彦(1987〜2004)(完結:63巻)

WJ(週間少年ジャンプ)での連載は終了していますが、現在第8部がUJ(ウルトラジャンプ)にて連載中と、こちらも超長期連載漫画です。

部ごとに違った登場人物や時代設定がありつつも、作品としてのテーマは芯が通っている(「人間讃歌」らしいですが、どう見ても少年向けではないですね)。バトル漫画としての王道を抑えつつ、個性的な作画やクセのある表現で人気を博しています。「絵がちょっと受け付けない」なんて感想をたまに聞きますが、非常にもったいないなと思います。


 

・ろくでなしBLUES/森田まさのり(1988〜1997)(完結:42巻)

ジャンプではヤンキー漫画があまり多くないですが、ヤンキーたちを描いた学園モノとしてはベストでしょう。時代背景を感じられるような表現や作画も個人的にツボですが、ギャグとシリアスを組み合わせた作品構成も見事です。


 

・DRAGON QUEST ダイの大冒険/三条陸,稲田浩司(1989〜1996)(完結:37巻)

大人気ゲーム作品「ドラゴンクエスト」の世界観と設定を基にした少年バトル漫画。というと勘違いされがちですが、ドラクエ原作というわけではなく、ストーリー自体はオリジナルです。

その名の通りダイの成長、勇者になる過程を描くと言うテーマの基に物語は進んでいきますが、やはり相棒のポップとライバルのハドラーの存在なしには語れません。メインキャラ以外のエピソードでも心を熱くさせられると、ああ良い漫画に出会えたなあと強く感じます。


 

◆黄金紀〜円熟紀(1990年代)

 

ドラゴンボールの連載終了とONE PIECEの連載スタート。ジャンプにとっての転換期となった1990年代ですが、前半はまさに黄金にふさわしいラインナップでした。当時の作者あとがきページとか見ると本当に豪華なラインナップです。

 

・幽☆遊☆白書/冨樫義博(1990〜1994)(完結:19巻)

交通事故で死んだ主人公の浦飯幽助が霊界探偵として生き返る。探偵モノか?と思いきや次第にバトル漫画へデフォルメされていく。

中盤の暗黒武術会編はドラゴンボールの天下一武道会と並んでバトルモノの2大傑作だと(勝手に)思っています。ドラゴンボールとの違いは幽助個人ではなく桑原蔵馬飛影の3人とパーティーを組んでいるという点。なんだかんだいってもこの4人が最強ですね。

バトル、バトルで来て最後はほろり。19巻という長さもGOOD。個人的には富樫作品の中ではHUNTER×HUNTERを抑えて一番だと思っています。


 

・スラムダンク/井上雄彦(1990〜1996)(完結:31巻)

日本のバスケットボール界における一番の財産は漫画”スラムダンク”であると声を大にして言いたい。日本のバスケットボール人口を急激に増加させただけでなく、本作品の印税の一部を資金として設立されたスラムダンク奨学金により、世界への扉も開かれることになりました。まさに日本バスケの道を作ってきたと言っても良い作品。

最初はギャグ漫画か?と思うほど。バスケに関する想いが薄い素人の桜木花道が、次第にバスケにのめり込んでいくあたりは少年漫画って感じがする。山王戦を超える試合は描けない、って作者が言っている以上続編はもう望めないかな。もちろんあったら読みたいけど、この作品はこれで良いんだとも思えるほど密度が濃い31冊です。
なお続編はないですが、既刊のコミックスが新装再編されています。少しテイストの違った桜木花道を見ることができます。


 

・地獄先生ぬ〜べ〜/真倉翔,岡野剛(1993〜1999)(完結:31巻)

鬼の手を持つ小学校教師のぬ〜べ〜こと鵺野鳴介が、生徒を守るため妖怪や悪霊を退治する物語。友情や努力と言ったジャンプ従来のコンセプトに留まらず、ホラー怪談知識お色気まで、あらゆるジャンルを組み込んだ作品。

その割に散らかっておらず(1話完結という構成も含めかもしれないけど)作品としてよくまとまっている印象。幅広い年代に支持されているのも納得です。


 

・るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-/和月伸宏(1994〜1999)(完結:28巻)

明治初期の日本が舞台、かつて人斬り抜刀斎と恐れられた緋村剣心が、明治の世で人を守るために流浪人として生きていく。ジャンプで歴史漫画は珍しい、どうしても殺しをどう描くかが付いて回るからなのかもしれないけど、この作品では不殺(ころさず)の設定が効いています。

アニメ・実写映画と漫画原作ではだいたいどちらかが爆死するのが常ですが、「るろけん」は珍しくどっちも漫画とは違った面白さがありおすすめです。
漫画自体はSQ(ジャンプスクエア)で続編となる北海道編が連載開始されています。


 

・セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん/うすた京介(1995〜1997)(完結:7巻)

数あるギャグ漫画の中でも異彩を放つうすた作品。わかめ高校に突如現れた、格闘技「セクシーコマンドー」を使いこなす花中島マサルが主人公、ってもうこの時点で意味不明だしわけわかんないけど、一つ一つのギャグはシュールだけどキレがあって面白い。あと「メソ」が良いです。

完結済漫画で「全7巻」はこの50選の中で最も少ない巻数です。量ではなく、質なのです


 

・封神演義/藤崎竜(1996〜2000)(完結:23巻)

中国の古典怪奇小説封神演義』を原作とした、今から3000年前の古代中国、殷の王朝時代を描いた歴史漫画。もちろん漫画なのでコメディやギャグの要素を入れたり、原作との相違点は少なくはないです。

少年漫画として、軍師的ポジションの主人公が武力でなく知力で活躍をするというのは珍しい。さらにそれがヒット作になる確率はとても低いと思われる。歴史小説をまるでオリジナルの漫画作品かのように描き切るとは中々やりおるといったところである。ちなみに円満に最終回を迎えることができた、数少ない作品の一つらしいです。


 

・遊☆戯☆王/高橋和希(1996〜2004)(完結:38巻)

いじめられっ子の武藤遊戯は、古代エジプトから伝わる闇アイテム”千年パズル“を解いたことによって、心の中に別人格を持つもう1人の自分(闇遊戯)を宿すようになり、闇のゲームを行うことで悪人を裁いていく、という設定で始まります。

初期は1話完結型の怪奇漫画だったんですが、途中で登場したカードゲーム「マジック%ウィザード」が大受け。中盤以降はひたすらデュエルやってます。
このカードゲームは現実世界でも遊戯王デュエルモンスターズ(遊戯王OCG)として大ヒットを記録しました。私も当時は必死にカードを集めたものです。


 

・I”s/桂正和(1997〜2000)(完結:15巻)

編集部に頼まれて描いたという、桂大先生のラブコメ漫画。本人は電影少女みたいなSFが書きたかったらしい。。。あれも普通に面白いんですけどね。まあしかし何と言っても絵がうまい、、そして天才的なアングルにより生み出されるエロスはまさしくラブコメ漫画にふさわしいと思います(大真面目です)。もちろん作画だけではなく、ストーリーもしっかりと作り込まれた純愛がテーマとなっています。

タイトルのI”sに込められた意味の深さには誰もが驚くことでしょう。単なる複数形ではなく、ダブルクォーテーションなのがポイントです。


 

・世紀末リーダー伝たけし!/島袋光年(1997〜2002)(完結:24巻)

生まれた時からヒゲが生えており、小1にして体毛が生え揃っているというアクが強すぎる設定の主人公たけしが、クラスのリーダー的存在として問題を解決していく。当初はギャグ漫画だったが、途中からバトル要素も入ってきており、これは島袋作品の特徴とも言えます。

さすがにふざけすぎだろ、読むのやめよかな、、、と思ったらあれ?実はいいやつじゃん。みたいな感じで気づいたら全部読み終わってます。メリハリがしっかりしていて読みやすいです。


 

・ONE PIECE/尾田栄一郎(1997〜)(連載中)

長らくジャンプのシンボルマークでもあった海賊を主人公にした、「ひとつなぎの大秘宝」をめぐる海洋冒険ロマン。これぞジャンプというような冒険からバトル、感動シーンまで取り揃えた、連載初期から現在まで、長くに渡ってジャンプの看板漫画の座を守り続けている傑作。

単純に戦って敵を倒すだけではなく、様々な伏線が散りばめられている。個人的にはひとつの長編が終わった後に挟まってる世界情勢のターンが好き。あとは広げた風呂敷をどう畳んでいただけるのか。願わくば私がおじいちゃんになる前に終わらせて頂きたいものです。


 

・HUNTER×HUNTER/冨樫義博(1998〜)(連載中)

主人公のゴンが、顔を知らぬ実の父親ジンを探す旅に出る冒険物語。父を追うために父の職業であるハンターとなり、その過程で出会った仲間と友情を深めていきます。

設定・キャラの魅力・作画とすべての要素において作り込みが半端ない。常に読者の予想を上回る、これぞ鬼才と言わんばかりの才能溢れる作品です。欠点は休載が多いこと。それだけです。


 

・ホイッスル!/樋口大輔(1998〜2002)(完結:24巻)

身長146cmしかない中学2年生の風祭将を主人公にしたサッカー漫画。背が低いからという理由で強豪校でくすぶっていた主人公が、平凡な公立校に転校し花を咲かせていきます。

某テニス漫画とは異なり、中々現実味のある中学サッカーを描いていると思う。思春期真っ只中の中学生が転校先で仲間と出会い、サッカーだけでなく1人の人間としても成長していく姿が見て取れる。あまり知られていないが隠れた名作です。


 

・ROOKIES/森田まさのり(1998〜2003)(完結:24巻)

かつての野球伝統校へ赴任してきた新任教師川藤幸一が、生徒たちとぶつかり合いながら野球部を再建していく物語。当時のスポーツ漫画には珍しく、指導者を主人公とした設定です。

野球のルールすら知らない、情熱しか持ってない修造的な川藤の姿に、最初は反発しながらも徐々に団結して甲子園を目指していきます。
2008年に放映されたテレビドラマが大当たり、連載が終了してからも評価をあげている名作です。


 

・シャーマンキング/武井宏之(1998〜2004)(完結:32巻)

シャーマンと呼ばれる霊能力者たちが、王を決めるシャーマンファイトし、シャーマンキングを目指すというバトル漫画。少年バトル漫画にあるまじき主人公のゆるっとした性格も、当時はこんなんでいいのか?!と思いましたが、読み進めるにつれてクセになってきます。

順調に人気漫画の階段を上り詰めていたかに見えたのですが、ラストは衝撃的な打ち切り。その後完全版発行の際に描き切れなかったエピソードを加筆して補完。シャーマンキングを読むときは完全版を読むようにしましょう。


 

・ヒカルの碁/ほったゆみ,小畑健(1999〜2003)(完結:23巻)

平安時代の天才囲碁棋士である藤原佐為に取り憑かれた小学生ヒカルが、囲碁の世界に導かれ「神の一手」を目指す物語。

囲碁のルールが全く分からなくてもこれだけ面白いのか!(逆にこれだけ面白いのに読んでても囲碁のルールが全く分からないのか!)と驚愕します。とにかく囲碁が分からないからというだけで敬遠しないで欲しい。主人公がライバルとの切磋琢磨の中で成長していく様だけでなく、サブキャラにもしっかり焦点を当てていることで作品全体の深みが増しています。

また連載初期と終盤を見比べると、その画力の成長っぷりにも驚かされます。原作/作画と分かれていますが、その後小畑健さんは異なる原作者と組み続々とヒット作を生み出すヒットメーカーとなります。


 

・テニスの王子様/許斐剛(1999〜2008)(完結:42巻)

中学テニス部を題材にしたスポーツ漫画(⇦ここ重要!)です。連載当初はテニスルールの解説や、実際に使われる技などの紹介もありましたが、その後高校・大学・社会人プロ、ついには人間離れした能力を身につけ始めます。流血分身会場破壊など数々の奇行を繰り広げ、最後は校歌を全員で歌って連載終了となります。

ただのトンデモ設定な漫画のようですが、関連メディア作品含め根強い人気を誇っています。なんだかんだいって普通に面白く読めてしまうんだよなあ。


 

・NARUTO/岸本斉史(1999〜2014)(完結:72巻)

日本のみならず海外でも非常に人気・評価が高い忍の戦いを描いた忍者バトル漫画。「ONE PIECE」と並びドラゴンボール亡き後のジャンプを長らく引っ張ってきた看板漫画でもありました。

最後の方は個人的にはちょっと間延びしてしまったかなという気もするが、ペイン編も評価は高いし、伏線を回収してしっかり終わらせたという点でも評価に値します。


 

◆発酵紀〜熟成紀(2000年代)

 

webの登場、人気漫画の連載終了が相次ぎ売上的にはかなり苦しんだ、いわばジャンプ冬の時代。確かにあらゆる世代に愛されるモンスター漫画みたいなのはないかもしれないけど、マニアックな人気を誇ったり問題作として世に広く知られた作品など、中々曲者揃いの年代。

 

・BLACK CAT/矢吹健太朗(2000〜2004)(完結:20巻)

電磁銃(レールガン)と呼ばれる特殊な銃を使いこなす凄腕の暗殺者トレイン=ハートネットが主人公。暗殺稼業から身を引き掃除屋として生計を立てているトレインが、暗殺者時代の過去とどう向き合っていくのか、がポイント。

作画がとても素晴らしく、レールガンを用いた技も厨二心をくすぐられる。と思ったらToLOVEるみたいな作品も描けちゃうわけだから、漫画家の凄さを改めて感じます。


 

・ピューと吹く!ジャガー/うすた京介(2000〜2010)(完結:20巻)

マサルさんに続いてのギャグ漫画で、うすた作品の集大成ともいうべき作品。人気投票に関わらずほぼ毎週ジャンプの巻末に掲載され、1話辺りのページ数も10ページ弱と他の漫画より少ないのが特徴だった。

他作品にも共通したシュールなギャグはそのままに、個性的なキャラが目白押し。忘れた頃に出てくるサブキャラがなんとも言えない味を出していた。個人的ツボはハンサムしこりつっきちこむ平。文字どおり笑い転げました。


 

・ボボボーボ・ボーボボ/澤井啓夫(2001〜2007)(完結:28巻)

続いてもギャグ漫画。マルハーゲ帝国に支配された未来設定で、鼻毛真拳の使い手ボーボボが人類の毛の自由を守るため戦うという、ギャグバトル漫画。ボーボボの魅力は理不尽なギャグ。情けのかけらもなく時にかわいそうになるレベル。「ただし漬物、てめーはダメだ」はマジ名言。


 

・BLEACH/久保帯人(2001〜2016)(完結:74巻)

家族を守るため死神となった高校生の黒崎一護が、死神代行として街に巣食う虚(ホロウ)を退治していくという、序盤は幽白っぽい設定。流れが似ているのは序盤だけではなく、中盤以降は敵対勢力との能力バトル漫画に発展していく。

尸魂界(ソウルソサエティ)篇の出来が素晴らしい。愛染が出てきた時の絶望感なんて、圧倒的な表現力でした。虚圏(ウェコムンド)辺りからはまあ賛否別れるかもしれないけど、それでも国内外に大人気。ワンピース,NARUTOとともに2000年代のジャンプ看板漫画でした。2016年に74巻で完結。


 

・いちご100%/河下水希(2002〜2005)(完結:19巻)

ある日いちごパンツをはいた見知らぬ美少女に一目惚れした主人公真中淳平と、ヒロインたちの織り成すラブコメディ。

連載当時、思春期男子のバイブル的な読み物だった恋愛漫画。だいぶお世話になりました。数あるヒロインの内、誰が良いとか(まるでAKBの推しメンのごとく)教室で語り合ったことを覚えています。ちなみに私は西野派です。


 

・アイシールド21/稲垣理一郎,村田雄介(2002〜2009)(完結:37巻)

アメリカンフットボールを題材にしたスポーツ漫画。長年パシリを続けていたことで人知れず超人的な脚力を身につけていた主人公の小早川セナが、RB(ランニングバック)として才能を開花させていくのと同時に、所属する泥門高校の躍進を描いた作品。

アメフトは専門職の集まりである。キャッチ力だけ、身長だけ、一芸に秀でた人間が活躍できるスポーツである。ということをしっかり体現できている。

途中から壊れ設定になっちゃったかな?という気もしなくはないが、王城戦までは本当に面白い。神龍寺戦のラストは全スポーツ漫画の中でも屈指の激アツ展開


 

・DEATH NOTE/大場つぐみ,小畑健(2003〜2006)(完結:12巻)

名前を書かれた人間は死ぬというデスノートを拾った夜神月Lの壮絶な知能戦。第一部と第二部、ラストはどちらも衝撃でした。これだけの内容を詰め込んでたった12冊。

作中、夜神月の思想は評論家も警鐘を鳴らすほど、一部では問題作と言われていました。こんな漫画は2度と出てこないでしょう。異色の作品です。


 

・D.Gray-man/星野桂(2004〜2009)(連載中)

舞台は仮想19世紀のヨーロッパ。生物兵器「AKUMA」とそれを生み出す千年伯爵。主人公アレンらAKUMAに対抗する力を持ったエクソシストが伯爵に立ち向かうというストーリー。

絵も綺麗だし(多少ごちゃついてるけど)、設定も独特で面白い。平均点以上をとってくる良作ってイメージ。ちなみに少年ジャンプとしては連載終了済。その後赤マル⇨SQなどジャンプ系雑誌を渡り歩いているジャーニーマン的漫画である。現在はジャンプSQ.RISEで連載中。


 

・銀魂/空知英秋(2004〜2019)(完結:77巻)

作者曰く、作品のジャンルは「SF人情なんちゃって時代劇コメディー」。おいおい詰め込みすぎだろ、、なんて思って読み始めるとあら不思議。詰め込みすぎなのはある程度事実ですが、面白いですよ。

ギャグ漫画というジャンルになるんでしょうか。たまにシリアス展開があるけど、このジャンルで70冊超えは凄いです。


 

・家庭教師ヒットマンREBORN!/天野明(2004〜2012)(完結:42巻)

うだつの上がらない少年ツナがある日突然現れたヒットマンによってマフィアのボスになるべく教育をされてしまう。この設定のもと、当初はギャグ漫画だったけど途中から路線変更してバトル漫画に。それが当たったのか42巻という大作になり、アニメも当たりました。

ちなみに作者は連載中、一度も休載が無かったという鉄腕っぷり。某漫画家にも見習って?欲しい。


 

・魔人探偵脳噛ネウロ/松井優征(2005〜2009)(完結:23巻)

」を喰らう魔人ネウロが、人間界に潜む謎を食べるお話。人間界で目立たず生活出来るよう、女子高生を探偵に仕立て上げ、事件を解決しながら裏でその事件の謎を食べるというもの。

推理モノのように聞こえるが、実際は魔人の道具でトリックを暴いてしまうため、ミステリー要素はあまり無い。その代わりといってはなんだが、犯人の異常心理やリアクションが面白かったりする。


 

・SKET DANCE/篠原健太(2007〜2013)(完結:32巻)

学生生活支援部「スケット団」が、生徒たちの悩みや問題を解決していく学園モノ。ギャグ中心だけど、ミステリー要素や感動系のエピソードもありと、いろんな要素が詰め込まれている。リーダーのあだ名「ボッスン」で分かるように、表現やネーミングセンスが独特。才能あるな〜って感じします。


 

・PSYREN -サイレン-/岩代俊明(2008〜2010)(完結:16巻)

個人的にジャンプ史上最高の出来を誇る打ち切り漫画。2位のシャーマンキングと僅差だけど、あれは完全版で補正されてるし。ということで不名誉かもしれないけど1位です。荒廃した未来の日本と、現世を行き来する死のゲーム「PSYREN(サイレン)」に巻き込まれた主人公が仲間とともにゲームクリアを目指し、日本を救えるか?という内容。

設定はもちろんだけど、序盤の展開も本当に面白い。なので中盤〜後半にかけての大味な感じが残念でした。ちゃんと終わらせただけいいのかもしれないし、全体としては十分面白い部類に入るんだけど、もっと面白くなれたんじゃないかという疑念が拭い切れない、惜しい一作。


 

・バクマン。/大場つぐみ,小畑健(2008〜2012)(完結:20巻)

「DEATH NOTE」に続く大場・小畑コンビの作品。画力の真城最高(サイコー)と文才と発想の高木秋人(シュージン)の2人が漫画家となり少年ジャンプへの連載を目指す物語。漫画家を描いた作品というだけで希少な気がするが、実際の連載作品が多数登場するなど、かなり現実世界を投影した内容となっており、幅広い年代に支持されていいます。


 

・トリコ/島袋光年(2008〜2016)(完結:43巻)

近年流行りの「グルメ×〇〇」というジャンルの先駆けともいうべき、グルメバトル漫画。美食屋トリコと料理人小松のコンビが、世の中の珍しい食材を求め冒険をする。

ちなみに出てくる食材はだいたい架空のモノですが、非常にユニークです。なお、グルメ漫画は他にもおすすめがあります。下記にまとめていますので是非ご覧ください。


 

・黒子のバスケ/藤巻忠俊(2009〜2014)(完結:30巻)

中学バスケットボール界で無敗を誇った「キセキの世代」に焦点を当てたバスケ漫画、いやバヌケ漫画。NBAスターもびっくりの超人的なプレーの数々はまさにテニヌならぬバヌケと言えます。

最初は正統派バスケ漫画?と思うんですけど、ああそっち系ね。と思えば楽しく読める。


 

◆再生紀(2010年代)

 

最後は2010年代、現在も連載中の人気作品を含め計8作品を厳選しました。『鬼滅の刃』や『約束のネバーランド』など、2010年代後期に大ヒットした漫画が多くあり、ジャンプが新たなステージに突入したと思えるような年代でした。

 

・食戟のソーマ!/附田祐斗,佐伯俊(2012〜2019)(完結:36巻)

名門料理学校”遠月学園”に下町の定食屋の息子幸平創真が入学し、異色の存在として活躍・成長していくグルメ漫画。

「グルメ×〇〇」に当てはめるなら、この漫画は「グルメ×お色気」出てくる登場人物は皆美味しいものを食べると着衣をはだけるというリアクションをとる。お色気に必要な画力も十分、というかかなり上手い方だと思う。読みやすさも抜群でおすすめです。


 

・ハイキュー!!/古舘春一(2012〜2020)(完結:44巻)

乗りに乗っているバレーボールを題材にしたスポーツ漫画。人気・実力ともに歴代バレー漫画の中でも1番と言っていいでしょう。

宮城県の高校が舞台という、少々珍しい設定。主人公コンビだけでなくサブキャラにも努力と成長が見られたりするし、何と言っても試合展開が熱い。ジャンプでも人気を持続し続け、2020年7月に惜しまれつつ連載終了となりました。


 

・ワールドトリガー/葦原大介(2013〜)(連載中)

異世界からの侵略者ネイバーと、侵略者から人類を守るボーダーとの戦いを描いたSFバトル漫画。主人公の能力つえーという感じではなく、集団戦における戦略が重視されている点が面白い。

現在は休載から復帰しジャンプSQにて連載中です。


 

・僕のヒーローアカデミア/堀越耕平(2014〜)(連載中)

個々人の能力ともいうべき個性を持たない無個性の主人公がヒーローになるべく成長するヒーロー漫画。連載初期から次世代のジャンプを背負う漫画と位置付けられていましたが、順調に面白くなっている印象です。これぞ少年漫画って感じの王道を行くバトル漫画です。

作者も言及している通り随所にアメコミの影響を受けたような描写がありますが、少年漫画風にコミカライズされており、とても見やすく面白いです。


 

・背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~/横田卓馬(2015〜2017)(完結:10巻)

高校生による競技ダンスをテーマにした珍しい漫画です。競技ダンスの特徴である男女ペアに焦点を当て、各組ごとに異なる男女の関係性をうまく描いており、それが魅力あるライバルたちの描写にも繋がっています。

また高校生の部活動らしく、先輩後輩や同学年との絆もしっかりと描かれており、ジャンプならではの友情・青春要素もバッチリと含まれてます。後半の全国大会でのダンス描写はたっぷりとページを割き迫力あるシーンの連続で、終盤の綾辻嬢覚醒の瞬間はたまらないです。


 

・ブラッククローバー/田畠裕基(2015〜)(連載中)

魔力を持たない下民のアスタが魔法帝を目指し魔法騎士団に入団するというストーリー。

主人公しかり才能溢れるライバルのユノしかり、ナ○トかな?と思う初期設定ですが、9つある魔法騎士団のうちの1つに入ってから個別設定も増えて面白くなります。敵の全容が見えず焦らされている感も悪くないです。


 

・鬼滅の刃/吾峠呼世晴(2016〜2020)(完結:23巻)

大正時代、人喰い鬼が存在する世界。家族を殺され、妹を鬼にされた主人公が鬼を追うため鬼殺隊へ入隊する。時代背景もあってか、ストーリーは物悲しい始まりを見せますが、その中でも戦いに明け暮れる主人公たちの姿に胸を打たれます。

アニメの大ヒットに伴い、コミックの売上が急速に伸びるという珍しいヒットの仕方でした。2019年コミック売上ランキングではトップ10を独占するという、名実ともにジャンプの看板漫画となりましたが、2020年5月に連載終了しました。アニメは劇場版の公開が控えています。


 

・約束のネバーランド/白井カイウ,出水ぽすか(2016〜2020)(完結:20巻)

孤児院で暮らしていた主人公エマはある日里親が見つかり外に出ることになった子供が鬼のための食肉として出荷されているのを目撃する。自分たちの境遇を知ったエマたちは、孤児院からの脱出を計画する。

各種漫画賞を総なめくらいの勢いで受賞しまくっている話題作。次が読みたいと常に思わせる展開力は素晴らしい。原作は2020年6月に連載終了しましたが、アニメ2期や実写映画化と、話題は未だ尽きない。


 

・Dr.STONE/稲垣理一郎,Boichi(2017〜)(連載中)

原作はアイシールド21の稲垣理一郎。全人類が突如石化し、3700年後ようやく石化を解き自由な身体を手に入れるという気の遠くなるような設定で始まる。風化してしまった景色の中で、相棒と文明を再建させる覚悟を決める。

いろんな意味でスケールのでかい漫画。予想の斜め上をいく展開がくせになるかもしれません。


 

・チェンソーマン/藤本タツキ(2019〜2021)(完結:11巻)

2019年の連載開始から、画力やストーリー展開の完成度の高さと、良い意味でジャンプらしくない内容が話題を呼び、瞬く間に人気作品となった「チェンソーマン」。

とにかく1話目の引き込み方が半端ない。戦闘シーンも迫力満点だし、こりゃ2020年代の看板筆頭候補だな。。と思える作品でしたが、2021年2号を持って第1部が完結してしまいました。なおジャンプ本誌での連載は終了しましたが、アニメ化に引き続き、第2部は「ジャンプ+」にて連載中。まだまだチェンソーマンフィーバーは続きそうです。


 

終わりに

さて、本編はここまでなのですが、最後に今後のジャンプを牽引するであろう4つの連載作品を番外編として紹介したいと思います。

 

①『呪術廻戦』/芥見下々(2018〜)(連載中)

ジャンプらしい?バトルファンタジー系漫画。『青の闇祓師』に似てるな、と最初は思ったくらいありきたりな設定かと思いきや、すぐに引き込まれました。

主人公が呪いと戦う理由付けから、個別のキャラ設定、バトルシーンの迫力など、どれをとっても完成度が高いです。時期にジャンプの看板漫画になり得るような作品とおもいます。


 

②『アンデッドアンラック』/戸塚慶文(2020〜)(連載中)

不死の男と不運の女、この世の理を否定する能力者たちによるバトル漫画。連載開始から間もないけれど序盤から勢いが半端ないです。

若干クセのある絵柄ですが大胆なコマ割りや迫力ある描写で魅せる漫画となっており、上の2作品と同様、新たなジャンプの看板作品となれる要素を持っていると思います。


 

③『マッシュル-MASHLE-』/甲本一(2020〜)(連載中)

魔法が当たり前にある世界で、魔法が使えない主人公マッシュが、筋トレで鍛えた筋力を武器に魔法学校でライバルたちと渡り合っていく物語。

ハリーポッターの世界観をふんだんに盛り込んだ(オマージュと言って良いのか不明)魔法界で、バトルはギャグ・コメディ要素が満載。シリアスになりすぎず軽く読める魔法ファンタジー漫画に仕上がっています。


 

④『アオのハコ』/三浦糀(2021〜)(連載中)

ジャンプの新たな恋愛漫画。スポーツ漫画の要素を多めに取り入れており、片思いの先輩と同居、同級生を含めた三角関係とベタベタな設定ながらラブコメではないという少し珍しい作品です。

コメディ要素はないですが、個人的には『I”s』『いちご100%』に次ぐジャンプを代表する恋愛漫画になりそうな気がしています。この2作品に比べると画力(とお色気)は欠けているものの、どこかセピア色に見える淡く切ない表情が素晴らしいです。


 

終わりに

ジャンプ名作55選、いかがでしたでしょうか。

 

正直ジャンプを読んでいた年代によって自分の贔屓漫画は変わるし、人それぞれの50選があるとは思っています(おそらく見ればだいたいの年齢が分かってしまうくらい)。みんな違ってみんないいんではないでしょうか。私自身も55選は今後入れ替えもあると思うので、またその都度更新していきたいと思います。

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